現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 販売台数わずか60台! 「ケンメリ」よりさらに激レアな「スカイラインスポーツ」の驚くべき中身

ここから本文です

販売台数わずか60台! 「ケンメリ」よりさらに激レアな「スカイラインスポーツ」の驚くべき中身

掲載 更新 10
販売台数わずか60台! 「ケンメリ」よりさらに激レアな「スカイラインスポーツ」の驚くべき中身

ワールドプレミアはトリノショーで行われていた!

 今はなき「プリンス自動車」が生み出した名車は多いが、そのなかでもスカイラインは現在にも続く、代表格だ。その連綿と続く系譜のなかで、亜流ともいえる存在がスカイラインスポーツだ。スカイラインの名前が付いてはいるものの、そのデザインはまったく別物。クルマ好きの方ならご存知のように、丸目4灯の強烈なつり目で、リヤはテールフィンをうまく取り入れたスタイルだった。

こんな「個性的」だったとは! 今見ると「刺さりまくる」デザインの日産の旧車11選

 1960年に発表されたモデルなのだが、当時の日本車としては斬新かつ最先端のデザインで、それもそのハズで手がけたのは、イタリアのデザイナー、ジョバンニ・ミケロッティだった。ちなみに日本車初のイタリアンデザインでもある。 プリンスは当時、小規模のメーカーではあったが、イタリアにデザインを頼むことを模索して、留学していた社員に依頼先模索を打診。ピニンファリーナなどイタリアの有名カロッツェリアにしても、海の物とも山の物ともわからない日本の自動車メーカーを相手してくれず、門前払いだったところ、唯一相手にしてくれたのが、ミケロッティだった。こちらもカロッツェリアとはいえかなり小規模で、この点でも共通するところはあったし、それゆえプリンスの相手にもなってくれたようだ。

 ミケロッティの作品は、ほかのメーカーではトライアンフではかなりのモデルをデザインしたし、戦後におけるBMWの危機を救ったノイエクラッセと呼ばれる新シリーズを手がけている。またスカイラインスポーツの直後には日野のコンテッサもデザインするなど、小規模ながらかなりの活躍をしている。

 デザイン的な特徴としては、スカイラインスポーツにも採用されている「チャイニーズアイ」と呼ばれるつり目や、クリーンで伸びやかなサイドからリヤにかけてのラインなどがあり、斬新さと手堅さをうまく両立されている点にある。奇抜ではないけど、新しさを感じさせるデザインだ。 スカイラインスポーツについては、日本初の本格的スポーツカーを目指すという目的での依頼であり、実際にそうなったのだが、ノウハウがないだけに試作車の製作はイタリアで行なったため、発表はトリノショーとなったというのが経緯だ。当初はコンバーチブルだけ作る予定でクーペがあとから追加されたとされている。

コンバーチブルモデルもあったスカイラインスポーツ

 いずれにしても、1961年の東京モーターショーでの国内発表を経て、1962年に市販を開始したときにはクーペとコンバーチブルの2タイプが用意された。ちなみにショーモデルと市販モデルとは細かいところが異なっていた。また、この東京モーターショーの際には、ショーモデルとしてプリンススポーツという流線型のクルマもミケロッティが手がけて出品している。 ベースとなったのはグロリアで、エンジンはGB4型と呼ばれる1900ccの直列4OHVで94馬力を発生。当時としてはまずまずの性能で、150km/hという最高速度は日本車最速だったが、車重は1365kgもあったことから、スポーツカー的なキビキビ感には欠けていたというのが実際だ。第1回の日本グランプリには2台が出場しているし、アルペンラリーにも参戦していて、成績はそこそこといったところだった。

1台1台手作業で生産がなされていた

 市販化されると、そのボディは手作業で作られ、イタリアから職人をプリンスの工場に呼んで指導してもらいながら作られていた。それもアダとなって、価格はクーペは185万円で、コンバーチブルは195万円となり、これはクラウンの2倍弱にもなる価格で、トータルで売れたのは60台ほどと、結局販売的には大失敗だった。ちなみにクーペが35台で、コンバーチブルが25台とされているが、諸説はある。

 販売的には失敗とはいえ、カーデザインとはなにかを本場イタリアとの実際のやり取りで吸収できたのは大きな収穫だったし、ボディ製作でも得る物が大きく、その後の市販車やレース車両に活かされているだけに、無駄ではなかったのは確実だ。

こんな記事も読まれています

1000万円超え!? ホンダ新型「シビック“タイプR”」公開! 320馬力「直4」×MTのみ設定! 迫力エアロがカッコイイ「グループA」比国に登場
1000万円超え!? ホンダ新型「シビック“タイプR”」公開! 320馬力「直4」×MTのみ設定! 迫力エアロがカッコイイ「グループA」比国に登場
くるまのニュース
ランボルギーニの新型電動スーパーカー『テメラリオ』、英YASAの新開発モーター搭載
ランボルギーニの新型電動スーパーカー『テメラリオ』、英YASAの新開発モーター搭載
レスポンス
MotoGPのテスト中無線システム、バニャイヤ超辛辣な評価……使用拒否で「毎回ペナルティだろうね」
MotoGPのテスト中無線システム、バニャイヤ超辛辣な評価……使用拒否で「毎回ペナルティだろうね」
motorsport.com 日本版
[音を良くするコツをプロが指南]「スマホ」をシステムの中心に据えて良い音を楽しむ方法を伝授!
[音を良くするコツをプロが指南]「スマホ」をシステムの中心に据えて良い音を楽しむ方法を伝授!
レスポンス
3位&4位のフェラーリ、ドライバーたちに不満が残るレースに。サインツはピット指示に苛立ち、ルクレールは僚友に激怒
3位&4位のフェラーリ、ドライバーたちに不満が残るレースに。サインツはピット指示に苛立ち、ルクレールは僚友に激怒
AUTOSPORT web
レッドブル、今季の”最低地点”はイタリアGPだと振り返り「タイトルが遠ざかっていく瞬間だった」
レッドブル、今季の”最低地点”はイタリアGPだと振り返り「タイトルが遠ざかっていく瞬間だった」
motorsport.com 日本版
トヨタが2025年参戦体制を発表。ロバンペラが3冠目指しフルシーズン復帰、勝田を含む4名がフル出場へ
トヨタが2025年参戦体制を発表。ロバンペラが3冠目指しフルシーズン復帰、勝田を含む4名がフル出場へ
AUTOSPORT web
【WRC2025】トヨタ GAZOOレーシングはサミ・パヤリも加わり4台体制で挑む
【WRC2025】トヨタ GAZOOレーシングはサミ・パヤリも加わり4台体制で挑む
Auto Prove
100万円サポートクーポンが当たる!アルファロメオ、ブラックフライデーキャンペーンを実施中
100万円サポートクーポンが当たる!アルファロメオ、ブラックフライデーキャンペーンを実施中
LE VOLANT CARSMEET WEB
マヒンドラの新型電動SUV、最終ティーザー…11月26日デビューへ
マヒンドラの新型電動SUV、最終ティーザー…11月26日デビューへ
レスポンス
日産「新型セレナ」発売に反響多数! 「待ってました」「魅力的」 超スゴい「高性能4WD」&地上高アップの「イーフォース」追加へ! 待望の「性能向上モデル」14日発売
日産「新型セレナ」発売に反響多数! 「待ってました」「魅力的」 超スゴい「高性能4WD」&地上高アップの「イーフォース」追加へ! 待望の「性能向上モデル」14日発売
くるまのニュース
圧倒的な存在感!3.5リッターV6エンジン搭載の北米専用ミドルサイズSUV ホンダ「パスポート」がフルモデルチェンジ
圧倒的な存在感!3.5リッターV6エンジン搭載の北米専用ミドルサイズSUV ホンダ「パスポート」がフルモデルチェンジ
VAGUE
懐かしの肩パッド入りトップスがむしろ新鮮! 存在感抜群のコスチュームの「HELM LOYALZ」に会いに鈴鹿サーキットへGO!
懐かしの肩パッド入りトップスがむしろ新鮮! 存在感抜群のコスチュームの「HELM LOYALZ」に会いに鈴鹿サーキットへGO!
Auto Messe Web
PUBGモバイルとマクラーレンがコラボしたゲームを期間限定で無料配信
PUBGモバイルとマクラーレンがコラボしたゲームを期間限定で無料配信
Webモーターマガジン
全長4.9m超え! 国内“最大級”の新型「ステーションワゴン」発表! めちゃデカい「荷室サイズ」がサイコー! 圧倒的な“快適性”実現した新型「パサート」とは
全長4.9m超え! 国内“最大級”の新型「ステーションワゴン」発表! めちゃデカい「荷室サイズ」がサイコー! 圧倒的な“快適性”実現した新型「パサート」とは
くるまのニュース
NIO、第3のブランド「ファイアフライ」で小型EV市場参入へ
NIO、第3のブランド「ファイアフライ」で小型EV市場参入へ
レスポンス
“惨事”で終えたタナク「滑りやすいのは予想外」「彼はチャンピオンにふさわしい」/ラリージャパン最終日コメント
“惨事”で終えたタナク「滑りやすいのは予想外」「彼はチャンピオンにふさわしい」/ラリージャパン最終日コメント
AUTOSPORT web
ど派手なガルウイングだけど走ればガチもんのピュアスポーツ! 単なるSL300のリバイバルじゃない「SLS AMG」の韋駄天っぷり
ど派手なガルウイングだけど走ればガチもんのピュアスポーツ! 単なるSL300のリバイバルじゃない「SLS AMG」の韋駄天っぷり
WEB CARTOP

みんなのコメント

10件
  • チャイニーズアイ!ミケロッティデザインですね、美しい。
    某サイトで3,000万円オーバーで出ていますね。
  • ウルトラQ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村