3月21日(金)、2025年WRC世界ラリー選手権の第3戦『サファリ・ラリー・ケニア』のデイ2が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立っている。TOYOTA GAZOO Racing WRTのレギュラードライバーである勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合5番手でデイ2を終えた。
いよいよ幕が開けたサファリ・ラリー・ケニア。アフリカ東部の自然豊かなケニアにて行われる第3戦は、本格的なループステージが行われるフルデイに突入した。迎えたデイ2は、世界遺産に登録されているエレメンタイタ湖や、サービスパークのすぐ近くに広がるナイバシャ湖周辺のグラベル(未舗装路)が舞台。サファリ・ラリーは例年荒れた展開が見られてきたが、今年もその厳しさは健在だ。
【順位結果】2025年WRC第3戦サファリ・ラリー・ケニア SS10後
■勝田が2分半の後退。元王者らが連続スパート
雨季ながらも晴れたエレメンタイタ湖畔にて、現地時間7時28分より始まったスペシャルステージ(SS)3は、計31.40kmのロングステージだ。各コーナーにはフェシュフェシュと呼ばれる粉末状の砂がたまり、さらに激しい起伏によってクルマはつねに跳ねるほど荒れた区間である。
アタックは選手権首位のエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)から順に行われ、ラリーリーダーのオィット・タナック(ヒョンデi20 Nラリー1)が最初のベストタイムを記録する好スタートを決めた。
その一方、総合2番手に立っていた勝田は4輪中2輪がパンクしてしまうトラブルが発生。岩を避けながらのドライブにもかかわらず不運にもサファリの餌食となってしまい、約2分半の後退となる。
続くSS4では、気温が20度近くに上昇。ヒョンデ勢よりもペースに苦しんでいる様子のTGR-WRTは、ここでエバンスが野生動物に遭遇して若干のバックオフ、カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)もハーフスピンを喫するなど、いまひとつリズムを掴み切れない。そんなSS4もSS3に続き、タナック、ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)というワン・ツーのタイムとなった。
そして、M-Sportの新エースであるグレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1)は、右リヤのドライブシャフト破損により大きくペースダウン。幸いにも走行は続けられたものの、勝田と同様に大きく後退することとなる。
この日3本目のSS5では、各車は目立ったトラブルもなくアタックを完了。中高速のコーナーが多い構成が助けとなったかロバンペラが勢いを取り戻し、今大会初のステージウインをあげている。
そして午前最後のSS6は、SS5よりもさらに全開区間の多いステージだ。ここでもトヨタの3台は速さを増したが、今週末好調のタナックを超えることはできず、エストニア国籍の元王者が今大会4度目のステージウインをあげた。
午前ループを終えた時点で暫定トップはタナック、24.4秒差の2番手にエバンス、さらに22.7秒差の3番手にロバンペラが続く展開だ。
■速さ際立つヒョンデ勢にトラブル。耐久勝負の展開に
昼のミッドデイサービスを終えて迎えた午後のループ。気温が23度に上がった晴れのエレメンタイタ湖畔にて、全長31.40kmのSS7が13時45分より始まった。
路面温度も上昇したことでほとんどのクルーがハード6本選択となり、トヨタ勢の盛り返しにも期待が集まったが、この日のヒョンデの速さは手が付けられないレベルにあった。SS7ではエバンスとロバンペラのタイムをタナックが悠々と超え、さらにそのタイムから22.4秒も更新して見せたのが現王者ヌービルだった。
しかし、前日のSS2でメカニカルトラブルから20秒をロスしていたヌービルには、金曜朝15分間のサービス内での修復が叶わず、6分オーバーとなったことで1分間のタイムペナルティが課されている。さらにSS5でジャンプスタートにより10秒加算となっているため、ヌービルは計1分30秒のビハインドを背負いながら総合4番手につけている状況だ。
さらにこのSS7では、好調ヒョンデの残る1台を駆るアドリアン・フルモー(ヒョンデi20 Nラリー1)の右フロントタイヤにリム落ちトラブルが発生した。庇いながら完走を目指したフルモーだったが、途中でアーム類にもダメージが及んだかマシンを停めて万事休す。これで彼は、電気系のトラブルでSS2への出走が叶わなかった前日に続いて、2度目のデイリタイアとなった。
続くSS8でもタナックの勢いは衰えることなく、午前と同じ区間でステージウインを飾る。総合2番手のエバンスも2番手タイムで食い下がるが、その差は徐々に開いていく展開だ。なお、ヌービルはステージ後のTC(タイムコントロール)で5分の遅着が起き、ペナルティとしてさらに50秒の加算となってしまった。
そして、SS9ではタナックがまさかのスローダウン。どうやら、オイル漏れが発生したことによって4輪駆動がうまく機能しておらず、後輪の駆動のみで走行した模様で1分遅れのフィニッシュ。これでエバンスが総合首位に浮上し、タナックはロバンペラに続く3番手にポジションダウンしてしまう。
この日最後のSS10はジャンプスポットが見所となる区間だ。午前中のSS6に続いて、各マシンは多くの観客にビッグジャンプを披露しながらアタックを進め、大きなトラブルなく完走。トップタイムはロバンペラとなり、0.3秒差で勝田が2番手、そして3番手にはエバンスも続いてTGR-WRTがトップ3を独占するかたちとなった。
これでデイ2すべてのステージが終了となり、暫定総合首位はエバンス、7.7秒差の総合2番手にロバンペラ、さらに47.7秒差の総合3番手にタナックが続くトップ3となった。そして、1本目からタイヤトラブルに見舞われた勝田は、SS9でもバーストによって30秒ほどの遅れを取り、トップと3分26秒4差の総合5番手でデイ2を終えている。
大会折り返しとなるデイ3はSS11からSS16までの全6本が実施される。スペシャルステージの総走行距離は146.5kmとなる予定だ。
[オートスポーツweb 2025年03月21日]
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