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売れ筋モデルのマンネリ化? N-BOXやノートが人気上位に固定化した理由

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売れ筋モデルのマンネリ化? N-BOXやノートが人気上位に固定化した理由

 最近の新車販売ランキングは、上位車種が固定されており、歳月を経過してもあまり変わりません。以前は新型車が売れ行きを伸ばした後、しばらくすると順位を下げましたが、今は入れ替わりが乏しいです。なぜ人気車種は代わり映えしないようになったのでしょうか。

ぶっちぎりで売れているホンダ「N-BOX」 人気車は発売からフルモデルチェンジするまで好調に売れ続け、そうでない車種は、最初から売れ行きを伸ばせずに終わります。2015年から2018年までの軽自動車・登録車の販売ランキングを見てみましょう。

激売れホンダ「N-BOX」のNAエンジン車で峠道はつらい? 実燃費テストで意外な結果が…

■2015年(すべて暦年)1位:トヨタ「アクア」2位:ホンダ「N-BOX」3位:ダイハツ「タント」4位:日産「デイズ&デイズルークス」5位:トヨタ「プリウス」

■2016年1位:トヨタ「プリウス」2位:ホンダ「N-BOX」3位:トヨタ「アクア」4位:ダイハツ「タント」5位:トヨタ「シエンタ」

■2017年1位:ホンダ「N-BOX」2位:トヨタ「プリウス」3位:ダイハツ「ムーヴ&ムーヴキャンバス」4位:ダイハツ「タント」5位:日産「ノート」

■2018年1位:ホンダ「N-BOX」2位:スズキ「スペーシア」3位:日産「デイズ&デイズルークス」4位:ダイハツ「タント」5位:日産「ノート」

 最も安定的に高い売れ行きを維持するのはホンダ「N-BOX」です。N-BOXは2011年12月に発売された軽自動車で、2015年から2016年は、2年連続で2位に入っています。

 2017年9月にフルモデルチェンジをしていますが、2017年のランキングでは、トヨタ「プリウス」の売れ行きが下がったこともあり、1位に浮上。2018年も引き続き1位を守っています。

 N-BOXは発売以来、好調な売り上げを保っていますが、ホンダの販売店は必ずしも喜んでばかりはいられないようです。販売店スタッフは次のように話します。

「N-BOXを購入するユーザーは、最近では『フィット』『フリード』『ステップワゴン』などからの乗り替える方も多いです。

 N-BOXがたくさん売れるのは嬉しいですが、そうなると小型車の販売が下がります。N-BOXの価格は軽自動車では高い部類に入るものの、小型/普通車に比べると価格が安くて販売会社の利益も少ないです。

 そのため、最近は、N-BOXの販売を抑えて、小型車を積極的に売るよう指導されています。とはいえ、N-BOXは人気車で欲しいお客様も多いため、小型/普通車の売れ行きを伸ばすのは簡単ではありません」

2018年のトップ5のうち4位まで背の高い軽自動車が独占 ダイハツ「タント」は、2015年が3位、2016年から2018年は連続して4位です。現行型の発売は2013年に遡り、2019年7月にフルモデルチェンジされる予定ですが、時間が経過しても売れ行きを下げません。

ダイハツ「タントカスタム」(左:従来型/右:2019年7月に登場する新型) ダイハツの販売店は次のように説明します。

「タントは生活のツールになり、歴代モデルを乗り継ぐお客様も多いために売れ行きが安定しています。フルモデルチェンジが近づくと、お買い得な特別仕様車も設定され、これが中心になって売れ行きを支えています」

 また、小型/普通車では日産「ノート」が注目されます。ノートは、もともと販売ランキングの上位に入っていましたが、2016年11月にハイブリッドの「e-POWER」を加えて、売れ行きに一層の弾みが付きました

 2017年は総合順位が5位で、小型/普通車(軽自動車を除く)ではプリウスに次ぐ2位です。2018年も総合順位は5位ですが、軽を除いた小型/普通車のランキングでは1位に。国内の登録車販売ランキングで、統計史上初めて日産車が1位を獲得したといいます。

 なお、2018年は、1位から4位を背の高い軽自動車が独占するという、驚くべき順位になりました。

クルマに目新しさや趣味性を求めるユーザーが減った 販売ランキングの上位車種が定番化した理由は、軽自動車のように実用的な車種が売れ筋になり、クルマに目新しさや趣味性を求めるユーザーが減ったからです。

 目新しさや趣味性の感じられる新型車が登場すると、関心を集めて売れ行きを一気に伸ばします。スポーツカーはその典型で、「欲しいときが買いたいとき」です。その代わり好調な需要は長続きしません。

 一方、実用的な車種は、車検期間が満了したときなどに乗り替えられることが多いです。ユーザーが経済的な買い方をするので、発売直後に需要が急増することは少なく、欲しいと思ったときに急いで買う必要がないともいえるでしょう。

 販売ランキングが定番化した理由に、クルマのデザインがフルモデルチェンジで大きく成長する時期を過ぎて、安定期に入ったことも考えられます。

 とくに、日産「セレナ」やトヨタ「ヴォクシー」のようなミニバン、N-BOXやタントのような軽自動車は、フルモデルチェンジをおこなっても外観があまり変わりません。室内の広さも、5ナンバーサイズや軽自動車の枠内では限界に達しているので、ボディの基本スタイルはもはや変えようがないのです。

 そうなるとフロントマスクの形状をアレンジする程度になり、進化するのは主に安全装備や実用燃費です。ユーザーも新型車の中身を精査して冷静に選ぶため、フルモデルチェンジ直後の伸び方は穏やかです。

※ ※ ※

 思わず飛び付きたくなる新型車が減ったのは、クルマ好きとして寂しい気持ちもありますが、クルマの売れ方が洗練されてきた結果ともいえるでしょう。

 N-BOXやタントがすべてのユーザーに適するわけではありませんが、試乗すると「これで十分、いやこれが欲しい」と思わせる商品力を持っています。

 軽自動車は、日本のユーザーを対象に開発されるので、好調に売れるのも当然です。それでも偏りが大きいのは、軽自動車の増税を防ぐ意味でも好ましくありません。

 販売ランキングの上位は、2016年頃のように、小型/普通車と軽自動車で分け合うような状態が好ましいです。

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