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フォード・ブロンコvsジープ勢 新世代オフローダー 戦いの行方は?

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フォード・ブロンコvsジープ勢 新世代オフローダー 戦いの行方は?

「ギア」としての楽しみ

ジープとブロンコ、どっちが勝つのか?

【画像】どんなクルマ?【日本導入に期待高まるブロンコを見る】 全103枚

かなり思い切った命題だが、ブロンコが日本に正規輸入されていない現状では、ジープファンを含めて興味がある話題ではないだろうか。

本題に入る前に、市場/環境を俯瞰してみたい。

オフローダーといえば、長年に渡ってヘビーユーザーが需要の中核。そんなふうに思われてきた。

日本では90年代にRV(レクリエーショナル・ヴィークル)の需要が拡大した時期もあったが、当時はまだまだ乗用車ではセダンが主流であり、また軽自動車のシェアもいまのように全需の4割といった高い数値ではなかった。

それが、2010年代半ばから後半にかけて、日本を含めてグローバルでアウトドアに対するユーザーの考え方が柔軟になってきた。

環境問題に対する意識の変化や、自分なりの生き方を考えるライフスタイルが徐々に広まっていったことが背景にあるのではないだろうか。

さらに、時代は大きな転換期を迎えた。

2020年春から続く、コロナ禍がクルマの需要や、クルマ選びに対する消費者の意識に影響を及ぼし始めている。

キャンピングカー需要の拡大も並行するかたちで、本格的オフローダーを日常生活の中で「ギア」として楽しむ人たちが増加している。

そうした市場を牽引するのブランドの中で、とくに目立つのがジープとブロンコの躍進だ。

ブロンコ サプライスで復活

まずは、ブロンコについて見ていきたい。

ブロンコをいえば、60年代に登場したフォードのジープといったイメージのクルマだった。

だが70年代以降、そして80年代になると、いまでいうSUVライクなモデルとなるのだが、当時のフォードのラインナップの中ではけっして目立つ存在ではなかった。

90年代になると、ブロンコよりひと回り小さい、エクスプローラーが北米市場で大ヒットとなり、ブロンコの存在感がさらに弱まっていった。

筆者(桃田健史)は90年代、アメリカ中東部のノースキャロライナ州シャーロットに居住していたが、知り合いの多くがフォードだとミッドサイズSUVのエクスプローラー、またGMではフルサイズSUVのタホやサバーバンに乗っている人が多かった印象がある。

90年代から2000年代にかけて、アメリカ市場はさらなるクロスオーバー系SUVシフトのトレンドが強まり、結果的にブロンコはモデルとして消滅してしまう。

時は流れて、2017年1月の北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)。

毎年恒例のフォード特設の大規模記者会見施設で、「ブロンコ復活」が高らかにアナウンスされた。

事前通知のないサプライズで、筆者も発表現場でかなり驚いた。

フォードがオフローダー市場に再参入するという極めて大きな経営判断だった。

ブランドから切り離した戦略

ブロンコに対する驚きは、2020年の最新モデルの量産開始だけではなかった。

フォードとしては、ブロンコをモデルラインナップの1つではなく、ブランドとして独立させるような事業戦略を描いてきた。

現行フォードのSUV&クロスオーバーラインナップは、エコスポーツ、エスケープ、ブロンコスポーツ、ブロンコ、エクスプローラー、エッジ、マスタングマッハE、そしてエクスペディションとしており、ブロンコはカテゴリーとしてはコンパクトSUVとミッドサイズSUVの中間的な存在だ。

そのうえで、ブロンコをブランドとして切り離したマーケティング戦略を描いている。

とくに本格的なオフローダー対応として、アメリカ国内外に向けて新車オプション設定品や社外品を駆使した、かなり派手なカスタマイズをメディアを通じて露出している。

例えば2021年11月に米ラスベガスで開催された世界最大級の自動車アフターマーケットイベントのSEMAショーなどを通じて、ブロンコ固有の世界感を情報発信した。

パワートレインについては、現時点では電動化を強調することはせず、あくまでもライフスタイル系ブランドとしてのベーシックな訴求をおこなっている印象だ。

むろん、フォードがブロンコを通じてこうした事業戦略に積極的に出ている背景には、ジープの大躍進がある。

自己成長遂げるジープ勢

FCAジャパンの2020年1月から11月の累計販売台数は2万3837台と前年同期比で14%増となった。

また、PSAと融合して誕生したステランティスとしても、日本市場では同期で前期比14%となり、コロナ禍や半導体不足という厳しい市場環境の中で、ジープを筆頭として個性あるブランドの販売が堅調であることが証明されたといえるだろう。

FACジャパンのオンライン会見の中で、筆者を含む多くの報道関係者が驚いたのは、グランドチェロキーの平均顧客年齢が40代と高級SUVとしてはかなり若いことだ。

ラングラーを含めて、ジープユーザーはさまざまなイベントやSNSなどを通じて、ユーザー同士の横のつながりが強い。

ユーザー自らがジープのブランド価値を高めているような印象がある。

また、ジープでは電動化戦略として4xeを軌道に乗せており、プラグインハイブリッド車に次いでジープのバッテリーEV量産がこれから本格化していく。

今後、フォードとしてもジープ全盛の日本市場に対して、フォードの直接資本、またはパートナーとの連携でブロンコブランドとして日本再上陸の可能性も否定できないだろう。

ジープvsブロンコの図式が日本でも始まれば、この分野は市場が拡大し、ユーザーにとってさまざまな楽しみが増えていくことだろう。

今後の展開に期待したい。

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みんなのコメント

7件
  • ブロンコのオレンジ色2ドアが欲しいな。
    レッチリのバイザウェイのMVみたいに屋根を外して街中を走らせたい。
  • ランクル並みのサイズのエクスプローラよりもさらに上のサイズがあることに驚き
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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