NAのHA23アルトにK6Aターボをスワップ!
新規格軽自動車によるレースとして人気の「東北660シリーズ」。ターボ車だけで争われる「ターボGP」にスズキ「アルト」で参戦するベテランドライバーを紹介します。こだわりを投入しているマシンメイクの秘密とは?
軽自動車スズキ「アルト」でレースに夢中になる理由とは? 30年のベテランだからこそ「無事故で帰宅する」という重要なタスクを完遂中です
数年の参戦休止を乗り越え再びエントリー
極端なパワーアップは耐久性が低くなりそうで心配、チューニングより走り込みにお金を多く使いたい。しかしノーマルよりもう少しだけ力強さが欲しい。そんな人に最適なのが「東北660ターボGP」の2クラスだ。
2クラスは1クラスと同じく社外タービンへの交換が認められているが、ハイフローなど小さめのタービンに限られており、パワーも無制限の1クラスに対して100psが目安とされている。純正タービン限定の3クラスがマンネリ化した人や、ワンランク上のパワーが欲しくなった人を対象とし、コストと速さのバランスに優れたクラスといっていい。
そんな2クラスで活躍するドライバーのひとりが、今シーズンの開幕戦で優勝を遂げた大柴泰我さんだ。以前は新規格NAの「東北660選手権」にエントリーしていたが、数年間の休止を経てターボ化した愛車のHA23型スズキ「アルト」で復活。満を持して再デビューした彼のマシンメイク、そして今後の目標などをインタビューした。
以前から何かしらのレースに出たいとは考えており、そんなときにSNSで東北660シリーズの存在を知ったという大柴さん。HA23アルトのカタログモデルにはNAしか存在しないが、ワゴンRなどには同じエンジン型式のターボ仕様があり、載せ替えてターボGPに参加している車両は昔から多い。
「フォレストモータース」で製作した大柴さんのアルトも同じ手法で、タービンはノーマルからFTB06MFのA/R6.5に交換した。制御は書き換えた純正ECUにサブコンを組み合わせ、レギュレーションが定める100ps以内に収めている。
2024年3月に行われた開幕戦では予選こそ2番手に甘んじたものの、決勝はL802S型ダイハツ「オプティ」の舟山 康選手を破りトップでチェッカーを受けた。復帰戦を最高の形で締め括った大柴さんはさらに上を目指し、第2戦ではインタークーラーを前置きに変更すると同時に、タイヤをインチダウンすることでギヤ比の最適化を狙った。
また作戦面では終盤までタイヤとブレーキを温存しながら、後続車に追い付かれた際はペースを上げて引き離しにかかり、逆に追う立場なら隙あれば抜く余力を持たせるようにした。
まだまだ進化させたいポイントがある!
まだ肌寒かった開幕戦と異なり気温も湿度も高く、ターボ車にとっては辛いコンディションだった第2戦。優勝は3クラスで圧倒的な速さを誇りステップアップしてきた、松山雄大選手のスズキ「カプチーノ」に奪われるが堂々の2位でフィニッシュした。
なお今回は冷却系のキャパシティが足りないと感じたようで、大容量ラジエーターやオイルクーラーの装着を視野に入れているという。もうひとつはパワーを活かすための駆動系だ。ふたつの長いストレートを持つスポーツランドSUGOならさほど影響はないが、エビスサーキットは西コースも東コースも機械式LSDによる恩恵が非常に大きい。シーズン後半戦に向けてどうモディファイしてくるか楽しみだ。
2024年の2クラスは現時点で大柴さんと松山選手がそれぞれ1勝を挙げており、第2戦はトランスミッショントラブルで戦線離脱した舟山選手も黙っていないだろう。なおHA36「アルトワークス」および「アルトターボRS」とLA400K型ダイハツ「コペン」、ホンダ「S660」にも続々と2クラスに適合するタービンが登場しており、来年は3クラスからの卒業を公言するドライバーも少なくない。
* * *
ブーストアップを超えるパワーでありながら、意外と製作コストが安く手軽に遊べる2クラス。くたびれた純正タービンのリフレッシュを兼ね、アンダー100ps仕様を作ってエントリーするのもオススメだ。
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みんなのコメント
顔面をこの写真と同じHA23に換えて、当時「イマ風」にしてました。
ボンネットに大袈裟なエアインテークが開いていたのは時代を感じます。
SOHC2バルブヘッドのF6Aは低速トルクが有って乗り易かったのを覚えています。