2024年のMotor Magazine誌&Webモーターマガジンでは多くの新型車を取材してきました。今回は、その中で我々スタッフも最新四駆の進化に驚きを隠せなかったMotor Magazine 2024年8月号の特集企画「四駆王」からアナザーストーリーを。2025年にデビュー55周年を迎えるスズキジムニーの歴史と魅力を、元ジムニー乗りの筆者が実体験を基に解説します(写真:永元秀和)。
最新ラダーフレーム四駆に乗ったら、その進化に驚きを隠せなかった
Motor Magazine 8月号の特集企画「四駆王」では、今や大人気のSUVの中から、「王」という文字がふさわしい、SUV界の中でも突出した4WD性能と魅力を持つ、いわば「傑物」を取り上げました。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
車種はトヨタランドクルーザー70×三菱トライトン×スズキジムニー、ジープラングラー×ランドローバーディフェンダーなどの国産輸入本格4WD、さらにランボルギーニウルスSEやフェラーリ プロサングエといったスーパースポーツまで「あらゆる道を制し、走りを極めた4WD」が登場しました。
その中でもここで取り上げるのは、再販されてたちまち人気のトヨタランドクルーザー70、そしてデザインと走りが話題の三菱トライトン、デビューから6年経っても圧倒的人気を誇るスズキジムニーという国産ブランドのラダーフレーム車たちです。
ラダーフレーム車のその強靭なフレームは、主に悪路において効果を発揮するため、一般道路ではモノコックに対して重量増などその恩恵を受けることは少なく、むしろ乗り心地が劣るというイメージもあると思います。しかし、一般道を中心に試乗した3台はどれもが快適なことに驚きました。
ランドクルーザー70は、基本設計が1980年代とは思えない進化ぶりで、走りの質と快適性を高めていましたし、三菱の独自技術が多く採用されたトライトンはピックアップトラックらしからぬスポーティな走り。そしてその中で最小サイズとなるジムニーは、本格的な走破性能と軽自動車らしい運転のしやすさを両立。それぞれが強い個性を持っていながら、日常的にも当たり前に使える。いま、あえて、こうした本格四駆が選ばれる理由がここにあるような気がします。
長い歴史を持つ日本独自の本格4WDがスズキジムニー
前述した3台はいずれも魅力的なモデルですが、その中でも唯一無二な存在と言えるのは、やはりスズキのジムニーでしょう。トヨタランドクルーザー、ハイラックスに続いて歴史を持つ本格四駆ですが、日本独自の軽自動車という規格の中で、ラダーフレーム+パートタイム4WDを採用しているのはジムニーのみです。
そんなジムニーが日本で登場したのは1970年のことですが、その時からラダーフレームに前後リジッドアクスル、大径タイヤを組み合わせ、トランスファーも備えた本格四駆でした。エンジンこそ当時は360ccの空冷2ストローク2気筒でしたが、この基本構成は今も変わっていません。
ただし、足まわりに関しては、1995年の改良型JA12/22型からリジッドアクスルのまま、リーフスプリングを廃してコイルスプリングに変更。その後1998年のJB23型からボディサイズも現行の軽自動車規格にあわせて拡大されて一般道路での快適性が劇的に向上しています。
筆者も以前JB23型に乗っていましたが、約20年という長いモデルサイクルの中で、本格四駆でありながら、幅広い層に支持されたモデルと言えるでしょう。
そして2018年には現行のJB64型が登場しました。御存知のとおり、販売されると月間予定販売台数をはるかに超え、1年や2年といった納車待ちが発生。さすがに今ではだいぶ短縮されたようですが、それほど待ってでも手に入れたくなるクルマなのです。
とくに現行型は今までにも増して多くのアフターパーツが登場するほど盛り上がっているわけで、現代のクルマ業界全体を持ち上げている話題の存在と言っても過言ではありません。
現行ジムニーで大幅な進化を実感
実は筆者も1年半待ってジムニーを手に入れた一人です。JB23型からJB64型への乗り換えでしたが、初めて試乗した時にその進化に感動して即購入を決めました。実際購入した人の中では「高速走行が辛い」という話も聞きますが、元々ジムニーというクルマは高速走行が得意ではありませんでした。
以前、友人のJA11型を運転させてもらったことがありますが、高速道路を100km/hで走ろうと思うと、エンジンは5000rpmをキープしなければなりませんでした。しかも当時は旧規格だったので、全幅も狭く、横風に煽られることもしばしば。それから比べれば、現行型は高速道路での安定感や快適性は高く、長距離ドライブだって難なくこなすことができます。
こと市街地などの普段使いに関しては、軽自動車サイズのボディと見切り、見晴らしの良さで運転がしやすいのも特徴です。とくに狭い住宅地などではその目線の高さが役に立ちます。
災害時に役に立つのはやはり車高が高い4WD
一方でジムニーに乗っていてもその走破性を試す機会がないという人がほとんどだと思います。もちろん、ない方が良いのですが、ジムニーが災害時などに活躍できることは間違いなく、私も一度だけ移動中にゲリラ豪雨が直撃してしまったことがあり、身を持ってそのありがたさを実感しました。
その日は予報も当てにならないような豪雨によって、行く先の道路の冠水を目の当たりにしながら、回避しつつ移動しなければなりませんでした。ただ心の何処かでいざとなればジムニーだからなんとかなる。という謎の自信があり(災害時は情報をこまめに入れて適切な対処をしなければなりませんが)、実際には被害にあわずに脱出することができました。
ただ、この状況を経験して思わず同乗していた家族もジムニーに対しての信頼感が芽生えましたし、この経験からも「一家に一台ジムニーを!」と、言っても過言ではありません。
事実、日本でも地域によってはジムニーのパトロールカーが用意されていることもありますから、こうした災害時や悪路、雪道などの安心感はジムニーならではと言えるでしょう。
そしてそんな頑強さと走破性の高さを軽自動車の枠の中で実現したのは、やはり世界的に見ても唯一無二の存在です。それが多くのファンに長く愛されている理由のひとつでもあります。
今後、実用性の高い5ドア版が発売されればさらに人気が拡大することは間違いありません。2025年はジムニー生誕55周年ですから、特別仕様車などの登場も期待されます。「最小で最強の4WD」ジムニーの今後に注目しましょう。
[ アルバム : スズキジムニーは「最小で最強の4WD」 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
下廻りとか見ると確かにオフロードに特化した設計になっているとは思いますが、決してタフとかゴツいとかそんな造りには見えない。あくまでもあのサイズあの重量の中で余計なものを削ぎ落とした、そういう形に見えます。
ジムニーは壊してなんぼという方もいらっしゃいますが、それは単に想定以上の負荷をかけて文字通り『壊している』だけですよね。
最強、なんて文字に躍らされて壊されるかわいそうなジムニーが増えませんように。
復刻のボディカラーでの登場に期待しています。