■ホンダの次世代モデルはロボット「ASIMO」の知能を引き継ぐ
ホンダは2025年1月8日、アメリカ・ラスベガスで開催された「CES2025」で、同社が2026年にグローバル市場への投入を計画している新らたなEVコンセプトカー「Honda 0 シリーズ(以下、ゼロシリーズ)」の2モデル、「Honda 0 SALOON(以下、ゼロサルーン)」と「Honda 0 SUV(以下、ゼロSUV)」を発表しました。
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CESとは、毎年1月にラスベガスで開催される最大級の規模を誇る電子機器の見本市です。出展内容は主に電気・電子機器ですが、近年では数多くの自動車メーカーが最新のEVを披露することが増えてきています。
ゼロシリーズのコンセプトは「Thin, Light, and Wise.(薄い、軽い、賢い)」としており、これを具現化するためのさまざまな最新技術が採用されています。
その第1弾となるのが、ミドルサイズSUVのゼロSUVで、CES2024で発表されたコンセプトモデル「SPACE-HUB(以下、スペースハブ)」の考え方を踏襲したものです。
スペースハブは、次世代のミニバンの形を提案したものですが、ゼロシリーズのコンセプト「薄い・軽い・賢い」を具現化するSUVで、全高は低く抑えられています。
フロントからボディサイドの形状は、市販化モデルに近く現実的な印象を受けますが、小さなリアクオーターウインドウより後方はパネルで覆われ、幅広のU字型のリアコンビネーションランプに薄型のリアウインドウが組み合わせられている造形は現実離れしたコンセプトモデルの有様で、これは量産モデルではどのようなデザインになるかが注目です。
最新技術には大きなトピックがありました。それは、ゼロシリーズに搭載される自動車用OS(基本ソフトウェア)が、ホンダ独自開発の「ASIMO OS」であることです。
ASIMOは、1986年に開発を開始し2000年に発表された、世界初の完全二足歩行人型ロボットで、2000~10年代ではロボット界のアイコンとなって世界中で愛されました。
ASIMOには、外界認識技術や人の意思をくみ取って行動する自律行動制御技術が搭載されており、その技術を先進知能化技術と融合することで、クルマの自動運転技術を筆頭とするあらゆる機能に応用されています。
ホンダは、「世界中の皆様に驚きと感動を与え、次世代EVの象徴となることを目指す」という思いを込めて、次世代自動車用OSにASIMOの名を与えたと伝えています。
ホンダは、2021年に世界初の自動運転レベル3(自動運転動作中、ドライバーが視線を周囲の状況に集中させる必要がない”アイズオフ”)「Honda SENSING ELITE(ホンダ センシング エリート)を搭載した「レジェンド」を発売しています。
これらのことは、さらに高度に進化した自動運転レベル3が、ゼロSUVをはじめとするゼロシリーズに搭載されることを示しています。
また、ホンダは半導体メーカー「ルネサスエレクトロニクス株式会社」と、コアECU向け高性能SoC(システム・オン・チップ)の開発契約を締結したこともCES2025で発表しました。
ホンダは、ソフトとハードの両面でクルマのEV化・知能化を進めていくようです。
ゼロSUVの登場まであと1年ほど。はたして量産モデルはどんな形でデビューするのでしょうか。期待が高まります。
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