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EV専用のプラットフォームを採用した日産「アリア」の大空間を「エクストレイル」「bZ4X」と徹底比較

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EV専用のプラットフォームを採用した日産「アリア」の大空間を「エクストレイル」「bZ4X」と徹底比較

日産の新しいMクラスBEV(電気自動車)が、キムタクのTVCMでも注目されているアリアだ。、2022年1月27日にまず先行の特別仕様車、B6リミテッドが発売開始され、この5月12日についにカタログモデルの66kWhのバッテリーを積むB6 2WDが正式に発売開始されることになった(トヨタbZ4Xの発売も同日!!)。ここでは、日産アリアが誇る、EV専用プラットフォームが実現した室内の大空間、パッケージを、同クラスの日産SUV、エクストレイル、そしてまさに国産同クラスのBEVライバルとなるトヨタBz4Xと比較してみたい。

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アリアの先進感とスタイリッシュさ溢れるエクステリアデザインは、すでにTVCMなどでも披露されてきたが、そのデザイン性はいち早く世界に認められ、ドイツのレッド・ドット・デザイン賞、iFデザインアワードを受賞。工業デザインで定評があり、世界に名だたる自動車メーカーを擁するドイツでの受賞は本物であり、誇らしい。

さて、まずはエクステリアから説明すると、アリアのボディサイズは全長4595×全幅1850×全高1655(プロパイロット2.0装着車1665)mm。ホイールベース2775mm。日産のMクラスSUVのエクストレイルは同4690×1820×1740mm。ホイールベース2705mmとなる。つまり、エクストレイルに対して全長が95mm短く、全幅は30mm広く、全高は65mm低い。が、注目すべきはホイールベースで、全長が95mm短いにもかかわらず、70mmも長いところだ。そして前後オーバーハングも極端に短い。それが魅力的なプロポーションの根源であることは間違いないところである。



細かいことでは、前後ドアの形状にも注目したい。アリアとbZ4Xは、本格SUVのように、前後ドアがサイドシル部分を覆う形状だ。つまり、雨や雪の日、あるいは泥道を走ってもサイドシルの汚れが最小限で済み、乗降時にパンツやスカートが汚れにくくなる構造だが、エクストレイルはそうはなっていない・・・。

そもそもアリアの大きな特徴は、スカイラインのものからさらに進化したプロパイロット2.0、加速Gよりスムーズさを優先させたインテリジェントパワー、日産コネクトやアマゾンのAlexaなどによるインテグレーションとともにあるラウンジのような室内の大空間だ。EV専用プラットフォームはまさにその大空間を実現する肝となっている。

具体的に言えば、室内長はエクストレイルの2005mmに対して、70mm増しの2075mmだ。では、繰り返すが、全長が95mmも短いのに室内長で70mm増やすことができたのか? それはEV専用プラットフォーム、エンジン非搭載によって、フロント部分に空間ができ、そこに例えばけっこうな大きさになるエアコンユニットなどを前方配置することができたからである(ゆえにボンネット内に物入スペースはない)。結果、前席足元まで完全フラットで広々していて、運転席・助手席サイドスルーが可能なのも、そのおかげというわけだ。

実際にアリア、エクストレイル、トヨタのBz4Xの3台の前後席に乗り込んでみよう。運転席に着座してまず目を引くのが、12.3インチのフルデジタル液晶メーターに連続するタブレットのように操作できる12.3インチのセンターディスプレーだ。センターディスプレーを右へスワイプすれば、その画面の内容がメーターに反映されるといった先進感ある使い勝手もなかなかと思える。トヨタのbZ4Xはメーターとセンターディスプレーは完全に別体である。

室内空間そのものはどうか(頭上、膝周り空間の寸法は身長172cmの筆者のドライビングポジションを基準とした特殊ツールによる実測値)。アリアは前席頭上に170mm(サンルーフ付き)、完全フラットフロアの後席頭上に120mm(サンルーフ付き)、そしてシートヒーター完備の後席膝周り空間に驚愕の足がゆったりと組める300mmもの余裕があった。後席は1段階リクライニングすることができるほか、前席下にはつま先が入る空間もあり、前方見通し性にも優れ、着座感は極めて広々・爽快かつ快適だ。



しかも、センターコンソールはパワーで前後150mmのスライドが可能。後席寄りにする、前席優先にするといった位置の可変ができて、実際、便利だった(最後端にすると前席では使いにくくなるが)。ちょっと残念なのは、後席エアコン吹き出し口はあっても、独立温度調整ができないことぐらいだろうか。この車格、先進車であれば、3ゾーンフルオートエアコンが欲しいところだ・・・。



エクストレイルはと言えば、前席頭上に220mm(サンルーフ付き)、フロア中央にやや凸のある後席頭上に170mm(サンルーフ付き)、そして後席膝周り空間は230mmとなる。頭上方向は全高が65mmも高いのだから、余裕があって当然だが、むしろ後席の居住感に影響する膝周り空間はアリアの圧勝と言っていい(エクストレイルの写真はデビュー当時のもの)。

日産エクストレイル

日産エクストレイル

日産エクストレイル

トヨタbZ4X(4WD)は前席頭上に180mm、後席頭上に120mm、そして後席膝周りが280mmと、なんとその部分ではアリアとほぼ同じ寸法であることが判明。ただし、後席フロアはbZ4Xも完全フラットだが、前席左右のスルーは、センターコンソールがジャマして不可能だ。

トヨタbZ4X

トヨタbZ4X

MクラスのSUV、クロスオーバーSUVであれば、後席を使う頻度も高く、3~5人乗車でドライブ、アウトドアライフを楽しむケースも多いはず。その際に気になるのが上記の後席居住空間に加え、後席のシートサイズ、着座感である。アリアの後席は座面長470×シート幅1310×シートバック高660mm。エクストレイルは同480×1290×630mm。しかし、実際の着座感の優劣、着座性、立ち上がり性の良し悪しを決定づけるのはヒール段差と呼ばれる、フロアからシート座面先端までの高さだ。これが高いと着座時の腰の移動量が少なくて済み、座りやすく、椅子のように自然な着座姿勢が可能になる(膝が持ち上がらない)。また、降車時の立ち上がりも良くなる理屈だ。その点では、後席のヒール段差はアリアがけっこう高めの330mm、全高、室内高で勝るエクストレイルがさすが370mm。bZ4Xは290mmだ。つまり、BEV同士の比較では、bZ4Xよりアリアのほうが座りやすく、立ち上がりやすいことになるはずだ(とくに足腰の弱った高齢者)。

最後にラゲッジルームを比較すると、アリアは開口部地上高740mm(段差なし)、フロア奥行き970mm、フロア幅1100~1390mm、最低天井高670mm(フロアボードを外すことで拡大可能)。床下前面に浅い収納あり・・・。ということになる。対するエクストレイルは開口部地上高730mm(段差なし)、フロア奥行き900mm、フロア幅1100~mm、最低天井高785mm~。床下収納あり。bZ4Xは開口部地上高720mm(フロアボードを上段にセット/段差なし)、フロア奥行き975mm、フロア幅970~1440mm、最低天井高755mm(フロアボード上段)~825mm(フロアボード下段)、床下収納ほんの少し・・・となる。アリアはフロア奥行き、幅で優勢。エクストレイルは高さ方向に余裕あり。bZ4Xは高さ方向に余裕があることになる。開口部地上高は3車ともにほぼ同等だから、重い荷物の出し入れ性について差はないと言っていい。エクストレイルの室内&ラゲッジルームは撥水、防汚性の素材を使っているところに特徴がある。



気になる価格はアリアB6 2WD(66kWh)の車両本体価格が539万円。高速道路の同一車線においてハンズフリー走行も可能となるプロパイロット2.0とリモートパーキングのセットオプション(サンルーフを除く)が46万5300円。計585万5300円。しかし、国からの補助金がBEVに対して85万円。プロパイロット2.0を付けるとさらに7万円の補助金が出ることになっていて、国からの補助金計92万円。これだけでも500万円を切る493万5300円になる。加えて、各都道府県の補助金、国からの補助金の約半分=約40万円が2022年3月31日までは出ていたのだが、2022年4月1日以降は現時点で未定。もしこの先、同等の補助金が出るとすれば、実質453万円程度でアリアB6 2WDが買えることになる。このデザイン性、車格感、EV性能を考えると、補助金万歳、けっこうリーズナブルに思え、BEV購入のハードルを低く感じさせてくれそうだ。ちなみに、同種のbZ4Xはリースとサブスクのみの販売方法をとる。一方、アリアはほかの日産車同様の一般販売だ。このあたり、量産電気自動車に長年携わり、いち早くリーフを世に送り出してきた日産ならではの強みと言えそうだ。

というわけで、日産の新しいBEV(電気自動車)のアリアを中心に、BEVならではのパッケージ、広大かつ和モダンな上質感ある室内空間、ラゲッジルームを比較してきた。アリアのBEVとしての動力性能、走行性能、乗り心地、快適性、一充電航続可能距離、そして和モダンテイスト溢れる上質で先進感と広々感に溢れたリビング感覚のインテリアの詳細、充実した先進装備、進化したプロパイロット2.0などについては、改めて試乗記として紹介させていただきたい。

日産アリア

文/青山尚暉
写真/青山尚暉 日産

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