現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > じつは回生ブレーキを全開で使うとタイヤがロックするほどの減速も可能! 将来的にEVからブレーキペダルが消える可能性はある?

ここから本文です

じつは回生ブレーキを全開で使うとタイヤがロックするほどの減速も可能! 将来的にEVからブレーキペダルが消える可能性はある?

掲載 18
じつは回生ブレーキを全開で使うとタイヤがロックするほどの減速も可能! 将来的にEVからブレーキペダルが消える可能性はある?

多くのEVはワンペダルドライブが可能

電気自動車(EV)で、エンジン車とまったく異なる最大の機能は、減速時の回生だろう。回生とは、モーターと発電機が同じ機構であることから成り立つ機能だ。

EVで電費を上げるコツはまず「モーターの種類」を知ること! 「滑空」と「回生」のどちらが効率的かはクルマによって異なる!!

モーターに電気を供給すると、駆動力を生み出す。そしてクルマが走る。鉄道では、これを力行と呼んでいる。

一方、走っているEVのモーターへ、電気の供給を止めると、速度という運動エネルギーがモーターに与えられることになり、モーターは発電機に切り替わり、回生をはじめる。

回生とは、生き返るという意味で、英語ではregeneration(リジェネレイション)といい、EVでは発電の意味になる。EVを走らせるため、モーターとして電気を消費したけれど、減速するときは回生によって電気が生み出されるので、生き返る……ということになる。

ただし、使った電気のすべてが生き返る=発電できる(戻せる)わけではない。

回生が働くとき、減速させる抵抗が生じる。それは、モーターを構成する回転子(ローター)と固定子(ステーター)が、それぞれ磁石として磁力をもち、互いに影響しあって回転を止めようと働くからだ。この抵抗による減速を、速度を下げるために使うのが、回生ブレーキと呼ばれる効果だ。そこから、アクセルだけのワンペダルによる運転操作が可能になる。

運転者が、停止線までの目測をあやまらず、適切にアクセルペダルを戻していけば、ブレーキペダルを踏むことなく停止できる。ただし、国産EVでは、停止できないよう行政指導が行われている様子で、回生の機能を活かしきれていない。

では、機能としてブレーキペダルを使わずに停止まで減速していけるなら、ブレーキは不要になるのか。

じつは、上手な回生の利用により、ペダル踏み替えを90%近く減らせるといわれる。EVではないが、EV技術を基にした日産のハイブリッドシステムであるe-POWERは、モーター駆動であるため、ワンペダル的な操作を可能にするe-POWERドライブを設けている。これを利用すると、ペダル踏み替えを70%減らすことができ、操作に熟練すれば90%近くに減らすことも可能だと日産は説明する。

そのうえで、回生+ブレーキホールドにより、停止まで可能な制御にすれば、運転中にブレーキペダルを踏んで減速や停止する場面は、限りなく減らすことができるだろう。

しかし、それは通常の運転をしている場合の話で、さらに、ワンペダル操作を身に着けた運転者の場合であって、ワンペダル操作に不慣れであったり、緊急の危険回避が必要であったりする際は、やはりブレーキの存在が不可欠だ。

電車が普及した鉄道でさえ、回生だけで運行されているわけではなく、車両には必ずブレーキ装置が備わる。

現状EVの回生効果は100%に設定されていない

それはそれとして、では、回生を最大に活かすとどれくらいの減速になるのか。

かつて、米国のEVベンチャー企業であるACプロパルジョンを取材した折、回生効果をダイヤル式スイッチで0~100%まで任意に切り替えられる試作車を試運転したことがある。

回生を利かせない0%では、まさに言葉どおり滑空するような滑らかな走りになる。当然、減速や停止はブレーキに頼る。

逆に、100%にしてアクセルペダルを戻すと、体が前へつんのめりそうになるほど強烈な減速が働いた。たとえるなら、エンジン車の1速ギヤで全力加速をしたあと、アクセルを一気に戻したような強烈なエンジンブレーキの様子に近い。

つまり、緊急時に回生を100%きかせると、急ブレーキに近いような効果を得ることが不可能ではないだろう。ただし、通常の運転では回生が強すぎてしまうので、市販EVは回生効果を最大の強さにしても、100%の設定ではないはずだ。

将来的に自動運転が可能になり、センサーで緊急事態を検知したとき、回生を100%きかせる制御ができるようになれば、場合によってブレーキ装置はなくても対処できるかもしれない。

その際、機械的な接触がなく、磁力で加減速するモーターは、自然にABS(アンチロック・ブレーキ・システム)や駆動力制御(トラクション・コントロール)的な働きが機能するので、回生の依存度を高めたほうが、路面状況に適した安定した減速と停止できるのではないか。

それでも、万にひとつという懸念は払拭できないだろうから、ブレーキは補填機能として残ることになっていくのではないか。ちなみに、フォルクスワーゲンID.4は、エンジン車に比べブレーキへの依存度が低くなるので、後輪側をドラムブレーキにしたと説明している。

ところで、回生を使ったワンペダル操作で停止までできない現状について、ブレーキペダルを踏まずに止まることは、運転操作として不都合だとの意見がある。

しかし、ならばなぜアクセルペダルを踏んでいないのにクルマが動き出す、クリープは許されるのか。あるいは、なぜブレーキペダルを踏んでいないのに停止し続けるブレーキホールドが許されるのか。ワンペダル操作で停止までできなくする理由と、クリープやブレーキホールドが認可されることとの論理的整合性はない。いわば二重基準(ダブルスタンダード)ではないか。

EVであるなら、回生とブレーキホールドを活用し、ワンペダルで減速から停止まで可能な機能が認可されるべきだ。

そのワンペダル操作は、適切な助言を得て試せば、5~10分で当たり前の操作として身に着けることができることを、EV試乗会で実証済みだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

BYDがまさかの水平対向エンジンを搭載! 誰も追いつけないバカッ速セダン「U7」の驚異の中身
BYDがまさかの水平対向エンジンを搭載! 誰も追いつけないバカッ速セダン「U7」の驚異の中身
THE EV TIMES
後ろに引っ張られるようなバイクの「エンジンブレーキ」 ライダーの味方か敵か? そもそもその仕組みとは
後ろに引っ張られるようなバイクの「エンジンブレーキ」 ライダーの味方か敵か? そもそもその仕組みとは
バイクのニュース
AT車は信号待ちで「N」に入れないほうがいい理由と事情
AT車は信号待ちで「N」に入れないほうがいい理由と事情
ベストカーWeb

みんなのコメント

18件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499 . 9万円 648 . 8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

302 . 8万円 498 . 0万円

中古車を検索
フォルクスワーゲン ID.4の買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

あなたの愛車、今いくら?

申込み最短3時間後最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!

あなたの愛車、今いくら?
※1:本サービスで実施のアンケートより (回答期間:2023年6月〜2024年5月)
メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499 . 9万円 648 . 8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

302 . 8万円 498 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

あなたの愛車、今いくら?

申込み最短3時間後最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!

あなたの愛車、今いくら?
※1:本サービスで実施のアンケートより (回答期間:2023年6月〜2024年5月)
メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村

carview!新車試乗予約