■初代、2代目ともにめちゃトガっていた「ホンダZ」
アメリカのカーオークションサイト「Bring a Trailer」において2024年6月23日、1998年式のホンダ製「軽SUV」が1万4000米ドル(約220万円)で落札されました。
今では車名も消滅した26年前のモデルですが、一体どのようなクルマなのでしょうか。
【画像】めちゃカッコいい! ホンダ「“斬新”軽SUV」を画像で見る(30枚以上)
アメリカの3ピース(3人組)ロックバンド「ZZ Top」が専用に制作したノリの良いBGM「♪ホンダZ、Z、Z」が耳に残っている人も多いでしょう。
アメリカのオークションサイト「BRING A TRALER」に、懐かしいホンダ車が出品されています。
日産でもない、カワサキでもない、ホンダの「Z」です。Zはホンダがかつて販売していた軽自動車で、初代は1970年に登場しました。
初期型のグレードは5種類。空冷エンジンに4速のMTを搭載したのが基本パッケージですが、最上級には5速の「ドグミッション」が採用されていました。
ドグミッションはバイクのミッションの基本的なものですが四輪では珍しく、ハイパワーに対応できることから、現在はモータースポーツ用として普及しています。
また初期型のエンジンは空冷でしたが、やがて水冷エンジンが搭載されます。
1973年までの短い生産でしたが、これだけでの紹介でも尖った性格を保つ軽自動車であったことがうかがえるでしょう。
そして今回オークションに登場したのは1998年に登場した2代目“Z”です。
2代目もまた尖った軽自動車でした。ボディはワゴンタイプですが、大径のタイヤを採用したことでSUVの雰囲気をも持っています。
エンジンは、最高出力64PS/6000rpm・最大トルク9.5kgm/3700romを発生する660cc直列3気筒 DOHC12バルブターボエンジンを採用(自然吸気仕様も存在)。駆動方式はフルタイム4WDとなっています。
そして尖っている点はエンジンの搭載位置です。通常の軽自動車は、車体の最前にエンジンを配置するのがセオリーですが、2代目Zはミッドシップに搭載しました。
ミッドシップレイアウトは、「NSX」や「S660」といったスポーツモデルが、運動性能を高めるために採用する方式です。これにより、SUVとしての走破性とともに、腰高の軽自動車らしからぬ運動性能をもつ珍しいモデルとなりました。
このようなパッケージは、2024年現在の軽自動車にはありません。
今回出品された個体は、Zが発売された1998年式のものです。走行距離は15万8000kmと過走行気味なのですが、ボディや内装、エンジンルームはきれいな状態が保たれています。
内装はノーマルの状態で、オーディオはパイオニアのものを装備。400Wのサブウーファーも搭載しています。
外装に多数のカスタムが施されているのがこの個体の最大の特徴でしょう。
エンケイの15インチホイールと、トーヨーのオフロード向けタイヤが、タフな四輪駆動車感を高めています。
また、LEDライトを備えたルーフレールは、カスタムメイド品とのこと。トップケースもサードパーティ製のようですが、その色や取り付け位置がZのスタイルや雰囲気に違和感なく溶け込んでいます。オーナーのこだわりが見て取れるポイントです。
さらに左右ドアの前方に貼られたステッカーもカスタム感を高めています。貼る順番や位置も、メーカー名に合わせて調整されているように見えます。これまで大事に乗り維持してきたことがうかがえます。
ちなみにヘッドライトはLEDに換装済み。テールランプもスモークタイプに変更され、ボディ全体的にカラーの調和が取れています。
※ ※ ※
この個体は1万4000ドル(約220万円)で落札されました。入札数は62件あり、人気を集めたようです。
ミッドシップレイアウトの4WDを採用したクルマは世界的に見ても珍しいものです。それが日本独自の軽自動車規格であれば、なおさらレアです。
220万円という値段は、現在販売される軽自動車の上級仕様の新車価格に相当します。26年前に製造されたZには、それだけの価値があるということです。
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みんなのコメント
もう少しクルマについて学んでから書いたほうがいいぞ。