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2.0L PHEVの上級フルサイズ ジープ・グランドチェロキー 4xeへ試乗 本格派の走破性 後編

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2.0L PHEVの上級フルサイズ ジープ・グランドチェロキー 4xeへ試乗 本格派の走破性 後編

広々とした車内に高級感のある内装

ジープ・グランドチェロキーのインテリア・デザインにはアメリカンな雰囲気が漂い、モダンで悪くない。ランドローバー・ディフェンダーほど無骨ではなく、ディスカバリーほど洗練されていないものの、トヨタ・ランドクルーザーより高級感がある。

【画像】2.0L PHEVの上級フルサイズ ジープ・グランドチェロキー 競合サイズのSUVと比較 全139枚

ダッシュボード中央にはタッチモニターが据えられ、新しいモデルの割には、実際に押せるハードボタンも多く配置されているのがうれしい。タッチモニターは正方形に近く、上部はインフォテインメント・システム、下部はエアコン等の操作パネルになっている。

センターコンソールには、ドライブモードとテレインレスポンス機能のセレクターが並ぶ。上部にはゆったりした肘掛けが伸び、小物入れも充実。ステアリングホイールはマルチファンクションで、様々な機能を操作できる。

タッチモニターへインターフェイスが集約される傾向が多いなか、グランドチェロキーの車内は機能的で操作性もいい。長時間でも快適に過ごせそうだ。

ちなみに、ダッシュボードの助手席側にもタッチモニターを据えることが可能。ラジオ局を選んだり、オフロード走行中に車外カメラの映像を楽しめるという。運転席からは画面が見にくい工夫も施されている。

車内には、前列後列ともにゆったりした空間が確保されている。後席にもシートヒーターが用意され、身長の高い大人もくつろげるはず。荷室容量も大きく、北米仕様で1070L。フルサイズのスペアタイヤも搭載しての数字だから、驚かされる。

かなり力強いハイブリッド・パワートレイン

確認はこのくらいにして、実際に走らせてみよう。ドライビング体験は、質感の良いインテリアの印象と余りマッチしない。欧州の上級SUVのような、洗練性は得られていないといえる。それでも、グランドチェロキーの雰囲気なら目をつぶれるような気がする。

乗り心地は比較的ソフト。路面からの入力はよく遮断できている。エンジンノイズも、充分に抑えられているようだ。

動力性能は2.0L直列4気筒ターボとして期待以上。ジープが4xeと呼ぶ、プラグイン・ハイブリッドのシステム総合での最高出力は380ps、最大トルクは64.8kg-mと不足なく、かなり力強く感じた。

8速ATに内蔵された駆動用モーターが、発進直後からアシストを加えるため、出だしから鋭い。0-100km/h加速は6.0秒でこなせる。8速ATはドライバー自らギアを選んだ方が、一般道を軽快に走りたい場面では適している。

ただし、ガソリンエンジンと駆動用モーターの協調性が高いとはいえない。どちらがどれだけ働けばいいのか迷うような瞬間が稀にあり、突然エンジンが勢いよく回転することもあった。

ステアリングは、オフロードや速度域の低い市街地では滑らかで好ましい。高速道路の速さになると、操舵に対してバネで押し戻されるような感覚が生じてくる。

EVモードで過酷な悪路に立ち向かえる

姿勢制御は、欧州市場を前提に開発されたランドローバーとは一味違う。身のこなしはどこかぎこちなく、クルマを操ることで引き出される楽しさが薄い。安心感や滑らかさも、高いとはいえないだろう。

とはいえ反応は素直で、ドライビング体験に魅力がないわけではない。少なくとも、トヨタ・ランドクルーザーには太刀打ちできると思う。

ジープとして肝心のオフロード性能は、スゴイのヒトコト。EVモードに固定したまま、従来のオフローダーのように過酷な悪路に立ち向かえる。駆動用モーターは、豊かなトルクを発進直後からタイヤへ伝える。驚くほどスムーズに。

走破性は極めて高い。むしろ、多くの高級オフローダーと同様に車両価格が頭をよぎって、悪路へ立ち向かう勇気が先になえてしまうほど。

試乗では、傾斜30度の斜面へ横向きにグランドチェロキーを止める機会もあった。横転するのではないかと心配したが、現場のスタッフによれば、まったく問題ないらしい。

たくましく、行く先を選ばない能力を考えると、キャンピングトレーラーを引っ張ることなど朝飯前。真冬のハンティングも、真夏のマリンレジャーも、存分に楽しませてくれそうだ。

英国人も気に入るであろうパッケージング

アメリカンなフルサイズSUVらしく装備は充実し、オンロードでもオフロードでも不足ない動力性能を発揮する、グランドチェロキー。プラグイン・ハイブリッドだから、こまめに駆動用バッテリーを充電すれば、燃費も期待できる。

英国人も、きっと気に入るであろうパッケージングに思える。ただし、英国価格は8万5615ポンド(約1378万円)と、広くオススメできる設定ではない。

欧州でのシェア拡大を目論むジープにとって、恐らく一定の役割は果たせると思う。しかし大多数のわれわれにとっては、電動のコンパクトSUV、アベンジャーの方がピッタリなことは事実だろう。

ジープ・グランドチェロキー 4xe サミット・リザーブ(欧州仕様)のスペック

英国価格:8万5615ポンド(約1378万円)
全長:4914mm
全幅:1968mm
全高:1799mm
最高速度:212km/h
0-100km/h加速:6.0秒
燃費:38.5km/L
CO2排出量:60g/km
車両重量:2521kg
パワートレイン:直列4気筒1995ccターボチャージャー+電気モーター+ISG
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:17.3kWh
最高出力:380ps/5250rpm(システム総合)
最大トルク:64.8kg-m/3000rpm(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

2件
  • 海外のPHEVはほとんどが1000万超えですが、三菱のアウトランダーPHEVは価格的にも真っ当な値付けである。
    いくら燃費が良くてもイニシャルコストが1000万超えでは話にならない。CAFE誓約の抜け道の為に作られた車ではないか?
  • 乗り心地の記述が無いな。半値のマツダは「乗り心地が悪い」とケチョンケチョンだが、記述が無いのは「可もなく不可も無く」なのかな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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