大舞台はリンカンシャー州の公道とサーキット
AUTOCARの年末年始といえば、英国ベスト・ドライバーズカー(BBDC)選手権。1年間に英国編集部が試乗したクルマの中で、最も運転体験に秀でた1台を選ぶ、大規模な比較試乗だ。
【画像】2024年のBBDC選手権ノミネート車両10台 GRヤリスにエメヤ、アルトゥーラまで! 全82枚
2024年に高評価を得たモデルの中から、ノミネート車両10台をピックアップ。公道とサーキットで審査員がじっくり走り込み、純粋に走りの魅力度を精査していく。ハンドリング・デイとも、年長の編集部員は呼んでいる。
もちろん、10台はいずれも精鋭。魅力的な新車たちが1つの場所に揃うことは、特別な機会といえる。3日間という短くない時間をかけて、複数人で徹底的に能力を比較することも滅多にない。
AUTOCARを定期的にお読みいただいているなら、2023年はグレートブリテン島西部、ウェールズ州の公道とアングルシー・サーキットが舞台だったとご記憶かもしれない。だが2024年は、東部のリンカンシャー州とキャドウェルパークが選ばれている。
これまでと違う審査環境だが、蓋を開けてみれば歓迎すべき変更といえた。この州の公道は起伏が多く、緩急様々なカーブが続いていた。キャドウェルパークは、高速コーナーと低速ヘアピンが混在した、記憶に残るサーキットでもあった。
V8にV6、直4、直3のエンジンと電気モーターの異種混合
BBDC選手権では、前年の優勝車両も基準の1つとして加わることが通例になっている。しかし、2023年のディフェンディング・チャンピオン、ランボルギーニ・ウラカン・ステラートは生産が終了。現行モデルではなくなり、タイトル防衛には挑めていない。
気は早いが、ウラカンの後継モデル、ランボルギーニ・テメラリオは2025年のDDBC選手権に加わる可能性が低くない。きっと興味深い内容になるはず。
話を戻そう。2024年の審査へ参加したのは、英国編集部の6名。公道ステージとサーキット・ステージにわけて、それぞれ25点満点で運転体験を評価していく。1人当たりの最高配点は50点。合計で300点へ最も近い1台が、今年の優勝を掴む。
ノミネート車両は、例によって多彩。バッテリーEVは2台。ミドシップのスーパーカーは2台。ライトウエイト・スポーツと呼べるのも2台。ホットハッチは3台ある。
パワートレインも、V8にV6、直4、直3の内燃エンジンに、電気モーターという異種混合。2024年の「ベスト」ドライバーズカーという栄冠を勝ち取るのは、どの1台なのか。まずは、選ばれし今回の10台を確認していこう。
2024年のBBDC選手権ノミネート車両10台
英国価格順に並べた、2024年のノミネート車は下記の通り。試乗レポートや詳細データテストで他を凌駕する高評価を集めた、1年間を代表する出色の10台といえる。
実は、ここにはポルシェ911 S/Tも加わる予定だった。秀抜なエンジンとトランスミッションを搭載し、サスペンションのチューニングはGT3より公道向き。優勝候補の1台だったのだが、リコールが報告され、ポルシェから不参加の連絡が入ってしまった。
トヨタGRヤリス(英国仕様)
英国価格:4万2545ポンド(約830万円)
車両重量:1300kg
最高出力:280ps/6500rpm
フォルクスワーゲン・ゴルフ R(欧州仕様)
英国価格:4万3895ポンド(約856万円)
車両重量:1548kg
最高出力:332ps/5600rpm
ヒョンデ・アイオニック5 N(英国仕様)
英国価格:6万4945ポンド(約1266万円)
車両重量:2125kg
最高出力:650ps(オーバーブースト時)
フォード・マスタング・ダークホース(英国仕様)
英国価格:6万7195ポンド(約1310万円)
車両重量:1761kg
最高出力:459ps/7250rpm
アリエル・ノマド 2(英国仕様)
英国価格:6万7992ポンド(約1326万円)
車両重量:715kg
最高出力:309ps/5950rpm
ロータス・エメヤ S(英国仕様)
英国価格:10万3200ポンド(約2012万円)
車両重量:2480kg
最高出力:612ps
アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツ(英国仕様)
英国価格:10万ポンド(約1950万円)+ベース車両
車両重量:699kg
最高出力:213ps/7250rpm
ノーブルM500(英国仕様)
英国価格:15万ポンド(約2925万円)
車両重量:1350kg
最高出力:513ps/5200rpm
アストン マーティン・ヴァンテージ(英国仕様)
英国価格:16万5000ポンド(約3218万円)
車両重量:1670kg
最高出力:665ps/6000rpm
マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)
英国価格:20万2660ポンド(約3952万円)
車両重量:1498kg
最高出力:700ps/7500rpm(システム総合)
審査員は英編集部のスタッフで構成される6名
2024年の審査員は、おなじみといえるAUTOCAR英国編集部のスタッフ6名。これまでの経験を活かし、公平な配点が導かれる。年齢の幅が広いことも特徴といえる。
マット・ソーンダース(Matt Saunders)
ロードテスト編集者
ノミネート車両の予約から、請求書の処理、ラップタイムの計測までこなす、影の力持ち。馬鹿げていると思いつつ、バッテリーEVの充電用にディーゼル発電機も用意した。審査員6名ぶんのプロフィールも、筆者がまとめている。自画自賛は控えておこう。
リチャード・レーン(Richard Lane)
ロードテスト副編集長
リンカンシャー州の冬空へこだまする、様々な内燃エンジンの咆哮を聴き比べながら、しっぽり感傷に浸っていた。英国の鳥類保護協会が、彼の報告を待っているかも。
マット・プライヤー(Matt Prior)
編集長
英国の購読者とのオフミーティングへ参加した都合で、他の審査員より遅れてキャドウェルパーク・サーキットへやってきた。遅れを取り戻すため、朝1番で慣れないコースを1周ランニングしていた。その途中に、派手なジャンプを決めながら。
アンドリュー・フランケル(Andrew Frankel)
上級寄稿者
このメンバーの中では、最も公平な判断を下すといえ、経験も豊か。誰よりも手は抜かない。公道でもサーキットでも、彼から離されないペースで運転できれば、悪くないスキルの持ち主といえる。
ジェームス・ディスデイル(James Disdale)
寄稿者
今年も審査員の士気を高めてくれた、ディスデイル。いつも熱心に評価へ向き合い、洞察力の深い発言をする。彼の自宅はリンカンシャー州に近く、自身のロータスに乗って来ていた。
イリヤ・バプラート(Illya Verpraet)
ロードテスター
片隅で細心の注意を払ってメモを確かめ、評価へ集中していた。あまりにも静かで、帰宅したのかと勘違いしてしまったほど。だがノーブルを酷く気に入り、自宅へ連れ帰ろうとしていたのは本当だ。やる気に溢れる若手といえる。
この続きは、BBDC 2024(2)にて。
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