ボルボEX30のEV性能を試す
ボルボのエントリーEVであるEX30 RWD Ultraで恒例の1000kmチャレンジを行いました。ボルボの最新EVがどれほどのEV性能を実現することができたのか。途中の電費や充電の様子を詳細リポートします。
“ボルボ史上最も小さな電気自動車”「EX30」が日本を狙い撃ち!? [ボルボEX30試乗記]
まず、1000kmチャレンジの前提条件は以下のとおりです。
*走行ルート
海老名SA下り(神奈川県) ↓ 加古川北IC(兵庫県) ↓ 海老名SA上り(神奈川県)
*走行条件
・途中充電のための停車以外はノンストップで海老名SA上りを目指す ・車内の空調システムはつねにONにして快適な状態をキープ ・追い越しなど含めて制限速度+10%までは許容 ・渋滞や充電エラー、充電渋滞など、車両の問題以外についてはトータルのタイムから除外 ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のEX30・19インチタイヤ装着の場合はズレがほとんどなかったので補正なし)
1) 海老名SA下り→浜松SA(150kW級急速充電器)
・走行距離:191.6km ・消費電力量:87%→29% ・平均電費:5.26km/kWh(190Wh/km) ・外気温:20~19℃
まず、検証の前提として、通常は海老名SA下りにて100%まで充電してから出発するのですが、EX30の場合、高電圧バッテリーの電圧が450Vをオーバーするため、チャデモ急速充電器で満充電状態まで充電することができません。よって87%での出発となっています。
まず注目していただきたいのが、EX30の充電残量の予測です。海老名SA出発時では、浜松SA到着時にSOC36%と予測されていたものの、実際の浜松SA到着時にはSOC29%。確かに予測よりも充電残量が7%少ない状態で到着したものの
・制限速度を最大でも10%ほどプラス走行を許容 ・120km/h制限の区間が大半の区間であるという点
この2点を含めると、かなり正確な充電残量予測であると言えるでしょう。
ところが問題は、浜松SAに設置されている150kW級急速充電器を使用したにもかかわらず、90kW級と同じ充電出力しか発揮できなかった点です。海外仕様では最大150kW級の充電出力に対応していることから、なぜ期待どおりの充電性能を発揮できなかったのか? 1000kmチャレンジの間に、できる限り多くの充電セッションを試みたいと思います。
2)浜松SA→草津PA(90kW級急速充電器)
・走行距離:194.1km ・消費電力量:68%→13% ・平均電費:5.65km/kWh(177Wh/km) ・外気温:19~15℃
2回目の充電スポットは草津PAです。これまでは2台同時充電が可能な90kW級急速充電器が1台設置されているだけでしたが、2024年度からはeMPの青いマルチが追加され、なんと8台同時充電が可能となりました。
今回使用したのは新型のeMP製ではなく、既設の新電元製。理由はブーストモードです。というのもeMP製の青いマルチの場合、充電時間が15分を経過すると、90kW級から50kW級へと充電出力を絞ってしまいます。ところが新電元製の場合、90kW級の充電出力を30分間持続することが可能なのです。
よって、同じ90kW級の急速充電器を使用しても、同じ充電時間で得られる電力量が異なるわけです。もちろん同じ充電料金を支払うのであれば、より多くの充電量を回復可能な新電元製を選びたいところでしょう。
約1000km走行の所要時間は11時間12分!
3)草津PA下り→加古川北IC(折り返し)→草津PA上り(90kW級急速充電器)
・走行距離:244.5km ・消費電力量:84%→8% ・平均電費:5.03km/kWh(199Wh/km) ・外気温:15~14℃
いよいよ折り返し地点を超えました。1000kmチャレンジの最長区間での平均電費は199Wh/kmと、RWDグレードのコンパクトSUVであることを考えると、想定よりも電費が悪いと感じます。今後、追加されるであろうAWDグレードではさらに電費が悪化することを考慮に入れると、電費性能はそこまで期待できないと感じます。
4)草津PA→浜松SA(150kW級急速充電器)
・走行距離:194.5km ・消費電力量:64%→4% ・平均電費:5.15km/kWh(194Wh/km) ・外気温:14~18℃
最後の充電スポットは浜松SA上りです。150kW級急速充電器を使用したものの、やはり行きと同じように90kWを超える充電出力を発揮することはできませんでした。よって、日本仕様のEX30の充電性能は、最大でも90kW級であるといえそうです。
ただし、それでも150kW級を使用する意義はあります。前述したとおり、eMP製の青いマルチはブースト仕様であるため、同じ充電時間でより多くの充電量を得られるのは150kW級の方だからです。
5)浜松SA→海老名SA(ゴール)
・走行距離:190.9km ・消費電力量:72%→5% ・平均電費:4.63km/kWh(216Wh/km) ・外気温:20~23℃
海老名SAの直前で走行距離1000kmを達成しました。海老名SAには充電残量5%で到着。この海老名SA到着時点での充電残量が少なければ少ないほど、最後の充電時間を短縮することができるわけですので、綿密な充電残量コントロールが求められるわけです。その意味においてはまずまずの充電残量コントロールを達成できたといえそうです。
トータルの所要時間は11時間12分と、私がこれまで行ってきた1000kmチャレンジの検証のなかでは平凡な記録となりました。
他方で、コンパクトSUVであるEX30の競合車種の結果を比較していくと、たとえば中国BYDのAtto 3は12時間27分と、かなりの差がついています。今回の一連の検証でも明らかなとおり、150kW級の充電性能を発揮することはできなかったものの、90kW級の充電性能を安定して発揮したことで、長距離を走行させたとしても、車両側の充電性能の問題によって到着時間が大きく前後するリスクがないため、安定感のあるEVであるといえるでしょう。
その一方で、やはり残念だったのは90kWを超える充電性能を達成できなかった点です。海外仕様では150kW級の充電出力に対応しており、充電時間の大幅な短縮が可能です。なぜ日本仕様ではデチューニングされてしまっているのかは不明ですが、日本独自規格であるチャデモ規格への対応の際に、複合的な問題で対応できなかった可能性が高いです。
やはりトータルの充電時間が2時間を超えてくると、充電の時間が長いと感じてしまうのは否めません。
今後1~2年ほどで、高速道路上に多くの150kW級急速充電器が普及する見込みであることからも、この150kW級の充電出力に対応できているかどうかという視点も、ロングトリップを行うEV購入検討者にとっては重要なポイントとなり得るでしょう。
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