現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 635馬力! 最強“大型SUV”「ディフェンダーOCTA」を試す! 2.5tボディなのに「軽量スポーツカー」のように振り回せる!? ブランド最高峰「ハイパフォーマンスモデル」の実力は【試乗記】

ここから本文です

635馬力! 最強“大型SUV”「ディフェンダーOCTA」を試す! 2.5tボディなのに「軽量スポーツカー」のように振り回せる!? ブランド最高峰「ハイパフォーマンスモデル」の実力は【試乗記】

掲載 44
635馬力! 最強“大型SUV”「ディフェンダーOCTA」を試す! 2.5tボディなのに「軽量スポーツカー」のように振り回せる!? ブランド最高峰「ハイパフォーマンスモデル」の実力は【試乗記】

■ラリー出場を見据えた「最強モデル」を試す!

 ランドローバーの本格四輪駆動車「ディフェンダー」のラインアップに「オクタ」という特別なモデルが設定されています。このモデルを一言で言い表せば、「オンロードもオフロードも最強なモデル」です。

【画像】超カッコいい! これが「史上最強のディフェンダー」です! 画像で見る(50枚以上)

 その最強ぶりを実際に体感できる機会を得ることが出来ました。ダートロードも含めたコースで体感したその高い性能をレポートします。

 なぜ、本格派のディフェンダーにオクタという最強モデルが追加されたのか。その理由は複数ありますが、最大の理由といえるのが世界一過酷なレースともいわれる「ダカールラリー」への参戦です。

 ディフェンダーブランドは、2026年シーズンからワークス体制でダカールラリーへ参戦するのですが、そこに投入されるのがこのオクタなのです。

 ダカールラリーと聞くと、大幅な改造が施されたラリーカーをイメージするかもしれませんが、ディフェンダーが参戦するのは市販車ベースの「ストックカー」カテゴリ。つまり、投入される市販車そのものの性能が問われます。

 そんなクラスで勝つために用意されたモデルがオクタなのです。

 いわゆる「ホモロゲーションモデル(注:競技への出場に必要な販売台数条件を達成するための特別モデル)」的な役割を持ちます。

 もちろん、ディフェンダーブランドの強化を狙いたい側面もあるでしょう。しかし、それを実現するには、単純に高価で高性能なモデルを追加するだけでは意味がありません。

 ダカールラリーで勝利する、それがブランド力の強化となる。そのためのオクタなのです。

 オクタは「弾丸のようにオフロードを駆け抜ける。」このイメージを持って開発されました。

 これまでディフェンダーのような本格クロスカントリーモデルは「オフロード性能が高い」と表現されても、それは悪路を「確実に走破」できるものでした。

 もちろん、それもそれで素晴らしい性能なのですが、「悪路を速く」というアピールがあったモデルは初めてかもしれません。

 このコンセプトを実現するために、全方位で手が加えられました。

 エンジンは635PSを発生する4.4リッターのV型8気筒ツインターボを搭載し、マイルドハイブリッドとの組み合わせで0-100km/h加速はわずか4.0秒を実現。

 ボディサイズは全長4940mm×全幅2065mm×全高2000mm。標準モデルよりも70mm(日本仕様)ワイドになっています。そして車高は28mm高められており、ディフェンダー史上最高の渡河性能である1mの渡河水深を実現しています。

 弾丸のように…を意識した開発陣が重視したのは、どんな状況でも可能な限り車体の姿勢をフラットに保つことでした。

 そこで採用されたのは油圧式の6Dダイナミックサスペンションです。

 ピッチとロールを制御するこのサスペンションは、標準のエアサスと組み合わせ、優れた乗り心地と高い走行性能の両立を実現するそうです。

■2.6トンなのに「軽量スポーツカー」のような楽しさ

 まずはワインディングを中心としたオンロードでの試乗からスタートします。

 乗り始めてすぐに実感したのは、乗り心地が良好なことです。

 試乗コースの路面は荒れており、大小の段差やわだちになっている箇所もありましたが、ハイパフォーマンスモデル、そしてサスペンションストロークが大きなSUVとは思えないほどコンフォートな印象で、しっとりとした乗り味はまるで高級サルーンを思わせます。

 2019年、ディフェンダーが現行モデルへとフルモデルチェンジした際に、信頼性の高いラダーフレームからモノコックボディへと変わったことに対し、当時は否定的な意見もありましたが、この乗り心地は堅固なラダーフレームでは実現できないと思います。

 実際にモノコックボディの採用によってボディのねじり剛性は3倍以上高められています。

 そして、剛性感のあるシャキッとしたステアリングフィールは、フロントタイヤからのインフォメーションがしっかりと感じ取れ、スポーティな雰囲気。

 フラットな姿勢でロールも抑えられていて、ワインディングを走るのが楽しいと感じさせてくれます。冷静に考えて2.6トンを超えるSUVで「ワインディングが楽しい」と思わせてくれるのは驚くべきことです。

 エンジンは600PSオーバーを感じさせないほど扱いやすく、トルクの出方が自然なフィーリングで、まるで大排気量の自然吸気エンジンを操っているかのようです。

 おそらくですが、マイルドハイブリッドとの協調制御の恩恵もあるのでしょう。操りやすいパワーユニットで、回転が高まっていくのも楽しいと感じます。

 そして、浅間サーキットでのオフロード試乗では、ハイペースなダートトライアルのようなシチュエーションを走行することが出来ました。

 ここではオフロード最強モードといえる「オクタモード」をチョイス。DSCはトラックモードを選びました。

 驚かされたのは、実にコントローラブルであることです。

 かなりのハイスピードでありながら、オフロードを想像よりも余裕な雰囲気で駆け抜けることが出来るのにも驚かされましたが、軽量なスポーツカーを操っているかと思わせるほど、思い通りに「振り回す」ことが出来ました。

 ステアリング操作とブレーキによる荷重移動で車体姿勢を造るのが自由自在で、スライドする動きになっても、カウンター操作をするべきタイミングが分かりやすく、トルクの出方がマイルドなパワーユニットは、スライドのコントロールがとてもしやすいです。

 DSCトラックモードも優秀で、比較的スライドすることを許容してくれます。過剰な制御ではなく、ドライバーの操作に合わせて必要な分だけ制御を効かせていて、ダートで振り回す楽しさが残されている電子制御でした。

 ダートでの試乗は、重たく大きく、背の高いSUVであることを忘れてしまうくらい、手の内に入る感覚があり、操るのが楽しいと感じる時間となりました。

 オフロード、オンロード、コンフォート性能。まさに全方位性能の高いモデルであるディフェンダーオクタ。

 残念ながら2025イヤーモデルはすぐに完売したそうですが、オクタは限定モデルとしてではなく今後のカタログ展開も予定しているとのこと。

 このモデルがどれほどディフェンダーのブランド力を高めるか、そしてダカールラリーでその性能を証明するのか。すでに高い完成度にありますが、活躍が楽しみな1台です。(西川昇吾)

文:くるまのニュース 西川昇吾
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

2026年発売! 新型「全長4.7mちょうどいいSUV」日本初公開に反響殺到! 「街中でも映えそう」「本気度が伝わる仕上がり」の声も! “日本専用装備”も魅力のヒョンデ新型「ネッソ」に注目!
2026年発売! 新型「全長4.7mちょうどいいSUV」日本初公開に反響殺到! 「街中でも映えそう」「本気度が伝わる仕上がり」の声も! “日本専用装備”も魅力のヒョンデ新型「ネッソ」に注目!
くるまのニュース
ジェイズ・コーポレーションが兵庫県のセントラルサーキットの全株式を取得。ピットや観戦環境の改善、コース延伸も将来計画
ジェイズ・コーポレーションが兵庫県のセントラルサーキットの全株式を取得。ピットや観戦環境の改善、コース延伸も将来計画
AUTOSPORT web
「全国の食材が集まるレストランは本当にすごいのか?」壱岐島・半径10kmのフレンチ「彼は誰(かはたれ)」が翻訳する“島のリアル”とは
「全国の食材が集まるレストランは本当にすごいのか?」壱岐島・半径10kmのフレンチ「彼は誰(かはたれ)」が翻訳する“島のリアル”とは
VAGUE
ルノーとフォード、欧州でEV・商用車の戦略的提携を発表…2028年から新型EV投入
ルノーとフォード、欧州でEV・商用車の戦略的提携を発表…2028年から新型EV投入
レスポンス
ツーリングも、スポーツ走行だって楽しめる“万能”さが際立つよね! 国産ミドルクラス「スポーツツアラー」3選
ツーリングも、スポーツ走行だって楽しめる“万能”さが際立つよね! 国産ミドルクラス「スポーツツアラー」3選
VAGUE
スズキ新型「コンパクトSUV」まもなく発売! 今なら「87万円オトク」な“4WD仕様”がイイ! 全長4.3mボディに「ガラスルーフ」など装備充実! “メーカー初パワーユニット”搭載の「eビターラ」最高級モデルって?
スズキ新型「コンパクトSUV」まもなく発売! 今なら「87万円オトク」な“4WD仕様”がイイ! 全長4.3mボディに「ガラスルーフ」など装備充実! “メーカー初パワーユニット”搭載の「eビターラ」最高級モデルって?
くるまのニュース
自動運転の路線バスに乗ってみた! 安心感はあれどベテラン運転士の域まではもう一歩!!
自動運転の路線バスに乗ってみた! 安心感はあれどベテラン運転士の域まではもう一歩!!
WEB CARTOP
【グレカーレ エッセンツァ】人生に一度、マセラティを【九島辰也】
【グレカーレ エッセンツァ】人生に一度、マセラティを【九島辰也】
グーネット
吼えろVTEC! シビックタイプR(FD2)の迫力満点ミニカー登場! スパルタンな再現度にシビれろ!
吼えろVTEC! シビックタイプR(FD2)の迫力満点ミニカー登場! スパルタンな再現度にシビれろ!
ベストカーWeb
シリーズ最大排気量!! ホンダ初代「CB1300スーパーフォア」は5つの感動性能で爆誕
シリーズ最大排気量!! ホンダ初代「CB1300スーパーフォア」は5つの感動性能で爆誕
バイクのニュース
カワサキの新“ハイパフォーマンスネイキッド”「Z1100」のディテールとは?“凄み”を増したルックスが精悍すぎる! 高度な電子制御で走りにも期待大
カワサキの新“ハイパフォーマンスネイキッド”「Z1100」のディテールとは?“凄み”を増したルックスが精悍すぎる! 高度な電子制御で走りにも期待大
VAGUE
知的なステーションワゴン──新型アウディA6 アヴァントe-tron パフォーマンス試乗記
知的なステーションワゴン──新型アウディA6 アヴァントe-tron パフォーマンス試乗記
GQ JAPAN
これぞアウディ!──新型アウディA6 アヴァントe-tron パフォーマンス試乗記
これぞアウディ!──新型アウディA6 アヴァントe-tron パフォーマンス試乗記
GQ JAPAN
ゼンリン、地図柄の文具・雑貨を詰め込んだ2026年福袋を発売
ゼンリン、地図柄の文具・雑貨を詰め込んだ2026年福袋を発売
レスポンス
「オープンカントリー」がついに最上級クラスに!!! 新年の「ダカール」は市販車"ランクル"と超絶"ハイラックス"に大注目
「オープンカントリー」がついに最上級クラスに!!! 新年の「ダカール」は市販車"ランクル"と超絶"ハイラックス"に大注目
ベストカーWeb
レッドブルを翻弄した、マクラーレンの”戦略”……装着タイヤを2台で分け、フェルスタッペンを苦しめた。メキーズ代表「驚いた」
レッドブルを翻弄した、マクラーレンの”戦略”……装着タイヤを2台で分け、フェルスタッペンを苦しめた。メキーズ代表「驚いた」
motorsport.com 日本版
革新的な“ハイテクセラミック”を駆使するラドーより、ブランドを代表する3モデルがお目見え! その真価とは
革新的な“ハイテクセラミック”を駆使するラドーより、ブランドを代表する3モデルがお目見え! その真価とは
VAGUE
斬新「観音開きスライドドア」ミニバンが凄い! 全長4.6mボディに「量産初の凄いドア」&「めちゃ広ッ」車内空間が魅力! “まもなく日本上陸”のジーカーが展開する「MIX」中国仕様って?
斬新「観音開きスライドドア」ミニバンが凄い! 全長4.6mボディに「量産初の凄いドア」&「めちゃ広ッ」車内空間が魅力! “まもなく日本上陸”のジーカーが展開する「MIX」中国仕様って?
くるまのニュース

みんなのコメント

44件
  • toa********
    コメント欄はあれてるが、ディフェンダー。
    個人的には好きだけどなぁ。燃費や取り回し、維持費など…
    そういうのを過度に気にしたらダメな車。

    現実的には買えないが、ロマンがあっていいと思う。
  • OKD
    軽量スポーツカー」のように振り回せる!? はっ?
    な訳ゃない❗️
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

872 . 0万円 6400 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

345 . 0万円 2323 . 0万円

中古車を検索
ランドローバー ディフェンダーの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

872 . 0万円 6400 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

345 . 0万円 2323 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村