クルマに乗る人にとって、クルマとは長い時間をともにする相棒であり、また一方で自身の個性を表現・主張するための道具でもあるだろう。
だからこそ、安全性能や走り・デザインといったクルマを選ぶ基準そのものに、「個性的であるかどうか」を加えたくなる。「他と同じ」は、やはり嫌なのだ。
自動車評論家・編集者の西川 淳氏に、唯一無二の個性を誇る現行国産車・輸入車を10台ピックアップしてもらった。西川氏、原稿を依頼され真っ先に頭に浮かんだ個性はポルシェ911だったという。
え? なんで? ポルシェなんてフツーじゃん? と思った方にこそ読んでほしい記事だ。
【画像ギャラリー】デリカD:5・テスラも選出! 個性派揃いの10台をギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年9月のものです
選者&文/西川 淳、写真/ベストカー編集部ほか
初出:『ベストカー』 2020年10月26日号
■国産車編 代えの利かないユニークさで選ぶ5台
個性とは何か。シンプルには他とは違うということです。ユニークであればあるほど個性的であると言える。代わるクルマが他にない、という点を重視して選んでみました。
まず頭に浮かんだのが燃料電池車。トヨタミライの生産が終わった今、ホンダクラリティFCが国産唯一の選択肢となっています。
しかもホンダはこの6月から、水素スタンドのある場所での販売という条件付きながら個人リースも始めています。
次期型ミライが出てくるまで、ひとり頑張るということでしょう。
ホンダ クラリティFC…東京モーターショー2019にて、新型ミライと一緒に展示されていた。一般向けにリースを開始
デリカD:5は世界的に見てもユニークな存在。ミニバンでありながらSUVスタイル。
そんなクルマ、今は世界を見渡しても見当たらない。熱心なファンが多いことも納得の一台だと思います。
三菱 デリカD:5…最低地上高210mmと、そこらのシティ派SUVよりも高い最低地上高を確保した個性派だ!
■世界第一級の性能が個性
個性派国産ベスト3はやはりスポーツカーとなりました。趣味のクルマだから個性を出しやすい、というのがホントのところ。
どれが一番でもよかったのですがあえて順番を付けると、3位に日産GT-R。これは説明不要でしょうね。
日産 GT-R…2007年当初は777万円という価格設定。性能はもちろん、性能に対するこの価格も個性的だった
他に類を見ないパッケージで日本車として初めて世界の有名スポーツカー、特にポルシェとスタンダードな状態で五分に戦うことができた。
日本のクルマ好きにとって、これほど溜飲が下がったことはありません。なかでもクルマにとっては不正義というべき重量を逆に利用した世界最速レベルの加速パフォーマンスには驚くほかありません。
2007年末にデビューして以来、進化を続けながら一貫して世界第一級の性能を維持し続けたという点でも、それまでの国産スポーツカーとはまるで違う存在でした。次期型への期待も高まる一方です。
■ライトウェイトスポーツの生き残り。それもまた個性
2位にはマツダロードスターを選びました。
マツダ ロードスター…絶滅危惧種となってしまったライトウェイトスポーツのロードスターも個性派の名にふさわしい
ロードスターは、言うまでもなくライトウェイトスポーツカーを現代に蘇らせた立役者。ハードトップオープンのRFとソフトトップのスタンダードという2本立てもまたユニークです。
現行のND型は原点回帰を模索したピュアスポーツカーです。受け継がれたコンセプトからは初代の偉大さもひしひしと伝わってくる。
日本にロードスターがあってよかった。心からそう思います。
■変態的!? 国産車1位は個性溢れるミドシップ S660
そして1位にはホンダのKスポーツカーを選びました。
ホンダ S660…軽のミドシップスポーツカー。こんな“変態的なクルマ”はホンダだからこそ作れた
なんといってもこのサイズのミドシップスポーツカーを専用車台で造ってしまうというメーカーの心意気に、まずは敬意を表します。
凝った設計のアルミニウムボディは、できればスケルトンボディを被せてあげたいほどに美しい。
Kカーが大半を占める日本だからこそ誕生したユニークさ極まるスポーツカー。一等にふさわしい存在だと思います。
■輸入車編。まずはランボルギーニの史上最高傑作
日本車に限定しても、個性極まるクルマを5台選ぶのは難しかった。輸入車ともなればそれが国の数だけあるわけで、選んで5台に絞ることが難しい。
一応ランキングにしましたけれど、感覚的にはベスト5だと思ってください。
まずはランボルギーニのアヴェンタドール。
ランボルギーニアヴェンタドール…6.5L、V12 DOHC自然吸気エンジンを搭載。非常に高価ながら1万台を売り上げた個性派だ
このクルマのユニークさを挙げるとキリがないかも。
世界で唯一残った自然吸気の大排気量12気筒エンジン搭載のミドシップ2シータースーパーカーで、累計販売台数はなんと1万台。
正に規格外のユニークさです。
スーパーカーファンなら誰もが納得のスタイルに秘めたパフォーマンスの素晴らしさ。ランボルギーニ史上の最高傑作だと呼ばれる所以です。
■長く愛される それも個性
同じくイタリアのフィアット500もユニーク。
フィアット500…似たようなパッケージはほかにも存在するが、愛され方が段違い! ベスト&ロングセラー!
否、パッケージ的には単なる小型のFFで、ユニークさなどカケラもないし、レトロモダンなスタイルにしても他に例がないというわけじゃない。
でもね、デビュー以来、これほど長く愛され続けているという、言ってみればユーザー側の熱烈な支持がユニークと言うべきです。飽きられることなくいまだに売れ続けている。2007年のデビューですよ!
おまけにフィアットで売れてるクルマといえば、もう500だけと言ってもいい。アバルト仕様を含めて、このベスト&ロングセラーぶりが個性的と言っていいでしょう。
3位はジープラングラーです。
ジープラングラー…軍用車っぽい見た目はSUVのなかでも特に個性的! このスタイルを続けるユニークさが魅力
戦後民生化で始まった軍用車のシビリアン・ジープのテイストを、90年近く経った今なお感じることができるなんて、奇跡というほかない。
ラングラー人気はSUVに今再び、骨太ブームを生み出しました。影響力の大きな、そして本格的なオフ性能を持つ価値の変わらない一台です。
■過去に捕られないからこそ創り出せる個性もある
2位には同じアメリカのSUVながら真逆の存在と言うべきモデルXを挙げてみました。
テスラモデルX…ピュアEVでスーパーカーと遜色ない性能、さらにはファルコンドア。これはもう、個性がつゆだくだ!
SUVといってもオフ性能はありません。だからこそ今っぽい。ピュアEVでリアには派手な開き方をするファルコンドアが備わった。
見た目のユニークさという点では、スーパーカー級です。
■「個性派」=「非メジャー」ではない。そのことをまざまざと思い出させてくれるのがポルシェ911
輸入車個性派第1位は文句なしにポルシェ911です。この原稿を依頼された瞬間、国産輸入に関係なく最も個性的なクルマとして真っ先に浮かんだのも911でした。
ポルシェ911…水平対向6気筒のRRスポーツ。メジャーなクルマだけに忘れていたが、ゴリゴリの個性派!
911なんてフツウだと思っている方、間違ってますよ。水平対向6気筒を積んだRRのスポーツカー、というだけでもう個性満開です。
ポルシェはそのユニークさを極めることで世界最高のスポーツカーとした。実用性も高い。レースでも速い。乗っても独特。
これ以上個性的なクルマなど他にまるで見当たりません。
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