実用的で遊び心あふれるトラキャンが流行中
「トラキャン」というキャンピングカーをご存じでしょうか? 正式名称は「トラックキャンパー」と呼ばれ、居住用の脱着式キャンパーシェルをトラックの荷台に積載するのが特徴です。本場アメリカではメジャーな存在ですが、日本ではマイナーな立ち位置でした。しかし、近年のオーバーランドスタイルを含めたアウトドアの多様性から、トラキャンは実用的で遊び心あふれるモデルとして注目される存在となりました。
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トラキャンのメリットとデメリット
このトラキャンのメリットをあらためて説明すると、まずポイントになるのがランニングコストにある。通常のキャンピングカー、キャンピングトレーラーならば、購入時のコストと少なからず維持費がかかるもの。だが、トラキャンの場合、搭載するキャンパーシェルは荷台に置く積載物として扱われるため、構造変更の手続きが不要で初期コストも押さえられる。
そして、ビジュアル的にもアメリカンテイスト漂う見た目はクールでカッコよく、ワイルドオフローダーとしてのルックスという観点からもイカしている。
デメリットは、一般的なキャンピングカーであれば運転席と居室スペースを自由に行き来できるが、このキャンパーシェルはあくまでも荷物なので、運転席と居住スペースの行き来は不可能。車両の駐車スペースのほかに荷台から降ろしたシェルの保管場所を確保しなくてはならない点も、デメリットとして挙げられるだろう。
しかし、シェルを降ろせばピックアップトラック単体で普段使いできて、荷台にシェルを積めばキャンピングカーとして旅を楽しめる。1台で2通りの使い分けができることは、トラキャン最大の強みだ。愛車を2WAYスタイルで楽しむ。これこそが実用的で賢い遊びの選択技ととして近年脚光を浴びる理由になっている。
MYSミスティックから最新作が登場
これまで30年以上にわたり日本車に合わせたキャンパーシェルの開発を続けているのがMYSミスティックだ。そんなMYSミスティックから、2024年モデルとして最新作「JキャビンKZ」とポップアップスタイルの輸入キャンパー「デシエルト02」の2タイプが登場した。
それぞれトラキャンとして魅力的な特徴を持ち、どちらも現行トヨタ「ハイラックス」と三菱新型「トライトン」に対応する。それぞれ脱着式キャンパーシェルを荷台に積載することで、ピックアップトラックがキャンピングカーへ簡単に転換できるシステムを搭載している。
JキャビンKZはワイドになってマルチルームを装備
まず、JキャビンKZから説明していこう。このモデルの最大の特徴は法改正によって積載物の幅と長さが緩和されたことにともなって、ワイドボディ化されていること。従来モデルのJキャビンH/HNの幅1840mmに対して、JキャビンKZは1970mmとなり、クラス最大のシェルサイズを誇る。
また、室内スペースは幅だけでなく高さもアップされ、トラキャンならではの大きなバンクベッドも広々と快適な作りとなり、大人3名がゆったり就寝可能。中央のコの字シートでテーブルを囲めるダイネットもフルフラットベッド化できるので、トータル就寝人数は5名を設定。つまり、ベース車の乗車定員分の就寝スペースはしっかり確保されている。
キャンパーシェルには珍しいマルチルームを備え、このスペースはオーナーの考え方次第でさまざまな活用法があることを想像させる。キッチンにはコンロー体式のカバー付きシンクを備え、オプションで冷蔵庫と電子レンジ、ルーフクーラーや428Ahリチウムイオンサブバッテリーなどの搭載が可能だ。価格は374万5500円(消費税込)。
デシエルト02は水平昇降式ポップアップルーフを装備
一方、もう1台のデシエルト02は、オーバーランドスタイルキャンパーとして提案されたモデル。その最大の特徴は、水平昇降式ポップアップルーフの装備にある。ハイラックスの荷台にフィットする軽量コンパクトなシェルは、ポップアップルーフを展開すると大人が立って歩けるほどの広々とした室内空間が確保できる。そして、スライド式のバンクベッドには、大人3名がゆったり横になれる1740mm×1840mmのベッドに加えて、ダイネットをベッド展開すれば1740mm×730mmのベッド化も可能。したがって合計就寝定員は4名の設定となる。
ポップアップルーフを格納すれば全高を低く抑えられるので、軽量シェル構造と相まって動力性能や走行安定性も抜群。なによりも見た目がワイルドなオーバーランドスタイルとなるのも魅力的な要素だ。
このデシエルト02は、オーナーの好みに応じて選べるスタンダードとリミテッドの2モデルが用意されている。シェル単品の価格は、スタンダードが239万4700円(消費税込)、充実した装備を持つリミテッドが355万3000円(消費税込)だ。スタンダードはFFヒーター、ルーフベント、室内照明などが標準装備され、その他は必要に応じてオプションとして付け足すスタイル。リミテッドはこれに加えて1バーナーつきシンク、DC12Vクーラー、200Ahリチウムイオンバッテリーシステム、ソーラーパネル、冷蔵庫などがパッケージングされている。
ここ数年、クロカン4WDで道なき道を走破しながら旅をする海外のオーバーランドスタイルが流行している。そうした時代のニーズに合わせ、ピックアップトラックを普段使いして、キャンピングカーとしてもカッコよく乗りたい。そして他人とは違った個性でワイルドな雰囲気を演出としたい。そんなクロカン4WDオーナーの心に突き刺さるMYSミスティックの最新作は、豊かなアウトドアを楽しむユーザーにおすすめだ。
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みんなのコメント
ただランクル其の物が入荷待ちなのに、注目されているわけはない。
普通にキャブコンがお勧め。