暗雲の英国市場 回復の兆し見せるも課題多し
英国のSMMT(自動車工業会)が発表した2022年の統計によると、英国内の新車販売台数は年末時点で5か月連続の増加を見せたものの、最終的に過去30年間で最低の水準に落ち込んだ。
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これは、主に半導体を中心としたサプライチェーンの供給不足が原因とされる。販売台数は161万台となり、新型コロナウィルスの影響を受けた2021年より2.0%低く、直近の「平年」である2019年より約70万台低い結果となった。
通年では低調だったものの、12月の販売台数(合計18万1000台)が18%改善したことは見逃せない。SMMTは、2023年の販売台数は15%改善し、約180万台になると予測しており、早くもその兆候が見えた形だ。
困難な1年ではあったが、英国はドイツに次ぐ欧州第2位の自動車市場という従来の地位を取り戻した。
他の業界で需要の弱まりが警戒される中、自動車業界では部品の入手可能性がゆっくりと改善し、継続的な需要増と相まって、下降の足止めになるとSMMTは見ている。
2022年は部品不足のため、各自動車メーカーは(より高価な)ゼロ・エミッション車の納車を優先させた。BEV(バッテリー電気自動車)は通年販売台数の16.6%を占め、初めてディーゼル車の販売を上回った。PHEV(プラグインハイブリッド車)は6.3%と前年より減少したが、従来型のHEV(ハイブリッド車)も人気を集め、11.6%の市場シェアを獲得している。
その結果、英国の新車平均CO2排出量は6.9%減の111.4g/kmと、過去最低となった。
BEVに対する需要の高まりは、12月に最も強く示され、販売全体に占める割合は32.9%に上った。テスラ・モデルYおよびモデル3は、英国のBEV販売ランキングで1位と2位を獲得し、モデルYは日産キャシュカイとヴォグゾール・コルサに続く総合3位を獲得した。
SMMTのマイク・ホーズCEOは、英国のEV充電インフラの普及遅れに改めて注目し、2030年までに30万か所の公共充電ポイントを整備するという政府の「低い」目標(当初は30万~70万か所が必要とされていた)を達成するためには、2030年までに少なくとも毎日100か所を新設しなければならないと指摘する。現在、1日あたりの設置数は29である。
また、ホーズCEOは、企業の社用車だけでなく自家用車のユーザー(一般ドライバー)にも電動化の必要性を説くことが引き続き必要であると述べている。2022年の新車販売台数の約半分は個人が担っているが、台数増加の75%近くは法人によるものだという。
「気候変動の目標達成に必要な市場移行の規模とスピードを実現するには、より多くの個人に電動化を促すための行動が必要です」とホーズCEOは述べた。
あと1年
SMMTは声明で、英国政府に対し、長年の懸案であったゼロ・エミッション車の販売比率増加政策の促進を求めた。BEVの販売・使用に適用される新たな法令が2024年に発効する予定だが、その詳細(罰則など)はまだ明らかにされておらず、専門家によれば、今年半ばまで公開されない可能性があるとのこと。
SMMTのホーズCEOは次のように述べている。
「メーカー各社のイノベーションとコミットメントにより、EVは英国で2番目に人気のある車種となりました」
「しかし、電動モビリティのリーダーを目指す国にとっては、乗り換えに対する消費者の不安を取り除くための政策や投資、特にどこで充電できるかが重要です」
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みんなのコメント
サッチャーの新自由主義がいよいよ末期的なってきたとも言える。
もうイギリスはダメかもな