低価格なのに妙な満足感。アコード由来の走りの良さ、そして何より179万5000円~と超絶安かった初代オデッセイ。でも今年復活するのはアルファード/ヴェルファイアを意識しすぎた印象の5代目モデルで、初代とはかなり様子が異なるのだ。せっかくオデッセイ復活するなら初代を手本にしようよ!!!!!!
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
アルファード意識しすぎじゃね!? オデッセイの良さは初代にアリ! 豪華になりすぎたオデッセイがなるべき姿って????
■初代から約2倍に!? 高級になりすぎよ!!
背が高くなったうえ、かなりのお値段に。ヒットしたものの往年のオデッセイを知っているファンからすると……
ホンダを代表するミニバンのひとつであるオデッセイ。現在はラインナップから消滅してしまっているが、2023年冬に中国からの輸入モデルという形で5代目モデルが復活することがアナウンスされている。
そんなオデッセイではあるが、近年は高級シフトが目立ち、終売直前のモデルでは最上級グレードが400万円に迫るプライスとなっていた。
それに伴ってガチンコのライバルとなる車種もアルファードに代表される高級ミニバンとなるワケで、ここのところは販売面で苦戦が続いていたというのが正直なところだ。
そもそも往年のオデッセイを知っている世代からしてみれば、現在の大きく立派になったオデッセイに違和感を覚えることも少なくなく、「いやいやそうじゃないだろう」という気持ちをお持ちの人も多いのではないだろうか。
■RVブームもホンダは該当車なし!! 苦肉の策生まれるも爆裂ヒットに
4代目までは背の低いスタイルであったが、とくにミニバンらしくない見た目だったのが3代目オデッセイ。年式の割に高値で取引中なのも納得のカッコよさ
初代のオデッセイが登場したのは1994年10月のこと。当時は、今でいうSUVやミニバンを一緒くたにして“RV車(レクリエーショナル・ビークル)”が全盛のRVブーム真っ只中であった。
それらの車種をラインナップに持たないホンダは、いすゞなどからOEM供給を受けて凌ぐしかできず、販売面で苦戦を強いられていた。
そこに登場した初代オデッセイは、3列シートを備えた6~7人乗りのミニバンでありながら、全高を1,645ミリと低めに抑え、4輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用。
乗用車的な運転姿勢とハンドリングを持ち合わせていたことで、RV車に乗ったことのないユーザーも違和感なく乗れることが話題となり、月販目標の4,000台を大幅に上回る注文を獲得したのである。
ただこの低い全高は狙って生まれたものというよりは、当時のホンダの生産設備を改良することなく生産できる最大サイズが必然的にこのサイズだった、というある意味偶然の産物であった。
もし当時のホンダの生産設備がもっと大きな車両を生産できるようになっていたら、オデッセイは生まれていなかったかもしれないのだ。
■コスパ最強だったのよ!! 初代はまさかの180万切り
鉄チンホイールにまさかのエアコンなしと超割り切ったグレードながら、180万円以下というのはお手頃すぎる!!
1994年デビューということで、すでに30年近く前の話ということで直接的な比較をするのは難しいが、それでも初代オデッセイは非常に買いやすい価格であったことは間違いないだろう。
2.2L(後期型は2.3L)のエンジンを搭載した3ナンバーサイズのボディを持つ3列シート車でありながら、デビュー当時のエントリーグレードの「B」は179.5万円!!
同時期のアコード(5代目)のエントリーグレードの1.8EXとほぼ同額だったのだ。
ただこのグレードはエアコンがオプションだったというオチがあるのだが、エアコンが標準となった「S」でも205.5万円と非常に買いやすい価格であったことは間違いのないところ。
かといって安っぽいクルマだったかと言われると決してそんなことはない。
前述したように4輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションの足回りや、開口部の大きなミニバンボディをカバーするためにフロア下にビルトインフレームを追加。
さらにBグレード以外にはリアエアコンも標準装備とし、フラットフロアによるウォークスルー機能や、フラットな荷室スペースを実現する3列目シート床下格納機構など、ミニバンとして高い資質をすでに有していたのである。
その結果、1994年には日本カー・オブ・ザ・イヤーの特別賞を、1995年にはRJCカー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、1995年度は12万台を超える大ヒット車種となったのだ。
■アルヴェル意識しすぎた!? 5代目でらしさ消滅のまさか
高級ミニバンといえば豪華な2列目シートだが、もちろんオデッセイも採用。座り心地ときたら担当的にはナンバー1だったが、同時にらしさがかなり少なくなった印象
初代モデルが大ヒットしたオデッセイは、モデルチェンジを重ねても低い全高や4輪ダブルウィッシュボーン式サスペンション、ヒンジ式ドアといった不文律をキープ。
3代目モデルからは一部グレードで立体駐車場にも対応する全高1,550ミリ以下にするなど、オデッセイ“らしさ”を死守し続けていた。
そんなオデッセイの風向きが変わったのが、2013年に登場した5代目モデル、つまり現行型だ。
それまで存在していたフラッグシップミニバンのエリシオンを統合する形で登場した5代目モデルは、高い全高を持ち、スライドドアを採用。
そして足回りもフロントがストラット、リアが車軸式(2WD車)と、今までの不文律をことごとく打ち破るものとなっていたのである。
これはそれまでのオデッセイのような背が低くスライドドアを持たない3列シート車の人気に陰りが出てきてしまったことも影響していることは間違いなく、苦渋の選択であったことは想像に難くない。
だが、それまでオデッセイが築き上げてきたイメージが薄まってしまったのは残念だ。
ただ今冬復活する5代目オデッセイはすでに10年選手となる古株であるため、近い将来フルモデルチェンジを控えているのは間違いないところ。果たして新型はどのような方向に舵を切るのかも今から楽しみである。
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みんなのコメント
シビックしかりCR-Vしかり。
情け無い。