■「ナビ絶対服従」と「カン&地図」どちらが早い?
カーナビが普及した現在、目的地へ向かうのにナビの案内通りに走行するという人も多いでしょう。
では、一般道の場合、ナビに任せっきりにするのと、地図を見ながら抜け道を考えて走行するのでは、どちらが早く目的地にたどり着けるのでしょうか。
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かつては、クルマに地図を積んで出かけることが一般的でした。助手席に座る人は「助手席」という名称の通り、道の案内をする助手を務め、運転に集中するドライバーの補佐を担います。
幹線道路などに設けられる道路情報板の表示やラジオの交通情報、さらには案内標識をもとに、常に地図とにらめっこして目的地へと向かいます。
時は流れ、いまではカーナビが普及しました。助手席の案内役や紙の地図は必要なくなり、GPSや地図データをもとに自動で最適なルート設定をしてくれます。
近年のナビでは、FM多重情報などによるVICS(およびVICSワイド)だけでなく、周辺のクルマから収集したプローブ情報をもとに渋滞を回避するルートを選択したり、ルート案内中に到着時間を短縮できる代替ルートを提案するなど、多機能化・高機能化が進んでいます。
さらに、ダッシュボードに設置される据え置き型のナビだけでなく、スマートフォンやタブレット端末のナビアプリを利用する人も増えています。
スマートフォンが一般的になった現在では、アプリのインストールのみで手軽にナビを利用できるようになり、新車ではナビの標準装備をしないなど、据え置き型の需要も低下しつつあります。
一方で、ナビの案内に不満を感じる人もいるでしょう。
多くの情報をもとに、緻密に計算されたルートであっても、よく知っている道であれば「この道のほうが早いんじゃないか」「こんなところ曲がらせるな」と思うことや、知らない道では「なぜわざわざ混んでいる道を通らせるんだ」と思うことも度々あります。
では、ナビの指示通りに進んだ場合と、地図を見て自分でルートを決め、抜け道を探すという「地図&カン」の2つではどちらが先に目的地へ到着するのでしょうか。
編集部では2台のクルマを使用して検証を行いました。ルールはルート選択が限られる高速道路を利用せず、国道や市道など、道の選択肢が豊富な一般道のみを使用するという条件のほか、2時間経過した時点で15分の休憩を挟む条件も設けました。
ナビ通りに走行するクルマ(ナビチーム)はホンダのコンパクトミニバン「フリード クロスター」で走ります。純正ナビ「プレミアムインターナビ」が搭載され、VICS情報に加えて周囲のインターナビ装着車の情報を得ることでリアルタイムなデータをもとにしたルート選定を行います。
ナビはルート設定を「一般道優先」にして、一度も有料道路を使わない経路を選択したほか、途中でナビが新しいルートを提案してきた場合はナビに従うという「ナビ絶対服従」とし、ドライバーによる越権行為は許されません。
対して、地図&カンで走行するクルマ(地図チーム)はトヨタ「ヴォクシー」に乗車。標準のディスプレイオーディオにはメーカーオプションのナビ機能が搭載されていますが、ルートを設定しないとともに画面には目隠しを行い、一切画面を確認できない状態で、紙の道路地図帳と人間のカンを頼りに走行します。
検証は2023年7月30日に実施し、神奈川県秦野市にある県立秦野戸川公園から東京都千代田区の東京駅丸の内口まで走りました。もちろん法定速度および交通ルールは厳守します。
当日の天気は晴れで、最高気温が35度を超える猛暑日です。7月最後の日曜日ということもあり、ルート周辺の国道134号や大磯ロングビーチなど周辺の観光名所は、夏休み前半を迎えた家族連れで混雑していました。
■「カン」が当たって意外にも接戦か?
午後2時38分ちょうど。ナビチーム・地図チームの2台は秦野戸川公園の駐車場を出発し、しばらくは同じ道を走行します。
ナビチームは国道246号をひたすら走行する案内に従い、神奈川県道705号線を南東に下っていき、秦野市曽谷の宮上交差点で246号とぶつかりました。ここから東京都心までは、246号を延々と走行します。
一方、地図チームは持ち前の機動力とカンを活かし、「246はきっと混むだろう」という先入観のもと、前方のナビチームが右折した秦野市菩提の菩提交差点を直進。
こちらは新東名と並走するような形で東へ進み、信号のない山間の道を縫うように走行し、徐々に246号に向かっていきます。国道や県道を優先して通るナビとは異なるこの選択が功を奏し、246号に合流した時点でナビチームよりも30mほど先に進むことができました。
2台はしばらく246号を東進し、伊勢原市に入ります。
途中、地図チームドライバー(伊勢原市在住歴あり)の経験とカンにより、この先はしばらく混雑するという予想から工業団地入口交差点で抜け道を選択。小田急電鉄伊勢原駅周辺から東方に進み、小田原厚木道路を越えて、246号からは大きく離れる道を通ることとなりました。
地図チームはその後、厚木市と伊勢原市の境界にある長沼交差点で、県道22号線を東進し、都内に向かう県道45号線(中原街道)を進みます。しかしここで、戸沢橋の渋滞にハマってしまいます。
戸沢橋は相模川に架かる橋で、相模原方面から平塚方面に向かう国道129号や圏央道が付近を通るほか、周囲には物流センターも多く存在し、大型車の通行が多い橋です。そのため、慢性的に渋滞するポイントでもあります。
相模川を渡る橋は少ないため迂回するルートもなく、仕方なくノロノロ状態が続きます。実はこのとき、ナビチームも渋滞にはまっていました。
ひたすら246号を行くナビチームは相模川をとうに渡りきり、大和市の下鶴間トンネルを走行中です。こちらも慢性的に渋滞するポイントで、片側2車線のトンネルでノロノロ状態が続きます。
この時点で出発からおよそ1時間半が経過。ナビチームのほうが優勢となっています。
地図チームは戸沢橋の渋滞を通過し、藤沢市の新用田辻交差点からようやく中原街道に合流しました。いくらか流れの滞りはあったものの、横浜市都筑区周辺までは順調です。
その後、両チームとも休憩を挟みましたが、地図チームは川崎市高津区付近で渋滞に遭遇。助手席の編集部員は必死に抜け道を探そうと試みました。
しかし実際には道幅が狭く、通行が困難な道があったほか、詳細な現在地を調べるのに周囲の住居表示を探すなど手間取ったこともあり、やむなくそのまま渋滞を進むことに。
対するナビチームは先に多摩川を渡って東京都世田谷区に入り、慢性的に混雑する瀬田交差点や上馬交差点もスムーズに通過していました。
渋滞を抜けた地図チームも比較的ストレスなく中原街道を進み、綱島街道へ合流して都内に入ります。やや劣勢とはいえども、246号よりも東側を走行しているため、ゴールの東京駅は地理的には近く感じます。
■結果はどちらが早かった?
地図チームが東京駅丸の内口に到着したのは18時4分。3時間27分走行し、実走行距離は74.2kmでした。ナビチームはこの12分前にすでに到着しており、地図チームよりも3km弱短い71.4kmを走行しています。
検証結果は、混雑する一般道において地図やカンを頼りに走行することよりも、「ナビ絶対服従」のほうが少しだけ早いというものになりましたが、その差はわずかともいえます。
ナビを使うことのメリットは、現在地を見失うことがなく、ドライバーひとりで目的地まで行くことができる点と、地図を見ずに済むことで運転に集中できる点が挙げられます。
また、カーナビはクルマの道案内に最適化されているため、交差点や分岐、立体交差まで親切に案内してくれることもメリットです。
一方で、地図を見て走行することも決して「負けて」いるわけではなく、現在地からさらに広域を確認できる大きな地図のほうが俯瞰性に優れており、目的地を見つけやすいことに気づきます。
さらに、道幅や立体交差は表示されていませんが、バス停や右左折禁止などが明記されているほか、行き止まりとなる車止めの記載もあるなど、新たな抜け道を探すときに使いやすいと感じます。
土地鑑のある人はナビを操作するよりも、紙の地図を見て直感的に道を探すほうが早く着く場合もあるかもしれません。
加えて、地図では自車周辺の名所などもすぐに見つけやすいこともあり、ドライブのお供に携行しておけば、旅先のちょっとした寄り道などで役に立つこともありそうです。
※ ※ ※
ナビ・地図ともに、出かける前には複数のルートを選定しておいたほうが、予期せぬ通行止めなどに備えておくことができます。
また、運転しながらの注視は危険なため、道を確認する場合は安全な位置にクルマを停めて操作・確認をすることが重要です。
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みんなのコメント
一発で地図を理解して把握できるアタマなら実際ナビ不要だし。
地元の私道で道も広げてない
そこに馬鹿でかい都内ナンバーのランクルやアルファードが入り込んできてすれ違い出来ず困ってる
コイツら道がわからない上に
クルマを擦ったりしたくないから
異様にノロノロ
ふざけんな