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テスラのミッドクラスSUV「モデルY」が日本上陸 気になる詳細解説

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テスラのミッドクラスSUV「モデルY」が日本上陸 気になる詳細解説

テスラ・ジャパンは2022年6月10日、最新のミッドクラスのクロスオーバーSUV「モデルY」の日本での受注を開始した。なお従来通り注文はWEBサイトでのみ受け付ける。デリバリーはRWDモデルは今夏に、AWDパフォーマンスは今年後半が予定とされている。

モデルYは、セダンタイプのモデル3をベースにしたクロスオーバーSUVだ。アメリカでは2020年3月からデリバリーが開始されているが、中国では2020年1月からデリバリーを開始している。なお、日本向けは、上海工場が2022年4月にコロナ禍でロックダウンされた影響もあって、予定より遅れての受注開始となっている。

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モデルYの商品企画は2015年頃にスタートしており、この時点でイーロン・マスクCEOは従来の大型クロスオーバーのモデルXと同様にイーグル・ウイング・ドアを採用すると語っていた。その後、2018年6月にマスクCEOは新開発のモデルYの概要を発表した。当初は2018年に正式発表する予定と見られていたが1年延期され、2019年3月に発表された。この時点で、イーグルウイング・ドアは一般的なスイング・ドアに変更されていた。

なお生産は、カリフォルニアのフリーモント工場で行なわれることになっていたが、いつも通り生産体制は遅延し、発表から1年後にようやくデリバリーが開始された。

上海、ベルリンでも生産

フリーモント工場では生産能力が限られ、生産台数の拡大が難しかったが、2019年末に中国・上海のギガファクトリーが稼動を開始し、2020年には主力となるモデル3とモデルYの生産が軌道に乗り始めた。2021年には上海ギガファクトリーでは約25万台のモデルYが生産され、中国でモデル3とともに大幅に販売を拡大して行った。その結果、2022年にはテスラのクルマの販売では中国市場が52%に達し、本国のアメリカよりはるかに上回るようになっている。

さらに、テスラはついにヨーロッパでの生産拠点、ベルリン・メガファクトリーが2月から稼動を開始し、ここでもモデル3、モデルYの生産を開始した。モデル3はもともとアウディA4、BMW3シリーズ、メルセデス・ベンツ Cクラスをライバルとしたモデルで、モデルYはアウディ Q4、BMW X3、メルセデス・ベンツ GLCなどが競合モデルとされているが、ライバル達の本拠地で本格的な販売を開始したのだ。

このように、モデル3とモデルYは今ではグローバル戦略BEVとなり、販売台数の点でもBEVのトップに立つモデルとなっている。

日本におけるモデルYは、後輪駆動モデルの「モデルY RWD」、前後に駆動モーターを搭載したAWDモデルの「モデルY パフォーマンス」の2グレードを設定している。

テスラ独自の技術

モデルYは、モデル3と同様のBEV専用プラットフォームを採用し、リヤのボディ・セクションとリヤ・サブフレームを一体でアルミ鋳造したテスラ独自の構造を採用。ボディ骨格は超高張力鋼板を使用し、アウターパネルはボンネット、前後のフェンダー、前後左右のドア、トランクリッドにアルミ材を使用している。

サスペンションは、フロントが仮想キングピン軸を持つダブルウイッシュボーン、リヤがマルチリンク式を採用。電動パワーステアリングは可変ギヤ比タイプ、ブレーキは電気機械式を採用している。

ヒートポンプ式エアコンを採用すると同時に、室温からバッテリーパックの温度までを液体で統合コントロールするための温度制御バルブ「オクト・バルブ」を採用するなど、他の自動車メーカーのBEVとは一線を画する革新的な技術を採用している。

さらにモーターを制御するパワーコントロール・ユニットには、先進的なSiC(シリコンカーバイト)パワー半導体を他社に先駆けて採用している。

オートパイロット

運転支援システム「オートパイロット」は拡張タイプのレベル2で、車線中央維持、アダプティブクルーズコントロール、セルフパーキング、車線の自動変更機能、ガレージやパーキングスポットへの自動出入庫などが可能だ。駐車した場所からドライバーの立つ地点への自動呼び出しも可能になっている。なお高速走行時の「オートパイロット」の最高設定速度は150km/hとなっている。

アメリカ仕様では、オプションでナビゲーションはGPSの位置情報とGoogle Mapと連携し、行き先を設定すれば、ルートガイドが決定され、都心部や複雑な交差点、高速道路もオートパイロットを作動させながら通行できるソフトも設定されている。

「オートパイロット」のを制御する中央統合ECUは、最新仕様の第3世代で、サムスン電子が製造する自社製のカスタムチップを採用。このECUのままでレベル5の自動運転にも対応できる能力を持つとされている。もちろんソフトウエアは無線通信による自動アップデートが行なわれる。

車載センサーは、GPSによる位置情報(高精度3次元地図は搭載されていない)、前方視認用の広角・標準・望遠レンズを備える3連カメラ、前側方カメラ×2、後側方カメラ×2、リヤ・カメラと合計8個のカメラによる360度の画像センシング、8mの検知距離を持つ12個の超音波センサー、前方170mを検知できる長距離レーダーを採用している。

スペック

モデルYは、全長4750mm、全幅1920mm、全高1623mm、ホイールベース2891mmの5ドア・ハッチバックで、モデル3よりわずかに大きいサイズとなっている。ラゲッジ容量は、フロントフードとリヤハッチ部分を合わせて2158L。なお、アメリカ仕様では3列シート/7人乗りもオプション設定されている。なお車両重量はRWDモデルが1930 kg、AWDモデルが2000kg。

バッテリーは容量77kWhで、航続距離はベースグレードのRWDで507km(WLTCモード)、AWD パフォーマンスで595km(WLTCモード)。充電はテスラ・スーパーチヤジャー(高出力急速充電)を使用すれば15分間の充電で261km分の走行距離が得られる。またCHAdeMO急速充電用変換ソケットも装備している。200V普通充電では1晩で満充電が可能だ。

出力はRWDモデルで220kW(299ps)/350Nm、AWDモデルはフロントが158kW(215ps)、リヤが235kW(320ps)、最大トルクはフロントが240Nm、リヤが450Nmと強烈だ。0-100km/h加速はRWDモデルが6.9秒、AWDモデルは3.7秒とスーパースポーツカー並み。最高速度はRWDモデルが217km/h、AWDモデルが250km/hとなっている。

インテリア

インテリアは、動物性素材不使用でシンプルで明るいテイストでまとめられている。大型のガラスルーフ、前後席のシートヒーター、ステアリングヒーター、HEPAエアフィルトレーションシステム(超高性能エアフィルター)を標準装備し、4個のUSBポートと2台分のスマートフォンドック(非接触充電機能付き)も装備されている。

モデル3と同様でインスツルメントパネル中央に15インチの大型ディスプレイを配置し、通常のメーター類、操作スイッチもすべてこのディスプレイで表示、操作するシステムで、インスツルメントパネルにはスピードメーターも配置されていない。

もちろんナビゲーションもここに表示されるなど、この大型ディスプレイは、テスラならではの発想でタブレットのようなシステムになっている。

なお、モデルYのCEV政府補助金は65万円、地方自治体のZEV補助金(東京都のZEV補助金は45万円。なお再エネ電力を契約した場合は60万円)が給付される。

したがって、モデルYは性能、機能、そして価格的にかなり競争力がある設定となっているということができる。

モデルYは、テスラ新宿、テスラセンター板橋、テスラ ラゾーナ川崎プラザ、テスラ心斎橋、テスラ名古屋、テスラ福岡の6拠点で展示されており、試乗も可能になっている。

価格

モデルY RWD:619万円(税込み)
モデルY パフォーマンス:809万円(税込み)

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