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「いつかはクラウン」は健在! ハリアーと比べると見えてくる新型クロスオーバーの意外なお値打ち感

掲載 更新 121
「いつかはクラウン」は健在! ハリアーと比べると見えてくる新型クロスオーバーの意外なお値打ち感

セダンだけでなく、各ボディタイプの頂点モデルになった
2022年7月15日、トヨタが新型「クラウン」を世界初公開しました。サプライズだったのは、一気に4つのバリエーションを発表したことで、トヨタの豊田章男社長は「クラウンはトヨタのフラッグシップになった」と表現しています。

つまり、これまでのフラッグシップセダンではなく、ハッチバックやセダン、SUVという各ボディタイプにおけるヒエラルキーの頂点に立ったわけです。

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4つのバリエーションの中から最初に発売されるのが「クロスオーバー」です。ここではクロスオーバーの立ち位置を価格帯に注目しながら深掘りしてみましょう。

車高を上げたリフトアップセダン
クラウンクロスオーバーを一言で表現すると、「リフトアップセダン」でしょう。上級グレードは21インチの大径タイヤを履いたSUVスタイルですが、車高自体は1550mm以下で、ボディ形状も独立したトランクをもつ4ドアクーペ風です。

ドイツ車などでは派生車種として似たようなコンセプトを見かけることもありますが、クラウンという王道モデルとしては、かなり大胆に変身したといえます。

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2種類のハイブリッドシステムを用意
パワートレインはハイブリッドで電動4WDだけの設定となっています。新型クラウンではエンジン横置きのプラットフォームを新開発しているので、トヨタのハイブリッド4WDでは定番といえる、フロントをハイブリッド駆動、リヤをモーター駆動するシステムを採用しています。

そのハイブリッドシステムは2種類。2.5L自然吸気エンジンとトヨタ伝統の2モーターシステム+リヤモーターと、2.4Lターボに6速ATと1モーターを組み合わせ、リヤは電気自動車にも使われるeアクスル(インバーターとモーターを一体化したもの)で駆動するタイプが用意されます。

<価格帯>
2.5Lハイブリッド・・・・・・435万円~570万円
2.4Lターボハイブリッド・・・605万円~640万円

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ハリアーの上位モデルだがグレードによっては重なる価格帯
はたして、クラウンクロスオーバーはどんなカテゴリーのフラッグシップなのでしょうか。“車高を上げたセダン”というカテゴリーに既存のトヨタ車は見当たらないので独自の存在ではありますが、あえていえばスタイリッシュなSUVというジャンルでハリアーが挙げられるかもしれません。

これまでハリアーからステップアップする先はレクサスでしたが、今後、トヨタの販売店はクラウンクロスオーバーにステップアップするという提案ができるわけです。

さらにいえば、クラウンクロスオーバーとハリアーはいずれも2.5Lハイブリッド4WDを用意しているという点で共通しています。ハリアーのハイブリッド4WD車の価格帯は380万円~504万円ですから、クラウンクロスオーバーと被っている部分もあります。

>>トヨタ ハリアーハイブリッドのカタロググレードをチェックする

燃費はわずかにクラウンが上回る
ハリアーとクラウンクロスオーバーを比べてみると、どのような違いがあるのでしょうか。主要スペックを並べてみましょう。

●主要スペック比較
クラウンクロスオーバー    |ハリアー
全長=4930mm        |4740mm
全幅=1840mm        |1855mm
全高=1540mm        |1660mm
ホイールベース=2850mm   |2690mm
システム最高出力=172kW   |163kW
WLTCモード燃費=22.4km/L  |21.6km/L
※クラウンクロスオーバーは2.5Lハイブリッドの数値

全長とホイールベースはクラウンクロスオーバーが、全幅と全高はハリアーが大きくなっています。

意外なのはクラウンクロスオーバーのほうが燃費性能に優れている点で、このあたりは同じ2.5Lハイブリッドといっても、クラウンがバイポーラ型ニッケル水素電池など最先端のテクノロジーを採用しているアドバンテージが数字に現れているといえるでしょう。全幅・全高が小さい=空気抵抗が少ないことも燃費に有利な要素といえます。

>>トヨタ クラウン クロスオーバーのカタロググレードをチェックする
>>トヨタ ハリアーハイブリッドのカタロググレードをチェックする

パワーはクラウンクロスオーバーが上回る
では、クラウンクロスオーバーは燃費を良くするためにパフォーマンスを犠牲にしているのかといえば違います。システム最高出力を比べると、わずかですがクラウンクロスオーバーがハリアーを上回っています。

さらにいうと、クラウンクロスオーバーにはDRSと呼ばれる後輪操舵機能が備わります。そのためホイールベースは長いのですが、最小回転半径は5.4mとコンパクトになっています。ちなみに、ハリアーの最小回転半径は5.5~5.7m。先代までのクラウンはFRプラットフォームを採用していたためステアリングの切れ角が大きく、取り回しが良いという美点がありましたが、そうした期待を四輪操舵で実現したといったところでしょうか。

ハリアーと比較するとコスパの良さが見えてくる
こうしてスペックと価格帯を見比べてみると、クラウンクロスオーバーは非常にコスパに優れたモデルということがわかります。価格はハリアーの15%増しというイメージで、それでいて燃費や最高出力などの相反するスペックで上回っています。

フラッグシップだからお高くとまっているというのはクラウンのキャラクターではありません。かつて「いつかはクラウン」というキャッチコピーがユーザーに刺さった理由には、クラウンは庶民でも頑張れば購入できるという絶妙の価格設定もあったはずです。

その意味で、新型クラウンクロスオーバーは、2020年代の「いつかはクラウン」に仕上がっているといえそうです。

>>トヨタ クラウン クロスオーバーのカタロググレードをチェックする

文:山本晋也
写真:
1~4枚目:クロスオーバー RS"アドバンスト"
5~6枚目:クロスオーバー G"アドバンスト"
7~8枚目:クロスオーバー RS
8枚目:クロスオーバー RS
9~12枚目:クロスオーバー G"アドバンスト"レザーパッケージ

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みんなのコメント

121件
  • 個人的には、クラウン乗り継いでたけど
    AWD化に賛成です。 FRって走りや興味ない人からしたら雪に弱いし余り良いことがない。 FFのクラウンを待っていたがAWDで更に良かった。 高齢者もFRにこだわる人なんていない
  • これだけ現場のディーラーでも大賑わいして注目度が高いみたいだし
    アンチも必死でネガしないと、そりゃバランス取れませんよね。
    頑張ってください。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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