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フランス製SUV「DS7 クロスバック」のPHEVシステムが国産車より高速燃費で有利になる理由とは?

掲載 更新 18
フランス製SUV「DS7 クロスバック」のPHEVシステムが国産車より高速燃費で有利になる理由とは?

EV航続距離56kmの本格的なプラグインHV

フランス・パリ生まれのプレミアムブランド「DSオートモビル」のフラッグシップSUVである「DS7クロスバック」にプラグインハイブリッドの「Eテンス 4×4」が追加されました。日本での販売価格は732万円、前後に駆動用モーターを置いた電動4WDで、搭載するバッテリー(13.2kWh)の電力を使えばエンジンを動かさずに56kmのEV走行ができるという本格的な電動車両です。

そのスタイリッシュなボディに収まるプラグインハイブリッドシステムの構成は、フロントタイヤを駆動する1.6Lターボエンジン(最高出力200PS)とモーター(110PS)、そしてリアタイヤを駆動するモーター(112PS)から成るもので、システム全体で発揮できる最高出力は300PS、最大トルクは520Nmとなっています。

国産PHVとまったく異なるシステム構成に注目

システム構成を書き出してみると、「トヨタRAV4 PHV」や「三菱 エクリプスクロス PHEV」と似たような印象を持つかもしれませんが、少なくともフロント周りのパワートレインについてはまったく異なる構造となっています。

国産系のプラグインハイブリッド車が発電用と駆動用のモーターをそれぞれもっているのに対して、DS7クロスバックのフロント側は1個のモーターのみで、そのモーターは8速ATトランスミッションに内蔵されています。

このモーター内蔵8速オートマチックトランスミッションがDS7クロスバックEテンス 4×4のコアテクノロジーで、8速ATは日本のアイシンAW製。純ガソリン車にも採用される前輪駆動用の8速ATをベースに、通常のATではトルクコンバーターが収まっている部分に薄型モーターと多板クラッチを詰め込んだことで、さほどサイズアップせずにハイパワーなハイブリッドシステムとしているのが特徴です。

基本的にエンジンで充電しない独自の方式

DS7クロスバックは発進するときには基本的にリアモーターを使いますが、EV走行による4WD駆動も可能で、トランスミッション内の多板クラッチはエンジンとモーターを切り離す位置に置かれていて、モーターだけで前輪を駆動することができます。

また、構造的にはオートマチックトランスミッション側のクラッチを切り離すことでエンジンとモーターをつないで発電する制御も可能ですが、国産プラグインハイブリッドのような発電専用モーターではありません。つまり、バッテリー充電は外部充電がメインで、走行中は前後モーターの回生ブレーキという減速エネルギーを利用して充電することになります。

ということは走行中にバッテリー残量が少なくなってモーターでは発進できないシーンも出てきます。そうしたときに1.6Lターボエンジンで発進できるように、多板クラッチが設けられているというのが、このシステムを成立させられるポイントといえるでしょう。

さらにフロントのモーターは8速ATを介して前輪を駆動しますが、モーターだけで駆動するときには電動らしい変速ショックのないフィーリングを、エンジン+モーターやエンジンだけで駆動するときには変速のメリハリ感によりキビキビとしたフィーリングを演出するといったことも、このパワートレインでは可能になっています。また、ガソリンエンジンと8速ATで走行できる領域が広いことは高速域での高効率につながります。

RAV4などの国産勢に対して高速域での燃費で有利か?

エンジンが異なるので単純な比較は難しいのですがRAV4 PHVなどのシステムに比べると、100km/hを超えて高速領域に入るほど、DS7クロスバックのハイブリッドシステムは効率に優れる傾向にあるのは間違いありません。

DS7クロスバックは、後輪モーターを積極的に活用する「4WDモード」、エンジン主体で走る「スポーツモード」、もっとも高効率にバランスさせた「ハイブリッドモード」、駆動力でも乗り心地に貢献する「コンフォートモード」、そしてデフォルト設定の「EVモード」と5つのドライビングモードを選べ、各モードでエンジンとモーターが切り替えショックを感じさせないよう協調制御していることも、このハイブリッドシステム最大の特徴です。

冒頭で、それぞれの最高出力はエンジンが200PS、フロントモーターが110PS、リアモーターが112PSでありながら、その3つを合わせたシステム最高出力が300PSになっていると書いたことを不思議に感じたかもしれませんが、単純に合計した数値よりもシステム最高出力が小さくなっているのは、エンジンとモーターに得意な領域のズレがあり、そこをうまくバランスさせているからなのです。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

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みんなのコメント

18件
  • 要するにトヨタのような細かな制御が出来ないってことだ。
    電池切れになれば本来のパフォーマンスは発揮できない。
    出来損ないで七百万円も取ろうなんて図々しいにも程がある。
  • 記事の内容だとホンダの1つ前のハイブリッド形式に近く効率悪いかと・・・・。

    トヨタのハイブリッドやPHVは、電気だけでもハイブリッドでもエンジン直結も可能ですが・・・・。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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