昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。今回は、昭和55年発売の日産 ブルーバード SSSターボだ。
ターボパワーで生まれ変わった910ブルーバード
日産 ブルーバード SSSターボ:昭和55年(1980年)3月発売
昭和54年(1979年)の11月に、6世代目の910型へとフルモデルチェンジが行われたブルーバードに、新たにターボバージョンが設定されたのは翌1980年3月のことであった。
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910型ブルーバードは、当時レコードを出せば必ずチャートのNo.1に輝くジュリーこと沢田研二をCMなどのイメージキャラクターに採用した。ジュリーはTV、雑誌、カタログとありとあらゆるメディアに登場し、ブルーバードの大ヒットに一役買った。
ブルーバードのターボモデルは、リアにセミトレーリングアーム+コイルスプリングの独立懸架サスペンションを与えられたスポーティシリーズのSSS系に追加設定され、SSSターボと呼ばれた。これは最高出力の向上と同時に、排出ガスの清浄化や燃費の向上、さらには騒音の低減までをも同時に図る策だった。
すでにセドリック/グロリアの両車にターボモデルを設定していた日産ではあったが、このブルーバードSSSターボはそれに続く第2弾。デビュー直後からモータースポーツシーンへの導入が大きく期待されたのも当然の結果だ。
SSSターボに搭載されたエンジンは、Z18ET型と呼ばれた1770ccの直列4気筒SOHC。電子制御式燃料噴射との組み合わせにより、最高出力は135ps/6000rpm、最大トルクは20.0kgm/3600rpmという高性能を達成していた。組み合わされたミッションは5速MTのみ。ブレーキは4輪ディスクで、ハードな走りにも十分対応できるようサスペンションのセッティングも、ターボ用にアレンジし直されている。
ボディは4ドアセダンと2ドアハードトップからの選択が可能だった(1982年に4ドアハードトップが追加される)が、やはり若いユーザーからはハードトップの評価が絶大だった。
往年の名車、510型ブルーバードを彷彿とさせる端正なボディフォルムと高性能な走り。それを両立したSSSターボの成功が、その後の高性能サルーンモデルを生む原動力となったことは疑う余地はないだろう。
ブルーバード 4ドアセダン SSSターボ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4510×1655×1385mm
●ホイールベース:2525mm
●重量:1100kg
●エンジン型式・種類:Z18ET型・直4 SOHCターボ
●排気量:1770cc
●最高出力:135ps/6000rpm
●最大トルク:20.0kgm/3600rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/70SR14
●価格:150万1000円
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