レクサスが力を入れている分野と言えばSUVであろう。それこそ初代レクサスRX(日本名ハリアー)が世界を変えたとまで言われるが、2018年冬に登場のレクサスの新型SUV、UXはいったいどうだろうか?
RX、NXに次ぐレクサスSUVの末っ子。競合はBMW X1/X2、ベンツGLA、アウディQ3と実力は揃い。
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プレミアムSUVの元祖はいったいどう戦うのか? 飯田裕子さんがレポートします。
文:飯田裕子/写真:レクサス
ベストカー2018年10月26日号
■ベースとなるC-HRとはなにが違う?
近年ますますマーケットが拡大しているSUV。
なかでも国内外問わず増殖傾向にあるコンパクトクラスは2018年に入ってからも欧州プレミアムメーカーのボルボXC40やBMW X2、ジャガーEペースなどが上陸を果たし、日本の道路事情や価格帯を考えても選びやすいこのクラスは一層、ホットな激戦区の様相を呈している。
そんななかに2018年冬、今年最後の注目車種となるであろう国産プレミアムブランド レクサスのUXが加わることになる。
ストックホルムで試乗してみると、開発コンセプトを「アーバン・クリエイティブ・エクスプローラー」とするUXは、走りにもデザインにも新しさや上質さ、そして個性が感じられる仕上がり。
と、ココでベストカー編集部から問われたのはC-HRとの違いだ。レクサスUXはC-HRに採用されているTNGAプラットフォームをGA-Cプラットフォームと名付けレクサスとしては初採用をしている。
またボディの高剛性化/低重心化のためにレーザースクリューウェルディング、構造用接着剤をよりふんだんにかつ積極的に採用し、さらにバックドア開口部の環状構造を施し強化、軽量化にはアルミや樹脂のボディパネルを適材適所に使用している。
このように土台を作っておいて、さらにサスペンションもUXのために新設。直4、2L直噴エンジン+ダイレクトシフトCVT、直4、2L直噴エンジン+ハイブリッドシステムの2タイプのパワートレーンも新開発されている。
単に新しさで価値を表す必要はないが、少なくともこれらによってUXがライバルたちともほかのレクサスとも異なるドライバビリティを与えられているのは間違いない。
一言で言うなら"洗練さ"だ。走り出しから低重心ぶりを腰下で安定感とともに感じられ、相応しいハンドル操舵の重さが与えられている。
乗り心地についても細かなザラつきは抑えられ、ガツン/ゴツン系の路面の繋ぎ目や街中の速度減速バンプ通過も丸く収める。
静粛性の高い室内でそれらがより乗り味の上質さを強めているのだ。パワートレーンについては2Lガソリンに採用されるダイレクトシフトCVTに発進時ギヤが追加されワイドレンジ化を実現。
走り出しのスムーズさもさることながら幅広い走行領域でのスムーズな繋がりと欲しいトルクを意のままに得られる感覚が頼もしい。
一方のハイブリッドモデルも動力的な不満がないばかりか、個人的に"モーター+エンジン"走行時のエンジンの振動や音が気になるモデルが多かったのだが、それらがキレイに払拭されていた。聞けば、ハイブリッドシステムも進化しているという。
ハンドリングの印象は滑らかでドッシリと構えるボディをひと塊感があるまま運転席を中心に走らせることができる。高速道路の出入り口のカーブで滑らかに走りを進めるUXとの一体感は日本でも充分に味わえるだろう。
■運転席に収まる感覚はクーペのようだ
さらにこれらを活かすダイナミックなフォルムとキャビンのデザインにも注目だが、UXは特に運転席まわりの造形が重要な"キー"となる。
地上高はC-HRよりわずかに高く実際の着座位置もそれなりに高いはずなのに、運転席に収まる感覚はクーペのように低い。
ダッシュボードの高さを低く抑え視覚的な"ぬけ"がとてもいいうえに、包まれ感も充分な点が独特なのだ。
安全装備はより進化したレクサス・セーフティシステム・プラスを搭載。後席スペースは充分な広さを保つが特別なサイズではない。
が、乗降性は前後席とも申し分なし。ラゲッジスペースが少々物足りないが、これはリアデザインにこだわったためだそうで、そういう割り切りとこだわりが個性を生む。
試乗を終えて欧州プレミアムブランドのライバルたちの顔が浮かぶも、どれ一つとして似ているものはいない。
あとは国内ブランドらしい日本で買えるプレミアムモデルらしい価格であれば……、そう願うばかりであった。
【発売時期 & 価格詳細 ~Web編集部まとめ~】
ベストカーWeb独自の調査によると発表は2018年11月27日の予定。価格帯はガソリンが390万円~474万円、ハイブリッドが425~509万円(2WD)、451万円~535万円(4WD)になりそう。
12月上旬から展示になりそうだが、そこからの申し込みになると年内の納車はかなり厳しい。
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