現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ポルシェはいかにしてCO2排出量ゼロを目指すのか カーボンニュートラルへの取り組みとは

ここから本文です

ポルシェはいかにしてCO2排出量ゼロを目指すのか カーボンニュートラルへの取り組みとは

掲載 3
ポルシェはいかにしてCO2排出量ゼロを目指すのか カーボンニュートラルへの取り組みとは

ポルシェの環境保護への取り組み

ポルシェは全ラインナップの電動化に向けて抜本的な改革を進めており、2024年からマカン、カイエン、ボクスター、ケイマンの4つの新型EVを投入する。これらのEVはガソリン車とともに販売される予定だ。

【画像】人気のポルシェ・マカンもついに電動化【次期マカンEVのプロトタイプを写真で見る】 全34枚

ポルシェの目標は、2025年までに販売台数の50%を電動パワートレイン搭載車とし、2030年までに80%をEVにすること。しかし、EVの生産が環境に負荷を与えては元も子もない。そこでポルシェは現在、2030年までにサプライチェーン全体をカーボンニュートラルにするという別の目標を掲げている。

ここでは、ポルシェがどのように実質排出量ゼロを目指しているのかを紹介する。

新しいエネルギーの利用

ポルシェのエネルギー戦略は、持続可能なエネルギー源のみを利用することと、使用量を削減することの2つを柱としている。前者はシュトゥットガルト工場での自然エネルギーへの転換を勧め、これにより年間9万500トンのCO2排出量が削減されたという。

バイオガスの利用は、それほど大きな変化をもたらさなかったが、さらに4万2300トンのCO2を削減している。工場内では、部品を運ぶ自律走行車に回生ブレーキを追加し、効率を高めている。

昔ながらのアプローチ

ポルシェの環境保護への取り組みは、近年のトレンドに対応したものではなく、2000年代に入ってから動き始めたものだ。1999年、カイエンを生産する新工場の建設地としてライプツィヒ近郊の旧軍事試験場が選ばれたが、建設には3年の猶予が与えられた。この施設はドイツ帝国時代から1世紀近く使われていたもので、着工するにはまず軍需品の撤去が必要だった。

ポルシェの環境・エネルギー管理部門の責任者であるアンケ・ヘラーは、「この時、環境保護への “昔ながら” の取り組みが始まった」と説明する。300ヘクタールの施設のうち130ヘクタールを「生態系補償地域」に指定し、工場が環境に与える影響を相殺するという、当時としては斬新なコンセプトが採用されたのだ。

現在、このエリアにはエクスムーア・ポニー、オークロックス(ヘック牛)、50のミツバチのコロニーがあり、138種の鳥類が集まっている。

また、次世代の教育にも活用されている。7歳以上の子ども向けに、工場敷地内を巡るサファリツアーを提供しているのだ。元ザクセン州環境農業大臣のトーマス・シュミットは、「幼い頃から責任を持って、持続可能な方法で自然や環境と関わる方法を子供たちに教えることが重要」と述べている。

製品からのプラスチック排除

カーボンニュートラルに向けた取り組みとして、部品やロジスティクスパートナーとの連携も挙げられる。例えば、サプライヤーとの協力により、製品から可能な限りプラスチックが取り除かれている。

どうしてもプラスチックが必要な場合も、リサイクルが難しい着色プラスチックは禁止している。アンケ・ヘラーは、ポルシェが単独でできることは限られているとし、「常にパートナーが必要」と語る。

ポルシェのプラスチック対策は、工場内で部品を運搬するための台車にも及んでいる。チップボードと段ボールだけで作られたカートに切り替えたのだ。

水質汚染物質の削減

こうした対策は、すでに効果を上げている。ポルシェのライプツィヒ、ヴァイザッハ、ツッフェンハウゼンの各工場は現在、バランスよくカーボンニュートラルな状態にある。

しかし時代は変わり、ポルシェの環境負荷を測定する基準はもはやCO2だけではなくなった。「水は未来の金です」とヘラーは言う。ポルシェは現在、排水中の汚染物質や有害物質の放出を最小限に抑えるよう取り組んでいるとのこと。これが先見の明のある動きなのか、それとも単なる予備的な対策に過ぎないのかは、時間が経ってみないとわからない。

まもなく登場するポルシェの新モデルとは?

2024年に登場予定のマカンEVは、デュアルモーターを搭載し、最高出力611psと最大トルク102kg-mを発生する「同セグメントで最もスポーティなクルマ」となる見込み。

カイエンのEVは、2025年に現在のガソリンエンジン車と並んで発売される予定だ。航続距離は、メルセデス・ベンツEQS SUVの約580kmを上回ると言われている。

718ケイマン/ボクスターは、現在のミドエンジンの特性を模倣した電動スポーツカー専用プラットフォームを採用する予定。発売は2026年と見られる。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

角田裕毅のマシンが“グリッター”カラーに。RB、ラスベガスGP用スペシャル・リバリーを発表
角田裕毅のマシンが“グリッター”カラーに。RB、ラスベガスGP用スペシャル・リバリーを発表
AUTOSPORT web
フォルクスワーゲン「ティグアン」発売! 3代目に進化した全長4.5mの“VWで一番売れている”SUVはどう進化?
フォルクスワーゲン「ティグアン」発売! 3代目に進化した全長4.5mの“VWで一番売れている”SUVはどう進化?
VAGUE
台湾では「輪行」不要!? 国鉄で広がる自転車の旅はちょっと不思議な感覚
台湾では「輪行」不要!? 国鉄で広がる自転車の旅はちょっと不思議な感覚
バイクのニュース
カーメイト、改良版サイクルアタッチメント、釣り竿収納ホルダーの新製品が発売!
カーメイト、改良版サイクルアタッチメント、釣り竿収納ホルダーの新製品が発売!
レスポンス
美しい! 速そう!! カッコいい!!! 幻の日産フラッグシップ「Q80インスピレーション」市販可能性
美しい! 速そう!! カッコいい!!! 幻の日産フラッグシップ「Q80インスピレーション」市販可能性
ベストカーWeb
めっちゃカッコいいぞ!?? スズキ新型SUVをトヨタへ供給&日本導入ってマジか
めっちゃカッコいいぞ!?? スズキ新型SUVをトヨタへ供給&日本導入ってマジか
ベストカーWeb
軽快スポーツフルフェイス「Z-8」シリーズに新グラフィック「YAGYO」が追加!パーツ怪異イラストがかわいい!  
軽快スポーツフルフェイス「Z-8」シリーズに新グラフィック「YAGYO」が追加!パーツ怪異イラストがかわいい!  
モーサイ
【SHOEI】システムヘルメット「NEOTEC 3」に新グラフィックモデルの「ANTHEM(アンセム)」が設定された!   
【SHOEI】システムヘルメット「NEOTEC 3」に新グラフィックモデルの「ANTHEM(アンセム)」が設定された!   
モーサイ
「青の位置が矢印の信号機」ってなんだ? 更新で消えゆく超激レアモデルだった! 【信号機マニア・丹羽拳士朗の偏愛日記 #1】
「青の位置が矢印の信号機」ってなんだ? 更新で消えゆく超激レアモデルだった! 【信号機マニア・丹羽拳士朗の偏愛日記 #1】
くるくら
光岡自動車、シビックベースの「M55ゼロエディション」発売 イメージは1970年代 6速MTのみ 808万円
光岡自動車、シビックベースの「M55ゼロエディション」発売 イメージは1970年代 6速MTのみ 808万円
日刊自動車新聞
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
くるまのニュース
【ドライブグルメ】中央自動車道・双葉SA(上り)のオススメ テイクアウトは、ユニークな総菜パンと定番のアップルパイ
【ドライブグルメ】中央自動車道・双葉SA(上り)のオススメ テイクアウトは、ユニークな総菜パンと定番のアップルパイ
Webモーターマガジン
三重県の「北勢バイパス」、2024年度内に四日市の中心部まで開通! 通勤ラッシュの緩和にも期待。 【道路のニュース】
三重県の「北勢バイパス」、2024年度内に四日市の中心部まで開通! 通勤ラッシュの緩和にも期待。 【道路のニュース】
くるくら
ヒョンデが独占!? 「2025カー・オブ・ザ・イヤー」、新型「サンタフェ」が「年間ベストカー賞」など複数受賞
ヒョンデが独占!? 「2025カー・オブ・ザ・イヤー」、新型「サンタフェ」が「年間ベストカー賞」など複数受賞
LE VOLANT CARSMEET WEB
BYDの勢いが止まらない! 新エネルギー車の生産台数が世界初の1000万台を突破
BYDの勢いが止まらない! 新エネルギー車の生産台数が世界初の1000万台を突破
THE EV TIMES
【ユーズドカーチェック】17枚の画像とともにBMW 3シリーズGT(F34)の中古モデルをわかりやすくレビュー!
【ユーズドカーチェック】17枚の画像とともにBMW 3シリーズGT(F34)の中古モデルをわかりやすくレビュー!
AutoBild Japan
ソロキャンプに嬉しい! 飯ごうにぴったり重なる調理用鉄板「Stacking iron plate」が発売
ソロキャンプに嬉しい! 飯ごうにぴったり重なる調理用鉄板「Stacking iron plate」が発売
バイクブロス
新生ジャガー「DESIGN VISION CONCEPT」のティーザー画像が公開
新生ジャガー「DESIGN VISION CONCEPT」のティーザー画像が公開
カー・アンド・ドライバー

みんなのコメント

3件
  • 私のマカンgtsは街中ではリッター5kmしか走りませんw
    911は内燃機関を残すようで、チリでバイオガソリンを生産するようですね。
    バイオエタノールだったらブラジルのフレックス車のようにガソリンもエタノールも混合して使えるけど、始動時だけはガソリンが必要なので、別途ガソリンタンクが必要な仕様になるのかしらん?
  • 高級車はいくらでも選択肢がある
    大衆車メーカーはEV以外に選択肢はない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1230.01605.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.01850.0万円

中古車を検索
カイエンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1230.01605.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.01850.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村