オプカン女子が盛り上がる中、男子ユーザーだって忘れないで欲しいと立ち上がった新企画が「俺の#オプカン~仙台場所~」だ。その名の通り俺=男子限定のオプカン限定イベントが、オプカンの故郷である仙台工場で2024年10月に開催された。
◆オープンカントリーを略してオプカン!タイヤ好きユーザーの熱がすごい
トーヨーヨータイヤのオフロードタイヤブランドであるオープンカントリー。種類は「M/T」「R/T」「A/T」やホワイトレタータイヤのラインアップなどもあり、カスタム系を含めた幅広いユーザーが履きこなすタイヤになっている。
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そんなオープンカントリー=オプカンをこよなく愛するユーザーミーティングが盛んに開催されている。すでにオプカン女子のイベントは全国各地で実施され盛況だ。そんな中、男子限定のイベントも欲しいと言う要望を受けて開催されたのが「俺の#オプカン~仙台場所~」だ。オープンカントリーを装着している男性ユーザーを対象としたこのイベント、オプカンを製造するトーヨータイヤ仙台工場で10月19日に開催された。
イベント当日はオプカンユーザーなら興味津々のタイヤの製造工程を見ることができる工場見学や、先頃AXCRにてクラス優勝したドライバーであり、トーヨータイヤのブランドアンバサダーを務める川畑真人選手もスペシャルゲストとして参加。さらにオプカンの開発担当も登場するなど、1日中オプカンを堪能できるイベントとなった。
◆自慢の愛車で仙台工場へ集合、工場見学でホワイトレターの作り方を学ぶ
イベント当日、オプカンを履いた各々の愛車を駆ってトーヨータイヤ仙台工場に集まったオプカン男子の面々。まずはじめにトーヨータイヤ・グローバルマーケティング部の市野さんが登壇し、1983年のブランドデビューからのオプカンの歴史、国内マーケットへの導入、ダカールラリー/アジアクロスカントリーラリーなど、モータースポーツにおける活躍についても紹介。オプカンの優れた性能、人気の秘密が十分に伝わる内容となった。
ここからは参加者お待ちかねの工場見学となった。オプカンは仙台工場で製造されているので、まさに故郷。そのリアルな製造の様子が見られるとあって、参加者はテンションがアップ。
タイヤの製造工程を簡単に説明すると、最初にゴムやカーボンブラックなどのタイヤの原料となる材料を混ぜ合わせる混合工程から始まり、ゴムとカーカスやベルトなどの材料を組み合わせてタイヤの構造を作る部材工程、さらには一枚の板状のゴムをタイヤの形にする成形工程、さらにグリーンタイヤと呼ばれるタイヤの元になるものをモールドと呼ばれるカマの中に入れて処理することで、トレッドパターンやサイドウォールを備えたタイヤに仕上がるというもの。
参加者は図などを使ってタイヤ製造の工程の説明を受けた後、工場内に案内されることになった。工場内はゴムの素材、タイヤの構造材として使われるであろう素材などが大量に置かれていたり、見たことも無い機械がガンガン動いているのに興奮さめやらない様子。工場のスタッフに導かれて製造工程に合わせたルートを順に見学していく。
タイヤの構造を作ったりサイドウォールを作る工程などを見てタイヤの内部構造を知ったり、加硫と呼ばれるタイヤをカマに入れて処理する工程では、カマの内側にトレッド形状が刻まれていたり、サイドウォールの文字が刻まれていることを確認。ゴムの塊だったものが工程を経ていく中で見慣れたタイヤになっていく様子も興味深かった。
さらにホワイトレターの仕上げの工程では凸部分の表面を削ることで(薄い黒ゴムが全体に被っている)、白い文字が=ホワイトレターが浮かび上がってくる様も目の当たりにした。これはオプカンユーザーならずとも興味深い工程だった。板状のゴムや各種の素材が、最後にはタイヤになっていく様はとくにかく圧巻。その工程の複雑さや入念な製造工程を見ているとトーヨータイヤのタイヤの高い品質を感じたのだった。
◆AXCRチャンピオンの川畑選手の裏話も?! オプカン開発の秘話も披露
工場見学が終わると川畑選手の特別講演が始まった。川畑選手のこれまでの経歴やラリーとの出会いなども語られる。さらにドリフトとラリーの違いも独特の感性で表現していた。
「ドリフトは一瞬のドライビングが重視されます、まるで高飛び込みのような競技だと感じています。対してラリーは数日単位で数千キロを走る競技です、そのためフルマラソン的な感覚です。同じくモータースポーツでも取り組み方がまったく違います。ところでドリフトドライバーである自分がラリーを走る上でメリットがあるとすればタイヤが滑っても怖くないことでしょうね。AXCRでも“滑らせて一気に曲げる”ドライビングを実践してきました。これは他のラリードライバーとはまったく異なる部分だと思います(川畑選手)」
さらにオープンカントリーとの付き合いも長くなっている川畑選手なので、オプカンの良いところも語られた。
「ラリーを走っていて強く思うのはその強さです。バーストしない・空気が漏れない、これってラリーではすごく重要なことなんです。当たり前のことなんですがレースで勝つためのベースとして欠かせない性能だと思います。一方でオプカンはデザインもかっこいいでしょ、泥が付いて汚れてもかっこいいのってオプカンならではだと思うんですよ。私はプライベートでもジムニーにM/T-Rを履いていますが、オフでタイヤを汚して走るのも大好きです(川畑選手)」
川畑選手の巧みなトークで盛り上がった後は、オプカンのタイヤ開発を担当したトーヨータイヤの谷口さんが登壇。ここではオープンカントリーR/Tのパターンデザインについて語られた。
M/Tではノイズが大きい、A/Tだとオフ性能がもの足りないというユーザーの声を受けて開発したR/T。トレッドパターンを見るとA/TとM/Tを絶妙にミックスして、R/Tができあがっていることがわかる。3種類のオプカンを比べてみるとR/TのパターンがA/T、M/Tから受け継がれている部分があることが発見できる。
デザインと性能を両立させるR/Tの設計コンセプトも語られ、多くのユーザーがR/Tに魅了される意味も理解できたのだった。
最後には参加者はそれぞれのクルマに戻って参加者同士の交流を深め、三々五々会場を後にしていく。初開催となった男性限定のオプカンイベントである俺の#オプカン。次回参加はまだ決まっていないとのことだが、参加者の顔を見ていると満足度の高いイベントとなったことは確かだった。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
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