現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「レジェンドクーペの美しさは唯一無二だ!」80年代のホンダスピリッツががほとばしる意欲作!!

ここから本文です

「レジェンドクーペの美しさは唯一無二だ!」80年代のホンダスピリッツががほとばしる意欲作!!

掲載 22
「レジェンドクーペの美しさは唯一無二だ!」80年代のホンダスピリッツががほとばしる意欲作!!

クーペ専用設計に見えるホンダの実直さ

2.7LV6エンジンがもたらすゆとりの走りは感動的だ

5ナンバーと3ナンバーが混在した4ドアセダンに対して、3ナンバー専用ボディが与えられたレジェンド2ドアハードトップは1987年2月に登場。

それは、国内ではなく世界を見据えた斬新とも言えるエクステリア思想で、ホンダにとっては大きなチャレンジだったに違いないし、裏を返せば2ドアハードトップとして最高のプロポーションを追求しようとしたホンダの明確な意思表示とも受け取れる。

全長4775mm、全幅1745mm、ホイールベース2705mmという数値は4ドアセダンに対して65mm短く、10mm狭く、55mm短い。デザイン的な処理でどうにでもなる全長と全幅はともかく、クルマの基本骨格を構成するホイールベースまで変えてきたところにホンダの本気がうかがえる。

また、リヤトレッドも4ドアセダン比+40mmとなる1500mmに設定。機能的にはスタビリティの向上、視覚的には安定感のアップを実現しているのだ。

そうして生まれたスタイリングは流麗の一言。そう思わせられる一番の理由は、必要とされるボディ剛性を確保しながら可能な限り細く設計されたピラーと広いガラスエリアにあって、とくにBMWの3.0CSや初代6シリーズを思わせるようなCピラーの細さは芸術的と言っても大げさではない。さらに、ボディ面とガラス面の段差を可能な限り無くしたフラッシュサーフェス化も、クリーンなエクステリアを生み出すのに一役買っている。

80年代半ば以降に3ナンバー車が設定されたスペシャリティクーペと言えば、ソアラにレパード、ユーノスコスモにアルシオーネSVXあたりだが、それらがスポーティな雰囲気も漂わせてたのに対して、レジェンドを表現するならエレガントの一言だ。

内装もしかり。天然銘木を美しく仕上げた本木目コンソールにウールモケット(標準)または本革(オプション)シートなど、真のクオリティが追求されている。つまり、ラグジュアリーであることを前面に押し出した国産スペシャリティクーペはレジェンドをおいて他にないと言ってもいい。

ステアリングはエアバッグ内蔵4本スポークデザインを採用。エクスクルーシブはセンターコンソール以外、メーターバイザーやパワーウインドウスイッチにも天童木工製の本木目パネルが採用される。メーターのレイアウトはシリーズ共通だが、レッドゾーンが6400rpmからとなるのがC20Aターボを搭載するTi系との違い。

エアコンはフルオートタイプ。左右には走行中に外気を直接導入できるラム圧ベンチレーションが配され、足元は暖かく、中央の吹き出し口からは涼しい風を送るクールベントシステムも備わる。純正オーディオは20W×4アンプを持つフルロジックカセットプレイヤー付きAM/FM電子チューナー。

ミッションは4速AT。そのセレクターレバーにはガングリップタイプが採用される。

オプションの本革シート仕様。前席のセンターアームレストやドアトリムにも本革が使われる。運転席は電動調整式だ。

後席は天地方向のスペースは確保されているが、前席でゆったりしたポジションを取られると足元スペースがかなり厳しい。

センターコンソール後端には、後席から操作できるオーディオリモートコントロールスイッチとシガーライターを装備。これらが備わるのは、2ドアハードトップエクスクルーシブとセダンの最上級グレードXiエクスクルーシブのみ。また、リヤスピーカーボード中央には蓋付きの小物入れも。

意外だったのがリヤクォーターウインドウ。恥ずかしながら、開閉式とは知らなかった…。全開でもウインドウが完全には下がり切らないが、車内の換気を考えても開くのと開かないのでは大違い。パワーウインドウスイッチが備わる左右ドアトリムはアームレスト状のデザインとされ、灰皿も設けられている。

全身からラグジュアリー感を漂わせるレジェンドクーペ。そのフロントノーズに横置き搭載されるのは、2.7LV6SOHC 24バルブのC27A型で、前期型4ドアセダンに搭載されていたC25A型のボア拡大版となる。

また、新開発の複合可変吸気システムや軸受けをボールベアリング支持とした大口径シングルボアスロットルボディなども採用され、180ps/23.0kgmを発揮。組み合わされるミッションは4速ATのみとなる。C20AのNAとターボも用意される4ドアセダンに対して、2ドアハードトップは実質的にひとつ上の車格が与えられていると言っていい。

エンジンは2.7Lという排気量もあって、アイドリング回転+αの領域から豊かなトルクを携える。パワーの盛り上がりを感じられるのは2500rpmからで、4000rpmまではラグジュアリークーペに相応しいジェントルなフィーリングを楽しませてくれる。

ところが、それ以上の回転域ではエンジンサウンドが一段とトーンを高め、アクセルペダル操作に対するピックアップも鋭くなるなど、がぜんスポーティに変身する。4速ATでS(スポーツ)モードを選ぶと、その傾向がさらに顕著に。高回転域をキープした走りや素早いキックダウンなどが、アクセル操作ひとつで可能になるのだ。4000rpmまではおとなしく、それ以上は元気よく…そんな二面性をホンダはあえて与えたような気がしてならない。

足回りはダンピングが効いていて、張りのある乗り心地を提供してくれる。不快な突き上げなどはなく、かといって高級車にありがちなフワフワとした感触もない。イメージだけで言えば欧州車的だ。

試乗を終えて、少し離れたところからクルマを一周見回してみる。レジェンド2ドアハードトップが一番カッコ良く見えるのは、言うまでもなく斜め後ろからだ。Cピラー周りの造形は本当に見ていて飽きない。

メカニズムばかりに目が行って、外装デザインにはまるで無頓着な自分ですらそう思うほどだから、このスタイリングが多くの人を惹き付けるのは間違いない。

■SPECIFICATIONS
車両型式:KA3
全長×全幅×全高:4775×1745×1370mm
ホイールベース:2705mm
トレッド:FR1500mm
車両重量:1420kg
エンジン型式:C27A
エンジン形式:V6SOHC
ボア×ストローク:φ87.0×75.0mm
排気量:2675cc 圧縮比:9.0:1
最高出力:180ps/6000rpm
最大トルク:23.0kgm/4500rpm
トランスミッション:4速AT
サスペンション形式:FRダブルウィッシュボーン
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ:FR205/60R15

TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
●取材協力:カラーコンセプト TEL:093-601-1600

あわせて読みたい 「アスコット&ラファーガはFRで出るはずだった!?」匿名インタビューで噂の真相に迫る!

こんな記事も読まれています

九州電力、マンション向けEV充電を再エネ化
九州電力、マンション向けEV充電を再エネ化
レスポンス
雨が降っても超撥水&超汚れない! プロのコーティングを手軽に実現 呉工業「ルックス レインコート」
雨が降っても超撥水&超汚れない! プロのコーティングを手軽に実現 呉工業「ルックス レインコート」
ベストカーWeb
シートベルトに付いてる「謎の丸ボタン」何のため? 無いと困る「便利アイテム」! 意外と知らない「正式名称」も判明!?
シートベルトに付いてる「謎の丸ボタン」何のため? 無いと困る「便利アイテム」! 意外と知らない「正式名称」も判明!?
くるまのニュース
昼間の交通事故を防ぐ! 「デイライト」は日本で義務化されるか? そもそもなぜ基準が二つあるのか
昼間の交通事故を防ぐ! 「デイライト」は日本で義務化されるか? そもそもなぜ基準が二つあるのか
Merkmal
約[180万円]で装備充実!! 新世代プラットフォーム採用! 値下がり傾向の[XV]はコスパ最強だった
約[180万円]で装備充実!! 新世代プラットフォーム採用! 値下がり傾向の[XV]はコスパ最強だった
ベストカーWeb
長澤まさみさんを起用したCMもヒット! ハッキリいって中国メーカーのBYDは日本で確実に成功に向かっていた
長澤まさみさんを起用したCMもヒット! ハッキリいって中国メーカーのBYDは日本で確実に成功に向かっていた
WEB CARTOP
レッドブル、F1イギリスGP初日は低速コーナーに苦しむ「ロングランも含めて、ノリスと同じレベルにない」
レッドブル、F1イギリスGP初日は低速コーナーに苦しむ「ロングランも含めて、ノリスと同じレベルにない」
motorsport.com 日本版
MGの小型SUV『HS』、鋭いヘッドライトが見えた 実車はグッドウッド2024で初公開へ
MGの小型SUV『HS』、鋭いヘッドライトが見えた 実車はグッドウッド2024で初公開へ
レスポンス
[ヤリスクロス]は”リッター30km超”も気になるノイズ!? パンチの効いた[キックス]! 意外にも大きかったコンパクトSUVの差
[ヤリスクロス]は”リッター30km超”も気になるノイズ!? パンチの効いた[キックス]! 意外にも大きかったコンパクトSUVの差
ベストカーWeb
【MotoGP】転倒続出ドイツGP、要因は特異なレイアウトとタイヤ・気温。「すぐフロントタイヤの温度が下がってしまう」
【MotoGP】転倒続出ドイツGP、要因は特異なレイアウトとタイヤ・気温。「すぐフロントタイヤの温度が下がってしまう」
motorsport.com 日本版
フォルクスワーゲン ティグアン、パサート、そしてゴルフ8.5を発表
フォルクスワーゲン ティグアン、パサート、そしてゴルフ8.5を発表
Auto Prove
いすゞ「新型”7人乗り”SUV」実車公開! 精悍「ブラック顔」採用のめちゃ”スポーティ”な「RS」登場! 新型「MU-X」タイで披露
いすゞ「新型”7人乗り”SUV」実車公開! 精悍「ブラック顔」採用のめちゃ”スポーティ”な「RS」登場! 新型「MU-X」タイで披露
くるまのニュース
都市の交通が変わるかも!? e-BIKEの未来予想図
都市の交通が変わるかも!? e-BIKEの未来予想図
バイクのニュース
個性的すぎるスペイン発のハイパーカー、『カルメン・サグレラ』の超ド級性能
個性的すぎるスペイン発のハイパーカー、『カルメン・サグレラ』の超ド級性能
レスポンス
ロータリーエンジンに光明はあるのか? マツダの次世代エンジン戦略を応援したい
ロータリーエンジンに光明はあるのか? マツダの次世代エンジン戦略を応援したい
ベストカーWeb
ドローン大手の「DJI」が「eMTB」に進出…新開発の電動バイクシステム、その実力は
ドローン大手の「DJI」が「eMTB」に進出…新開発の電動バイクシステム、その実力は
レスポンス
「えっ…!」ライバル同士ではない? 一緒にクルマを作り上げた「共同開発車」3選
「えっ…!」ライバル同士ではない? 一緒にクルマを作り上げた「共同開発車」3選
くるまのニュース
サインツJr.、メルセデスのドライバー候補に再浮上? 期待の若手アントネッリがF2苦戦でプラン変更の可能性
サインツJr.、メルセデスのドライバー候補に再浮上? 期待の若手アントネッリがF2苦戦でプラン変更の可能性
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

22件
  • シンプルな高級感初代そしてさらなる高級感二代目
    懐かしいね…レジェンドクーペ
    初代も二代目も日本では珍しいラージサイズのクーペ
    ソアラとも違うレパードとも違う雰囲気が洒落ていた車
    スタイリングも好き!♡。
  • 初代と二代目のスタイルはとても良かった。
    後はダメ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

707.41100.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.8599.8万円

中古車を検索
レジェンドの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

707.41100.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.8599.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村