現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 進化したFWDプレミアム・セダン──新型レクサスES300hバージョンL試乗記

ここから本文です

進化したFWDプレミアム・セダン──新型レクサスES300hバージョンL試乗記

掲載 51
進化したFWDプレミアム・セダン──新型レクサスES300hバージョンL試乗記

マイナーチェンジを受けた新型レクサス「ES300hバージョンL」に小川フミオが試乗した。

小さな改良、大きな進化

ロシアの長寿モデルがカッコいい!? ラーダ・ニーバの今

セダンというのはいいものだ。クルマにことさらトレンドを求めず、”王道”といえるセダンを好むひとには、改良された新型レクサス「ES」はいいだろう。

そもそもおとなっぽい、品のよさを身上とするアッパークラスのセダンだったESが、さらにクオリティをあげて、8月26日に販売開始された。

今回乗ったのは「ES300hバージョンL」は、しっとりした乗り味を好むひと向けのセダンで、2487cc直列4気筒ガソリンエンジンとモーターを使ったハイブリッドシステムを搭載している。

このパワーユニットとサスペンションとステアリング、どれもバランスがよい。

ホイールベースがそもそも2870mmもあるのにくわえ、スペース効率にすぐれる前輪駆動の強みを活かしただけあって、室内は前後席ともスペースはたっぷり。

2018年に発売された現在のESは、フラッグシップの「LS」があるだけに、やや存在感が薄いものの、それでも、おなじ前輪駆動主体のセダンであるアウディ「A6」を35mm上まわる4975mmの全長をもつボディといい、内容的にはみるべきものがある。

今回のマイナーチェンジでは、リアサスペンションのメンバーブレースの剛性を高め、高速道路でのレーンチェンジの際などの操縦安定性を向上させたのがセリングポイントなっている。

じっさいにドライブすると、従来とくらべ、低速から高速まで広い範囲の速度域での操縦性があきらかに向上していると感じられた。これまでに最新のレクサス車やトヨタ車のところでも触れているとおり、いってみれば“ほんのすこし”という範囲での操作領域でコントロール性がうんと向上しているのだ。

アクセルペダルの踏みこみ量を、ほんのすこし戻したときの速度の落ち方とか、切り込んだステアリング・ホイールをほんのすこし戻したときの操舵感覚とか、そういう領域で、運転者のからだと車両とがつながっているように感じられる。

ブレーキでも、電子制御ブレーキシステムの制御定数を変更し、ブレーキのコントロール性を向上させたのが、今回のESの特徴のひとつとしてあげられている。くわえて、ブレーキペダルのリンク構成内のブッシュ取り付け方法を見直したことで、ペダルの横方向の剛性感を上げたそうだ。

クルマは、ほんのすこし手を入れるだけで、驚くほどフィールが向上するもの。レクサスというと、LSやISのテコ入れが(すくなくとも個人的には)印象に残っていたものの、こうして、ESにきちんと改良が加えられているのは、やはり喜ばしい。

意外とスポーティ

ESのバージョンLはどちらかというと後席重視仕様であるものの、だからといってドライバーズシートが退屈というわけではない。1970年代のジャガーなど英国の大型車を運転したときの感覚がこうだったかなぁ、と、思い出した。

細かいところでいうと、超をつけたくなるほど複雑な断面形状が連続するステアリング・ホイールを握ったときの感覚や、右か左に操舵して車両が動くときの反応など、ていねいにできていて「ますます熟成したなぁ」という感を強くした。

ハイブリッド・ユニットは、1720kgの車重をまったく意識させないパワーだ。鋭い加速が欲しいときは、円筒形のドライブモードセレクターをまわして「スポーツ」を選択するとよい。エンジンが活発にまわって、アクセルペダルを介して右足と車両がつながっているように、トルクが思うようにコントロールできるのだ。

ハイブリッドなので、ついついエコモードを意識してしまうものの、ES300hバージョンLはスポーツモードで操縦すると、さきに触れたリアサスペンションの見直しをはじめ、おそらく各部が細かく微調整できていて、その素性のよさがビンビンと伝わってくるかんじだ。

「目標としたのは、ESの持つ上質さを深化させるとともに新たな価値を付加することです。静粛性と乗り心地をより一層向上させるとともに、ステアリング操作に対してドライバーの意図した通りにクルマが動くリニアリティを追求」したというLexus Internationalの青木哲哉チーフエンジニアの言葉が、最初に配られたプレスリリースに掲載されている。

試乗していて、なるほどなぁ、と、思った。

落ち着いたインテリア

さらにあたらしいESでは、フロントグリルのメッシュの意匠が変更された。また、一部車種に設定される3眼ランプにはハイビーム走行中も対向車や先行車を幻惑しない「ブレードスキャン・アダプティブハイビームシステム」を採用している。上下幅も薄くなり、観た目の精悍さをねらったという。

安全装備としては、単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上が謳われる。昼間の自転車や夜間の歩行者も検知可能な「プリクラッシュセーフティ」の対応領域を拡大し、交差点右折前に前方から来る対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知可能になったそうだ。

その効果については、今回の試乗では判断できなかったものの、オプション装備の「デジタルアウターミラー」(22万円)と「デジタルインナーミラー」(11万円)の性能は、大きく上がったように感じた。

画素数が増えて、映し出されるイメージがよりクリアになった。アウディ「e-tron」などの輸入車が採用するデジタルミラーより、いまのESは上をいっていると思う。

試乗車はしっとりした手ざわりのレザー張りで、表皮のカラーは今回新設定された「モーブ」(灰色がかった紫色)で、地味派手とでもいうべき、なかなかよい色だった。

色も素材も、全体に落ち着く室内のつくりである。このあたりの見極めは、レクサスのデザイナーの面目躍如たるものがあるかもしれない。

ESは、2.5リッターハイブリッドに前輪駆動システムの「ES300h」のみの設定。

試乗車は「ES300hバージョンL」(715万円)だ。グレードはその下にベースグレード「ES300h」(599万円)と、スポーティな「ES300h Fスポーツ」(651万円)がある。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

約293万円! マツダ新「MX-30」発表! ロータリーエンジン採用&旧車デザイン×豪華内装モデルも追加! 斬新ドアもイイ「小さな高級車」が販売店でも話題に
約293万円! マツダ新「MX-30」発表! ロータリーエンジン採用&旧車デザイン×豪華内装モデルも追加! 斬新ドアもイイ「小さな高級車」が販売店でも話題に
くるまのニュース
コンパクトスポーツの“日本代表”「GRヤリス」「GRカローラ」はどう違う? 2台のホットハッチをスペックで比較してみた
コンパクトスポーツの“日本代表”「GRヤリス」「GRカローラ」はどう違う? 2台のホットハッチをスペックで比較してみた
VAGUE
「心躍るじゃねーか!」スズキの新型『DR-Z4S/SM』、発表から1か月もSNSでは期待つのるばかり
「心躍るじゃねーか!」スズキの新型『DR-Z4S/SM』、発表から1か月もSNSでは期待つのるばかり
レスポンス
デコトラも自家用車にすれば自由度はケタ違い! いま特殊車両登録にして楽しむオーナーが増えていた
デコトラも自家用車にすれば自由度はケタ違い! いま特殊車両登録にして楽しむオーナーが増えていた
WEB CARTOP
タカラトミー、新年祝う「百福トミカ」6種を発売へ…12月28日
タカラトミー、新年祝う「百福トミカ」6種を発売へ…12月28日
レスポンス
“ランエボ”を彷彿とさせるSUVは上質だった──新型三菱アウトランダーPHEV試乗記
“ランエボ”を彷彿とさせるSUVは上質だった──新型三菱アウトランダーPHEV試乗記
GQ JAPAN
フェルスタッペンが語る自身の将来。現行契約は満了へ「今に満足している。あまり深くは考えていないけどね!」
フェルスタッペンが語る自身の将来。現行契約は満了へ「今に満足している。あまり深くは考えていないけどね!」
motorsport.com 日本版
【中国】ホンダ新型「イエGT」実車展示! “レッド内装”が超カッコイイ! 異形ハンドル&四輪初の“画期的”モニター採用! 最新型「“スポーティ”セダンコンセプト」登場
【中国】ホンダ新型「イエGT」実車展示! “レッド内装”が超カッコイイ! 異形ハンドル&四輪初の“画期的”モニター採用! 最新型「“スポーティ”セダンコンセプト」登場
くるまのニュース
ホンダ『ステップワゴン』、ユーザーが最も注目した中古車に輝く… 『カーセンサー』
ホンダ『ステップワゴン』、ユーザーが最も注目した中古車に輝く… 『カーセンサー』
レスポンス
佐藤琢磨に訊く“息子”佐藤凛太郎のHRSスカラシップ獲得。父親として、そして同スクールの校長として……
佐藤琢磨に訊く“息子”佐藤凛太郎のHRSスカラシップ獲得。父親として、そして同スクールの校長として……
motorsport.com 日本版
本田宗一郎との約束を果たした2ストロークマシン「RC500M」世界一への道程
本田宗一郎との約束を果たした2ストロークマシン「RC500M」世界一への道程
バイクのニュース
[car audio newcomer]ホンダ プレリュード(山澤秀明さん)by Warps
[car audio newcomer]ホンダ プレリュード(山澤秀明さん)by Warps
レスポンス
メルカリ、陸送のゼロと業務提携 中古車取引の名義変更の代行や検査・輸送を支援
メルカリ、陸送のゼロと業務提携 中古車取引の名義変更の代行や検査・輸送を支援
日刊自動車新聞
「オーラが凄い…」 3000万円の超豪華セダン「トムス センチュリー」に驚きの声! 誰もが二度見する“存在感”がスゴイ! 超スポーティなトヨタ「究極のセンチュリー」とは!
「オーラが凄い…」 3000万円の超豪華セダン「トムス センチュリー」に驚きの声! 誰もが二度見する“存在感”がスゴイ! 超スポーティなトヨタ「究極のセンチュリー」とは!
くるまのニュース
『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part III』のデロリアン、アオシマの1/24プラモデルに
『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part III』のデロリアン、アオシマの1/24プラモデルに
レスポンス
MSJが初めて横浜へ。JAFモータースポーツジャパン2025、山下ふ頭で3月22~23日開催決定
MSJが初めて横浜へ。JAFモータースポーツジャパン2025、山下ふ頭で3月22~23日開催決定
AUTOSPORT web
なぜロールス・ロイスが本社周辺の歩道417号を整備?…本拠地の拡張プロジェクトのために地域社会と良好な関係を築く必要性があるようです
なぜロールス・ロイスが本社周辺の歩道417号を整備?…本拠地の拡張プロジェクトのために地域社会と良好な関係を築く必要性があるようです
Auto Messe Web
トヨタ「MIRAI(ミライ)」一部改良!精悍さ際立つオプション「ブラックパッケージ」も設定
トヨタ「MIRAI(ミライ)」一部改良!精悍さ際立つオプション「ブラックパッケージ」も設定
LE VOLANT CARSMEET WEB

みんなのコメント

51件
  • すべての性能がアウディの20年遅れw

    トイペット・レクカス
  • 高額車のくせにFFで官能性ゼロのトヨタエンジンとラバーバンドフィールでつまらないCVT標準装備のロッテリアマークw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

430.0498.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索
LSの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

430.0498.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村