現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 中国で1番人気ミニバンはどのメーカー? 60万円EVも販売で勢いを増す「宏光シリーズ」とは

ここから本文です

中国で1番人気ミニバンはどのメーカー? 60万円EVも販売で勢いを増す「宏光シリーズ」とは

掲載 更新 7
中国で1番人気ミニバンはどのメーカー? 60万円EVも販売で勢いを増す「宏光シリーズ」とは

■激安EVで話題の「宏光」ってどんなクルマ?

 2020年8月に60万円の小型EVを発売したことで、世界中で話題になっているモデルが「宏光 MINI EV」です。
 
 日本に導入されれば国産メーカーの軽自動車や小型EVなどの市場に大きな影響が出るのではと予想されています。
 
 さらに、小型ミニバンとなる「宏光」もラインナップされていますが、どのようなモデルなのでしょうか。

【画像】このデザインはアリ? 中国No.1ミニバン「宏光」を見る!(20枚)

 宏光という単語は日本人の名前にも存在するのでなんとなく親しみを感じますが、中国語での読み方は「ひろみつ」ではなく、「ホングヮン(hong guang)」となります。

 宏光は、いま中国でもっとも売れているミニバンで、中国の国営ビッグ4(中国国営自動車メーカーの一汽、上海、東風、長安)の「上海汽車」と中国・柳州(リュウシュウ)に本拠地を置く「五菱汽車」、アメリカのゼネラルモーターズ(GM)が共同で設立した合弁企業「上汽通用五菱」によって製造・販売がおこなわれています。

 中国国内での乗用車販売台数においても、近年は「微型バン」(乗用車カテゴリーに入る小型ミニバン)部門でトップに君臨しており、2017年、2018年の2年間は販売台数50万以上を売り上げて乗用車全体でも1位に輝きました。

 その後は台数を多少減らしながらも、依然として販売好調なミニバンであることは確かで乗用車全体でも上位を維持しており、2020年は前年比10万台減の27万310台となりましたがトップ10圏内に入っています(ちなみに1位は日産「シルフィ」)。

 なぜ、この小さなミニバンがここまで中国で支持されているのでしょうか。

 その要因は価格の安さです。宏光は現在、2代目となる現行モデルと初代の旧モデルが併売されていますが、旧モデルの販売価格は4万2800元、日本円にして約70万円という低価格で販売されています。

 もちろん価格だけではありません。低価格でありながらも7人乗りのスペースを確保していることも高い評価を得ています(中国では多人数が乗れる乗用車の人気が高い)。

 エンジンは、1.2リッター直列4気筒エンジン(最高出力82馬力)と1.5リッター直列4気筒エンジン(最高出力104馬力)の2種類を設定(2代目宏光は1.5リッターモデルのみ)。

 シートの3列目を倒せば荷室スペースをぐっと広げることが可能となるため、この値段の安さと使い勝手の良さが多くの中国人民に支持されてきたといえます。

 基本的な品質も良く、万が一壊れたとしてもその販売台数の多さから補修用パーツがすぐに手に入るというのも人気の理由のひとつです。

 複数の強力な魅力が合わさって、この宏光は中国の若者たちを中心に「五菱神車」(=五菱のマジすごいクルマ)という愛称をつけられ、インターネット上でも人気者となっているのです。

 ちなみにインド市場ではGMインディアが宏光と同様のモデルを「シボレー エンジョイ」という名前で生産・販売をおこなっていましたが、GMは2020年をもってインド市場より撤退しています。

■過去には頭文字Dとコラボも? 世界中で話題!60万円のミニEVとは?

 小型ミニバンの宏光、日本の公道を走った過去があります。2017年夏のことで販売や登録ではなく、中国の自動車メディア「易車網」協力のもと、日本国内でプロモーションビデオの撮影がおこなわれました。

 宏光は漫画「頭文字D」とコラボレーションを果たしたことで、漫画内に登場する群馬の榛名山がロケーションに選ばれています。

 公開されている映像によると、実際に宏光を群馬県渋川市内や榛名山、群馬サイクルスポーツセンターなどへ持っていき、頭文字Dでおなじみのトヨタ 「スプリンタートレノ(AE86)」と一緒に峠を攻めるというストーリーとなっています。

 また、中国国内限定となりますが、ミニカーブランド「XCarToys 拓意」からコラボレーションを記念した藤原とうふ店仕様「パンダトレノ」のミニカーも発売されています。

 最近では、中国版センチュリーともいえる紅旗「H9」の日本上陸で中国車に注目が集まりつつあります。

 また、2020年8月に宏光シリーズ最新モデルとして発売された超小型EVの宏光 MINI EVが前述のとおり大きな話題となっています。

 既存の7人乗りミニバンではなく、こちらは「MINI」の車名通り、4人乗り3ドアの超小型EVです。

 全長1940mm×全幅1493mm×全高1621mmの小さなボディが特徴で、バッテリー容量は9.2 kWh(航続距離120km)と13.8kWh(航続距離170km)の2種類が選択可能です。

 モーター出力は72馬力となっており、最高速度は100km/hにまで達します。

 2020年8月に販売が始まったばかりですが、2020年の販売台数は4か月強で11万9255台を記録。中国市場のみならず、全世界でもテスラ「モデル3」に次いで2番目に多く売れた電気自動車となりました。

 さらに2021年1月には中国国内で2万5778台を販売し、中国製モデル3の1万3843台に1万2000台近い差をつけて、中国でもっとも売れた電気自動車の称号を手に入れました。

 この人気の高さは、小型ミニバンの宏光同様に価格の安さにあります。3つのグレードが用意され、それぞれ2万8800元(約46万5000円)、3万2800元(約53万円)、3万8800元(約62万7000円)となっています。

 これはライバルとなる超小型EVの宝駿「E100」(4万9800元~/約82万円~)、チェリー「eQ1」(5万9800元~/約99万円~))、欧拉「黒猫」(6万9800元~/約116万円)よりも安く設定された価格です。

 低価格を実現しながらも、大人4人が乗れる室内空間にエアコンなどの快適装備、そして2列目シートを倒せば741リットルの荷室が確保できることなどが、多くの人に支持されています。

こんな記事も読まれています

CO2削減には[ハイブリッド]!! 高速巡行は[ホンダ]が一番! 実は明確に違った各メーカーの得意種目は?
CO2削減には[ハイブリッド]!! 高速巡行は[ホンダ]が一番! 実は明確に違った各メーカーの得意種目は?
ベストカーWeb
「パリダカ」よりも厳しい!? チーム「三菱ラリーアート」がAXCRに参戦へ! “車両開発”へのフィードバックとは
「パリダカ」よりも厳しい!? チーム「三菱ラリーアート」がAXCRに参戦へ! “車両開発”へのフィードバックとは
くるまのニュース
マツダが“白い”新型「和製スポーツカー」実車公開! 「ポルシェ」級スペックの「ロータリー」搭載車に熱望の声! “市販化”進む「アイコニックSP」に反響集まる
マツダが“白い”新型「和製スポーツカー」実車公開! 「ポルシェ」級スペックの「ロータリー」搭載車に熱望の声! “市販化”進む「アイコニックSP」に反響集まる
くるまのニュース
海水浴にバーベキュー! 夏は「酒気残り運転」に要注意
海水浴にバーベキュー! 夏は「酒気残り運転」に要注意
バイクのニュース
BMWモトラッド、迫力の2Lビッグボクサー搭載『R20』でヒルクライム出走へ…グッドウッド2024
BMWモトラッド、迫力の2Lビッグボクサー搭載『R20』でヒルクライム出走へ…グッドウッド2024
レスポンス
新型プリウス発売から1年半…待望の「GRプリウス」出るか? 出るならどんな実力か??
新型プリウス発売から1年半…待望の「GRプリウス」出るか? 出るならどんな実力か??
ベストカーWeb
アルコールチェックの義務化から半年、事業所の検知器導入率は76%まで上昇
アルコールチェックの義務化から半年、事業所の検知器導入率は76%まで上昇
@DIME
KINTO、法人/個人事業主を対象としたサポートデスクを開設
KINTO、法人/個人事業主を対象としたサポートデスクを開設
月刊自家用車WEB
[15秒でわかる]日産『GT-R』、北米向けの生産終了…最終章の限定モデル
[15秒でわかる]日産『GT-R』、北米向けの生産終了…最終章の限定モデル
レスポンス
ホンダ「“2列6人乗り”ミニバン」がスゴイ! 「前列に3人座れる」斬新シート&“全長4.3m”の小柄ボディ! めちゃ“クセ強”な「エディックス」とは?
ホンダ「“2列6人乗り”ミニバン」がスゴイ! 「前列に3人座れる」斬新シート&“全長4.3m”の小柄ボディ! めちゃ“クセ強”な「エディックス」とは?
くるまのニュース
フェルスタッペン、自身への批判は意に介さず。ノリスとの友情を最優先「これからも全力で戦うと話し合った」
フェルスタッペン、自身への批判は意に介さず。ノリスとの友情を最優先「これからも全力で戦うと話し合った」
motorsport.com 日本版
シングルカムは性能がイマイチ……ってわけでもない! クルマのエンジン「DOHC」と「SOHC」は何がどう違う?
シングルカムは性能がイマイチ……ってわけでもない! クルマのエンジン「DOHC」と「SOHC」は何がどう違う?
WEB CARTOP
ポルシェ最大の超高級電動SUV、デビューは2027年? コードネーム「K1」にせまる
ポルシェ最大の超高級電動SUV、デビューは2027年? コードネーム「K1」にせまる
レスポンス
運転免許をもつ[日本人の8.1%]が75歳以上の高齢ドライバーってマジ!? その世代に向けての警察庁の[策]も気になる!
運転免許をもつ[日本人の8.1%]が75歳以上の高齢ドライバーってマジ!? その世代に向けての警察庁の[策]も気になる!
ベストカーWeb
実現は5年後? F1王者ハミルトン、MotoGPチーム買収の噂に「何だってあり得る」とはぐらかしつつも興味認める
実現は5年後? F1王者ハミルトン、MotoGPチーム買収の噂に「何だってあり得る」とはぐらかしつつも興味認める
motorsport.com 日本版
日産「“新型”小さな高級SUV」発表! “真一文字テール”がカッコイイ! 「斬新ストライプ」×クラス超え「豪華内装」装備の「新キックス」登場
日産「“新型”小さな高級SUV」発表! “真一文字テール”がカッコイイ! 「斬新ストライプ」×クラス超え「豪華内装」装備の「新キックス」登場
くるまのニュース
今度こそ本当の夜明け。メルセデスF1、“ぬか喜び”の呪縛から解放へ……前戦で棚ぼた優勝もこれまでとは違う?
今度こそ本当の夜明け。メルセデスF1、“ぬか喜び”の呪縛から解放へ……前戦で棚ぼた優勝もこれまでとは違う?
motorsport.com 日本版
道路版つくばエクスプレス「都市軸道路」7月延伸! “茨城の横軸”へついに接続 「圏央道直結」も着々!?
道路版つくばエクスプレス「都市軸道路」7月延伸! “茨城の横軸”へついに接続 「圏央道直結」も着々!?
乗りものニュース

みんなのコメント

7件
  • あのとんでもない自動車評論家かと思いましたよ
  • miniEVのデザインはシティコミューターとして
    非常に完成度が高い。
    きちんとクルマの形をしている。
    トヨタや出光とはレベルが違う。
    早く日本導入していただきたい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村