現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 極上の一台はここから生まれる。ベントレーマリナー「仕立ての達人」

ここから本文です

極上の一台はここから生まれる。ベントレーマリナー「仕立ての達人」

掲載
極上の一台はここから生まれる。ベントレーマリナー「仕立ての達人」

ベントレーのマリナーには100年ほど前の名車を甦らせるクラシック、超限定車を作るコーチビルディング、さらにパーソナライゼーションの幅をさらに広げたコレクションという3本の柱がある。その現場を見る機会を得た。(Motor Magazine 2024年1月号より)

4年ぶりの訪問。変わらない匠の息遣い
マリナー部門が好調と伝えられるベントレーのクルー本社を、およそ4年ぶりに訪ねた。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

世界最古のコーチビルダー(馬車ならびに自動車用ボディの製造者)のひとつとされるマリナーは16世紀の創業。1959年にはロールスロイスとベントレーによって買収されたが、両ブランドが1998年に企業として独立すると、マリナーはベントレーの一部門となって、いまも匠の技を発揮し続けている。

現在のマリナーは、特別なボディを架装した10台前後の限定モデルを開発・製造する「コーチビルディング」、ベントレーの歴史的モデルを現代の技術で甦らせてごく少数を製造・販売する「クラシック」、そして現行型ベントレーを華やかに彩る「コレクション」の3事業を柱としているが、なかでもベントレーの業績にもっとも貢献しているとされるのがコレクションである。

もっとも、ひとことでコレクションといってもその活動は幅広く、通常よりも高級なオプションとして設定されているマリナーオプション、現行モデルの1グレードとしてラインナップされているマリナーデリバティブ、顧客の好みに応じて特別な1台を仕立ててくれるビスポークといったプログラムが用意されている。

フルオーダー可能なビスポークプログラム
このうち、ビスポークプログラムでは、クルー工場内に特別なオーダールームを用意。高精度なコンフィギュレーター(一種のコンピューターシミュレーター)を用いながら、専任のスタッフとともにさまざまなオプションやカラーを試すことができる。

これに準じたオーダーシステムは日本のベントレーディーラーにも用意されているほか、自宅のパソコンやスマホからベントレーの公式サイトにアクセスしても利用できる。けれども、クルー本社の専任スタッフは知識と経験が豊富なだけに、アナタにぴったりな1台を作り出す強力なサポーターとなってくれるはず。もしも出張などでイギリスを訪れる機会のある方には、是非とも“本場”でのフルオーダーに挑戦していただきたいと思う。

ため息がでるほどの職人技
こうしたビスポークプログラムをクルマ作りの領域で支えているのが、ベントレーが誇るウッド部門やレザー部門である。今回も両部門を改めて訪れたが、素材選びのこだわり方や職人たちの磨き抜かれた技に触れては、何度もため息が出た。

たとえば、ベントレーのインテリアに使われるレザーは北欧産の最高級品のみ。寒い土地で育った牛は革が厚く、また蚊などの虫にも刺されないので革に傷が少ないことが、その理由という。しかも、革が丈夫な雄牛のみを用いるというこだわりようだ。

また、ベントレーのレザーは発色がきれいだと常々感心していたが、今回、その謎が解けた。なんと、北欧で産出された革を1度イタリアに持ち込み、そこで染色してからクルーに運んでくるのである。まさに気が遠くなりそうな手間と時間をかけて、ベントレーのシートやステアリングホイールは作り上げられているのだ。

世界中から集められ保管されている銘木
ウッド部門も驚きの連続だった。まず、世界中から集められた銘木は、ストックルームに保管して品質を安定させるのだが、ここに置かれている分だけでおよそ100万ポンド(約1億8500万円)の価値があるという。それらを0.6mmに薄くスライスしてからダッシュボードなどに貼り付けると、今度は職人の手で徹底的に磨き上げられてからラッカーで塗装。さらにポリッシングを行うのである。

現在、ベントレーは製品の電動化を急いでいて、2030年には全モデルが電気自動車(BEV)となる計画を立てている。しかし、たとえパワープラントがエンジンからモーターに置き換わったとしても、マリナーが長年培ってきた伝統の技は、これまでと同じように多くの顧客を魅了し続けることだろう。(文:大谷達也 写真:ベントレーモーターズ )

[ アルバム : ベントレー本社工場見学 はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】シティオフローダーに仕立てた[チャレンジャー]は兄貴分のパジェロをなぜ超えられなかったのか?
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】シティオフローダーに仕立てた[チャレンジャー]は兄貴分のパジェロをなぜ超えられなかったのか?
ベストカーWeb
魅惑のイケメン帰国子女! アメリカの香りがする左ハンドルのホンダ[USアコードクーペ]はなぜヒットしたのか?
魅惑のイケメン帰国子女! アメリカの香りがする左ハンドルのホンダ[USアコードクーペ]はなぜヒットしたのか?
ベストカーWeb
キャンパーはこれでいい! しっかり装備でも大きすぎない日産NV200バネットがベースのキャンパー
キャンパーはこれでいい! しっかり装備でも大きすぎない日産NV200バネットがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
ええ[N-BOX]越えやん!! 2代目ワゴンRヤバ!!  サンルーフに天井スピーカーあったってマジかよ
ええ[N-BOX]越えやん!! 2代目ワゴンRヤバ!!  サンルーフに天井スピーカーあったってマジかよ
ベストカーWeb
序盤から緊迫の接近戦。首位50号車フェラーリにペナルティ/2024WEC第4戦ル・マン決勝1時間後
序盤から緊迫の接近戦。首位50号車フェラーリにペナルティ/2024WEC第4戦ル・マン決勝1時間後
AUTOSPORT web
かなりご長寿だった[トヨタアイシス]!! 今ハイブリッドで復活したらバカ売れ必至か!?
かなりご長寿だった[トヨタアイシス]!! 今ハイブリッドで復活したらバカ売れ必至か!?
ベストカーWeb
[アクア]で高級感はやりすぎレベル? 高級感マシマシの特別仕様車がマジで買いすぎる
[アクア]で高級感はやりすぎレベル? 高級感マシマシの特別仕様車がマジで買いすぎる
ベストカーWeb
ウォームアップでトヨタと接触した78号車レクサスはピットスタートへ。2分追加のペナルティも
ウォームアップでトヨタと接触した78号車レクサスはピットスタートへ。2分追加のペナルティも
AUTOSPORT web
軽自動車にスーパーカー並みの装備[AZ-1]!! [高性能スペック]を誇った絶版スポーツ
軽自動車にスーパーカー並みの装備[AZ-1]!! [高性能スペック]を誇った絶版スポーツ
ベストカーWeb
真逆のマシン特性でレッドブルに挑んだメルセデス。サインツ、ペレスがハマった難関ターン6【中野信治のF1分析/第9戦】
真逆のマシン特性でレッドブルに挑んだメルセデス。サインツ、ペレスがハマった難関ターン6【中野信治のF1分析/第9戦】
AUTOSPORT web
あと1歩届かなかった……トヨタ小林可夢偉、前途多難のル・マン24時間レース惜敗に「めちゃめちゃ悔しい」
あと1歩届かなかった……トヨタ小林可夢偉、前途多難のル・マン24時間レース惜敗に「めちゃめちゃ悔しい」
motorsport.com 日本版
フォルクスワーゲン・トゥアレグ 詳細データテスト 実直な大型SUV PHEVの経済性はそこそこ
フォルクスワーゲン・トゥアレグ 詳細データテスト 実直な大型SUV PHEVの経済性はそこそこ
AUTOCAR JAPAN
雨に翻弄された101年目のル・マン。燃料ギリギリ! 50号車フェラーリが優勝。トヨタ7号車は最後尾から追い上げも届かず2位|ル・マン24時間:フィニッシュ
雨に翻弄された101年目のル・マン。燃料ギリギリ! 50号車フェラーリが優勝。トヨタ7号車は最後尾から追い上げも届かず2位|ル・マン24時間:フィニッシュ
motorsport.com 日本版
正式発売前のプロトタイプ先行試乗をプレイバック! 3代目レクサスISはBMW3シリーズを超えられたのか?
正式発売前のプロトタイプ先行試乗をプレイバック! 3代目レクサスISはBMW3シリーズを超えられたのか?
ベストカーWeb
ガソリンがリッター263円なら安い!? 給油するならドイツ、フランスを避けてルクセンブルクがオススメです【みどり独乙通信】
ガソリンがリッター263円なら安い!? 給油するならドイツ、フランスを避けてルクセンブルクがオススメです【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
ル・マン24時間レース決勝速報|フェラーリ、逃げ切り2連覇達成! トヨタとの近年稀に見る大接戦を制す
ル・マン24時間レース決勝速報|フェラーリ、逃げ切り2連覇達成! トヨタとの近年稀に見る大接戦を制す
motorsport.com 日本版
7号車トヨタがレクサスとの接触でマシン破損/2024年WEC第4戦ル・マン24時間 ウォームアップ
7号車トヨタがレクサスとの接触でマシン破損/2024年WEC第4戦ル・マン24時間 ウォームアップ
AUTOSPORT web
マイチェンで「歴代最強」 フォルクスワーゲン・ゴルフ R 試作車へ試乗 最高水準の魅力に揺るぎナシ!
マイチェンで「歴代最強」 フォルクスワーゲン・ゴルフ R 試作車へ試乗 最高水準の魅力に揺るぎナシ!
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

197.1228.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

75.8190.0万円

中古車を検索
クルーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

197.1228.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

75.8190.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村