フルモデルチェンジを受けた新型フォルクスワーゲン「ゴルフ」の今尾直樹による試乗記。後編は、1.0リッター・エンジン搭載のエントリー・モデルについて。
1.0リッターでも必要十分
進化はやっぱりスゴかった──新型フォルクスワーゲン・ゴルフ試乗記(前編)
続いて1.0リッター直列3気筒ガソリン・ターボのアクティブに乗り換えた。乗り換えた直後は、ステアリング・フィールにやや雑味があり、加速が俄然遅くて、1気筒少ない分、ビート感があって、安っぽい、と感じた。なにより、エンジンとモーターのコンビネーションが人工的というか、エンジンをモーターが助けている感しがして、う~む……、洗練度では1.5eTSIだな、と思った。
【前編】1.5eTSI試乗記
ところが、やがて1.0eTSIに体が慣れると、むしろ非力な3気筒エンジンをモーターが支える構図が1.5よりも、よりはっきりわかることが、非力な分を知恵でもって補っているように感じられてきた。
1.0eTSIユニットは、最高出力110ps/5500rpm、最大トルク200Nm/2000~3000rpmと、500cc小さい分、非力なのである。だから、遅く感じるのは当たり前なのだ。
ところがこの999ccの3気筒、74.5mmのボアは同じだけれど、ストロークは76.4mmと短くなっていて、ボア×ストローク比はスクウェアに近くなっている。しかも3気筒だといわれると3気筒っぽい、ビーンというメカニカル・ノイズを発して活発にまわる。
ワインディングの続く長尾峠では、急なのぼり坂でもがなり音は立てず、スイスイのぼっていく。しかも、実用車として十分な速さをもっている。車検証によれば、車重1310kgと、1.5eTSIのスタイルより50kg軽い。排気量は999ccながら、2.0リッターの自然吸気エンジン並みのトルクを発生し、しかもマイルド・ハイブリッドのモーターが電動ブースターとして助太刀する。
なるほどなぁ。前輪荷重は4気筒より30kg軽い。だからなのか、意外なほど素直によく曲がる。意外というのは、こちらの心構え、偏見の問題でもあるから使い方がむずかしいけれど、長尾峠の2~3速でまわる峠道を、苦労なく何気に、淡々とのぼっていく。小排気量ターボなのにターボラグをほとんど感じさせないのも、電動ブーストが巧妙に機能しているからだろう。
タイヤは205/55R 16と、1サイズ小さくて、トレッドが狭くて、扁平率が高い。横から見て、タイヤがぶ厚くて空気がたっぷり入っている。その分、精緻さにはやや欠けるようにも感じられるけれど、マイルドで、それでいて基本的には巌のような、ボディのソリッド感、塊感が、凸凹路面を乗り越えたときなんぞにはヒシとある。
いってみれば、じつにフォルクスワーゲン・ゴルフらしい乗り心地で、あ、それにはリアのサスペンションが4気筒モデルはマルチ・リンクなのに対して、3気筒モデルは伝統的なトレーリング・アームであることも関係しているのかもしれない。
1.0リッターと1.5リッターならどちらを選
1.0eTSIアクティブは車両価格312万5000円。これにナビゲーションを含む純正インフォテインメント・システム、19万8000円と、駐車支援システム等を含むテクノロジーパッケージ、20万9000円を足して、353万2000円。
先に乗った1.5eTSIスタイルは車両価格370万5000円。これにインフォテインメントと、テクノロジーパッケージ、16万5000円がついていて、ライムイエローメタリックという3万3000円のオプションの、フレッシュなボディ色をまとっていて、試乗車は合計410万1000円。その差39万6000円。
筆者ならどちらを選ぶか? と、問われなば、1.0eTSIこそ、実用車の鑑、ゴルフの正統的後継者であると申し上げたい。1.5eTSIは、ベーシック・カーと呼ぶにはプレミアムで贅沢すぎる。
310万円から始まるアウディ「A3」も視野に入ってくるし、ゴルフGTIやゴルフRなんかも気になってくる。というようなことを考えていると、買うタイミングを逃してしまう。
なので、筆者は太鼓判というものがあったなら、1.0eTSI搭載のアクティブにドン!と押す。
文・今尾直樹 写真・安井宏充(Weekend.)
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