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BMWならではのスポーツ性の総決算──新型X1 M35i xDrive試乗記

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BMWならではのスポーツ性の総決算──新型X1 M35i xDrive試乗記

フルモデルチェンジしたBMW「X1」の高性能版である「M35i xDrive」は、実に走りのイイSUVだった! 小川フミオがリポートする。

輝く走行性能

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BMWの新型X1 M35i xDrive(エックスドライブ)は、4500mmの全長に対して1625mmの全高を持つSUVだ。いいところはパッケージングで、前後席ともに余裕たっぷり。もうひとつ大事なのは、ドライブしての楽しさ。輝いている。

新型X1 M35i xDriveは、X1シリーズの頂点に立つハイパワーモデル。233kW(317ps)の最高出力と400Nmの最大トルクを発生する1998ccガソリンターボエンジンと、全輪駆動システムの組合せを有する。

X1と姉妹車である「X2」は、ピュアEVのiX1とiX2が、欧州では前面に押し出されている感があるものの、今回のX1 M35i xDriveは、昔からのBMWならではのスポーツ性の総決算のような痛快な仕上がりだ。高速やカーブが連続するような道を走ると、「これだよ!」と、声が出そうになる。

X1は、2023年2月に発表された今回のU11型で3代目(X1 M35i xDriveは同年9月)。最近、個人的に2009年の初代X1って良かったなぁ、と、思っている。シャシーは「3シリーズ(E91)ツーリング」のものを使い、1545mmと少しだけ背高の全高。

前後長を伸ばしたロングルーフもデザイン上の特徴。ステーションワゴンより軽快な印象が持ち味だが、走りはもちろんBMWならでは。直列6気筒まであって、しかも価格はけっこうこなれていた(デビュー時の車両本体価格はsDrive18iが363万円、xDrive25iが480万円)。

当時の好印象を、私はX1 M35i xDriveをドライブしていて、思い出した。新型X1 M35i xDriveのどこがいいって、パワフルなエンジンを楽しませようと、ハンドリングと足まわりの設定がバランスよくチューニングされているところだ。

アグレッシブな内外装エクステリアとインテリアのデザインは、イマドキだ。伝統的な審美観からいうと、流麗とかまったく言えない。ヘッドライトもエアダム一体型バンパーも、エッジを強調していて、見た目の印象はゴツゴツ。アグレッシブと言い変えてもいいかもしれない。

サブネームからわかるとおり、BMWのラインナップにおいて見た目も走りもスポーティさを強調したMパフォーマンスモデルなので、フロントグリルはアウトラインも内側のバーも、グロスブラックで塗装されている。

インテリアもMパフォーマンスモデルゆえ、一見してスポーティだ。ヘッドレストレイント(ヘッドレスト)一体形「Mスポーツシート」は黒色と赤色の2トーン。座った人の身体を支えてくれるサポートもちゃんと備わる。表皮は「ヴェガンザ」なる人工皮革だが、前後席ともドライブ中にからだが滑ることもなく、大変良い出来と感心した。

X1がそもそも機能性も重視したSUVであることは、後席シートに前後スライド&リクライニング機構が備わる点でもわかる。

さらにリヤシートには、空調の吹き出し口もあれば、USBタイプCのソケットも用意されている。初代「2シリーズ」が出たとき、ディテールまで配慮がゆきとどいた機能的デザインがたいへん印象的だった。その良き流れは、今もちゃんと継承されているのだ。

目が覚めるようなドライビングの楽しさ先に触れたとおり、X1 M35i xDriveでなにより心に響くのは、走りの良さだ。ごく低回転からレッドゾーン近くまで、気持ちよく回って、しっかりパワーを出すエンジンは、X1がBEV主体で開発されたモデルとは信じられない。まったく手抜きがない。

アクセルペダルに載せた足と、湧き上がるようなエンジントルクとの密な連携も、BMWならではだ。クイックな比をもつステアリングシステムと、切り込んだときにも車体のロールを抑えたサスペンションの設定とでもって、立派なスポーツモデルになっている。

街中ではやや硬めに感じられるサスペンションの設定だけれど、高速では、ボディの揺れをよく抑えてくれるし、かなり太めのグリップ径をもつハンドルをすっと切り込んだときの車体の反応のするどさという、他ではなかなか手に入らない恩恵をもたらしてくれる。

いまでもBMWには、2シリーズ、「4シリーズ」、それに「8シリーズ」と流麗なボディのスポーツクーペがラインナップされている。それももちろんいい。「3.0クーペ」から続く、BMWの真骨頂だ。

でも、トレンディなクロスオーバー車型で、目が覚めるようなドライビングの楽しさを味わわせてくれるX1 M35i xDriveの伝統的であり、かつ斬新な個性は、おおいに注目すべきだろう。

文・小川フミオ 写真・田村翔 編集・稲垣邦康(GQ)

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