■「ヘッドアップディスプレイ」ってどんなもの?
クルマに限らず、さまざまな乗り物に徐々に採用例が増えてきたのが「ヘッドアップディスプレイ(HUD)」です。
もともとは軍事用航空機での視線移動を減らす目的で開発された技術を、クルマなどに転用したとされており、国内の市販車では、1988年に登場した日産「シルビア」(5代目・S13型)に速度表示のみのHUDがオプション設定されたのが初と言われています。
【画像】「えっ…!」後付けできるヘッドアップディスプレイがスゴい! 画像を見る
現在は、トヨタやレクサス、マツダなどが積極にHUDを搭載していますが、一体どのようなものなのでしょうか。
HUDは光学反射の原理を利用し、運転席周辺のフロントガラスやメーターフードの上に設置された専用ディスプレイにさまざまな情報を映すシステム。車速やシフトポジション、またナビと連動している場合は矢印で進行方向を表示します。
フロントガラス内側に直接表示する「照射タイプ」や、半透明の専用ディスプレイに映像を投影する「投影タイプ」があり、市販されている後付け型は投影タイプが多いようです。
スマートフォンの画面を半透明の専用ディスプレイに投影するタイプもあり、予算と好みによって選べます。
近未来感あふれる先進的なHUDは、高級車はもちろん、軽・コンパクトカーにも搭載されるようになりました。
また、後付け型のHUDも市販されており、古いクルマや中古車でも装着は可能。社外品のほとんどが半透明の専用ディスプレイを備えた投影タイプとなっています。
そんなHUDのメリット・デメリットとは何でしょうか。
メリットは、走行中の視線移動が少なくて済むことです。運転中は瞬時にさまざまな判断をする必要がり、前を見ているだけで情報を確認できるHUDは安全面に大きく貢献するといえるでしょう。
加えて、焦点調整(目のピント調整)が少なくなるのも重要なポイント。ハンドル奥のメーターよりも、フロントガラスに投影されるHUDのほうが楽にピントを合わせられるでしょう。
デメリットとしては、HUDの表示を煩わしいと感じる人も多いということです。
とくに専用ディスプレイに映像を投影する投影タイプは、情報を読み取る際、フロントガラス手前に設置された小さな投影板に焦点を合わせることになり、「気が散る」「なくても不便を感じない」「ほかの装備に金かけて欲しい」という意見も見受けられます。
では、どのようなタイプが人気なのでしょうか。大手カー用品店スタッフDさんに聞いてみました。
「HUDの場合、後付けは最低限の機能しか搭載していないケースが多く、純正品と比べるとどうしても表示される情報に限りがあります。
速度や回転数、燃料の残量や時計などの一般的な情報表示が中心ですが、その代わり5000円前後から選べる安価なものが多く、本体がコンパクトなモデルに人気が集まっています
ただし車両情報を入手するためOBDに接続する必要があるため、取り付けはプロに任せたほうが安心です」
※ ※ ※
HUDはさらに普及されると予想されています。今後はAR技術も絡み、数年後にはフロントガラスにさまざまな情報が当たり前のように表示されるかもしれません。
より安全で快適な運転ができるようなHUDの開発が進んで欲しいものです。
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