会場に満ちたカスタムマシンの熱気、バイクメーカー自らのカスタムも定番化
去る12月1日に開催された第32回横浜ホットロッドカスタムショーは、昨年(2023年)を上回る3万人の来場者を迎え、モーターカルチャーの盛り上がりを感じさせるものとなりました。
【画像22点】カスタムの祭典を盛り上げてくれた女子の皆さん、ハーレーやロイヤルエンフィールドのレーシングカスタムを写真で見る
最新のカスタムバイクやホットロッドが所狭しとディスプレイされ、来場者だけでなく出展者たちの熱気もアゲアゲ。アメリカンなカスタムカーの展示からスタートしたホットロッドカスタムショーも、今ではバイクが主流かと思うほど展示台数が増え、カスタムバイクファンにとっては目が離せないイベントとなっています。
こうしたファンに応えようと、しばらく前からバイクメーカー自らがカスタムマシンを作り上げて出展しているのはご存じかと。それらバイクメーカーによるカスタムマシンの数々は、カスタム好きの方だけでなく、バイクファンの皆さんを胸アツにしたことでしょう。
ハーレダビッドソンはレーシーなローライダーSTを出展
メーカー自身の手によるものも少なくありませんが、近年では実力派ファクトリーとのコラボレーションが注目の的となりつつあります。今回の目玉といえば、ソフテイル誕生40周年を記念しハーレーダビッドソンが出展したレーシーなローライダーSTに間違いないでしょう。
カスタムを担ったのはサーキットで戦えるハーレーを作ることでも有名なカスタムビルダー「Joyride(ジョイライド)」代表の西田 裕さん。会場でご本人にインタビューできたので、ホットなマシンのコンセプトやカスタムの内容について紹介していきましょう。
──最初にハーレーダビッドソンジャパンからローライダーSTのカスタムが依頼された時は、どんな気持ちでしたか?
「とても光栄に思うのと同時に、ミルウォーキーエイトエンジンを触ったことがなかったので、戸惑いました。すぐに、ディーラーからローライダーSTを借りて乗ったのですが、走りのパフォーマンスにとても驚き、カスタムに対するモチベーションが強く湧いてきました」
──ローライダーSTの印象をお聞かせください。
「ビッグツインエンジンを積んだハーレーでレースをしてきた自分にとって、ローライダーSTの足まわりやエンジンの仕上がりは『今はこんなハーレーが買えるんだ』と感動しました。これなら、サーキット走行を視野に入れたカスタムも十分いけると感じました」
──カスタムのポイントについて教えてください。
「足まわりとエンジンが中心ですが、ディメンションを変更するとすべてのバランスが変わるため、あらゆるポイントをカスタムしなければなりませんでした。ノーマルの走りがいいだけに、サーキット向けにコンバートするのはとても苦労したところです。サーキットを走るためにはニュートラルステアに近づけること、サスのセッティング幅を持たせることなど、これまでのノウハウをすべて注ぎ込んだといっても過言ではありません」
──このマシンがサーキットを走る日が楽しみです。
「まだ試乗できていませんが、セッティングを煮詰めていって筑波サーキットで1分6秒台を出せたらいいなと考えています。ソフテイル&ミルウォーキーエイトでのサーキット走行は僕自身でも楽しみでなりません」
2024年春に予定されているサーキットデビューですが、どんな走りをみせてくれるのか、待ちきれないのは決して筆者だけではないでしょう。
インディアンのチョッパー、ロイヤルエンフィールドのレトロ耐久マシン
毎回さまざまなカスタムの方向性で楽しませてくれるのがインディアンモーターサイクルズと、ロイヤルエンフィールドの2社。2024年も複数台のカスタムマシンが出展され、メーカーカスタムの完成度、インパクトを見せつけてくれました。
まずはインディアンモーターサイクルズのスペシャルなチョッパー、1937年のドラッグバイク「インディアン スカウト」にインスパイアされたカスタムで、エンジン上部のチューブフレームを大胆にカットした後にあらためて延長という手が込んだもの。フロントエンドを高く伸ばし、チョッパーのプロポーションを見事に再現しています。
タイヤもフロント21インチ、リヤ18インチへと変更され、燃料タンクに至っては純正品を4つに分割してから形状変更をするなど、抜かりは一切なし! 1960年代のニューヨーク・チョッパースタイルが蘇るファクトリーカスタムならではの仕上がりです。
そして、ロイヤルエンフィールドからはショットガン650をベースに、80年代の耐久マシンへのオマージュを込めたカスタムバイクをご紹介。
バイカー向けのアパレルやヘルメットをプロデュースするアメリカのicon1000がデザイン&製作を担ったモデルで、フロントカウルやシートカウル、また耐久レーサーではお馴染みのクイックフィラー付きタンクなど、レトロでいながら新鮮なイメージに仕上げられています。
フォークカバーやあえて突き出したバッテリー配置など、ストリートのセンスに長けたicon1000らしいディテールには誰もが驚き、ため息までもらしたのではないでしょうか。
コレがCB750Four!?「旧車カスタムや技巧の素晴らしさに目をみはる」
モーターカルチャー、カスタムマシンの最前線を目にすることができるのもホットロッドカスタムショーの醍醐味。今回、興味深かったのはアメリカンバイクだけでなく、国産の旧車やヨーロッパブランドのカスタムが増えてきてことでしょう。
例えば1978年型のホンダ CB750Fourをベースに、フレームやボディを再解釈した「TRACYROSE(トレーシーローズ)」などは最たる例かと。一般的にはクロームやキャンディ塗装といったカスタム手法のターゲットとは考えづらいCB750Fourにここまでアメリカンテイストを盛り込んだのは驚きの一言。それが思いのほか似合っているのは、やはり優れたカスタムテクニックあってこそ。
また、昨年はロイヤルエンフィールドのサイドカーで観客の度肝を抜いたチェリーズカンパニーが出展した「Fuzin(風神)」はフレームやホイールをゼロから作り上げたフルスクラッチビルド。実車のバランスや細部の仕上がりに目を凝らせば、そのテクニックはもはや神業の領域だと感じずにはいられません。
こうしたカスタムファクトリーのおかげで、日本のモーターカルチャー、カスタムシーンは日進月歩の進化を遂げており、我々バイク好きの胸を熱くしてくれるのです。今回のホットロッドカスタムショーを見逃した方は、ぜひ来年のショーを訪れることをオススメします。たとえカスタムファンではなかったとしても、ときめかせてくれるバイクに出会えること間違いありません。
レポート&写真●石橋 寛 編集●上野茂岐
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