80年代の「5ターボ」が復活
ルノーは3月17日、新型の高性能EV『5ターボ3E(5 Turbo 3E)』を発表した。ブランド史上最もパワフルで先進的なロードカーとして2027年に発売予定で、540psのパワーとポルシェ911を脅かす加速性能を誇る。
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1980年の5ターボの電動版として位置づけられ、生産台数も同数になるという。ルノーは、このクルマが「ミニ・スーパーカー」というまったく新しいセグメントを創出したとしている。
ルノー・グループのデザイン責任者であるローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏は、「基本的に制約はありませんでした。現在、ルノー・グループのデザインは非常に良い時代を迎えていると思います。わたし達の夢はすべて実現しつつあり、このようなプロポーションの小さなクルマを作るのは夢のようです」と語った。
こうしたデザインは、開発においてデザイナーとエンジニアの役割を逆転させたことによって実現したという。
「エンジニアが手がける前にわたし達がクルマをデザインし、その後エンジニアがそれを実現しました。通常であれば、その順序は逆になるはずです」と同氏は言う。
540psのインホイールモーター搭載
新型5ターボ3Eは、小型ハッチバックのルノー5 Eテックをベースにしているが、特注のプラットフォーム、独自のボディワーク、インホイールモーターを備えている。
これらを組み合わせることで、ホイールトルクは約490kg-m(4800Nm)に達するとのことだが、実際に路面に伝わるトルクはその10%程度と思われる。
0-100km/h加速は3.5秒以下、0-200km/h加速は9.0秒以下、サーキットでの最高速度は270km/hに達する見込みである。
後輪に内蔵されるインホイールモーターは、従来のモーターよりも素早く動力を伝達でき、また各車輪をより正確に制御し、アクスル部分で「大幅」な軽量化と省スペース化が可能になると言われている。
AUTOCARが取材で得た情報によると、このインホイールモーター技術は英国のプロティアン・エレクトリック(Protean Electric)社が開発したもののようで、電子制御ディファレンシャルが不要になるという。
70kWhのバッテリーは動力性能を重視して配置され、「素晴らしい」ドリフト能力を持つとルノーは主張している。専用のドリフトモードやラリースタイルの縦型ハンドブレーキも装備される。
航続距離は400kmだが、サーキットで全開走行した場合、バッテリーは15分から20分しか持たないことをルノーは認めている。
高度なバッテリー温度管理システムにより、最高速度270km/hでサーキットを走行した後、350kWで急速充電を行い、15分で15%から80%まで充電することが可能だという。
車両重量は約1450kg
ルノーのCEOであるファブリス・カンボリーヴ氏は次のように述べた。
「わたしにとって、5の顧客ニーズをできるだけ広範囲にカバーできることが非常に重要でした。非常に魅力的な価格帯から、極限の感覚を求める人々まで、このクルマを受け入れてもらうことです」
「こんなに運転が楽しいクルマがあるのなら、限界に挑戦しない手はありません」
プラットフォームはオールアルミニウム製で、ルノーのスポーツカーブランドであるアルピーヌが開発したものだ。「スーパーカーの基準に匹敵する」ことを目指し、性能、軽さ、敏捷性、効率性の面で妥協のない設計となっている。
ボディも軽量素材でできた特注品で、標準のルノー5から引き継いだのはミラー、ドアハンドル、テールライトのみ。カーボン複合構造により、車両重量は約1450kgに抑えられており、バッテリーの大型化やモーターの追加にもかかわらず、ルノー5よりわずか1kg重いだけである。
スタイリングとしては、初代の5ターボと5ターボ2を参考にしながら、スーパーカーのような外観に仕上げられている。空力特性を最適化したフロント&リアバンパー、フロントスプリッター、ダウンフォースを最大化する大型エアアウトレット付きボンネットを採用。また、サイドのエアインテークはリアライトの下に空気を導き、乱流を減らす。さらに、リアフェンダーのエクステンション(延長部)、モーター冷却用の大型インテーク、20インチホイールなど、全体的に低重心な印象を与える。
ボディサイズは全長4080mm、全幅2030mm、全高1380mmで、標準の5よりも全長が158mm、全幅が256mm、全高が118mm大きい。フロントガラスを後ろに下げ、ホイールベースを2570mmへ延長することで、「スーパーカーの幅にシティカーの長さ」を実現した。
ハードなバケットシート装備
設計時に直面した課題について、ヴァン・デン・アッカー氏は次のように語った。
「大きな敵はバッテリーによる重量です。このクルマは1450kgですが、アルミニウム製のアルピーヌA110が1000kg以上あるので、さらに軽量化を図っています。重量と価格が最大の欠点です。重量は終わりのない戦いです」
開発で得た知見について尋ねられると、ヴァン・デン・アッカー氏は「概念的には、夢を現実のものにできるのだと学んだと思います」と答えた。
車内にはアルカンターラ張りのバケットシート、手織りのタータンチェックのダッシュボード、6点式ハーネス、軽量カーボン素材がふんだんに使用されている。標準の5と同じ10.1インチのインストゥルメント・ディスプレイと10.25インチのインフォテインメント用タッチスクリーンが搭載されるが、1980年代風のデザインとなっている。
新型5ターボ3Eの価格は未定だが、兄弟ブランドであるアルピーヌのA110 Rウルティムの20万9000ポンド(約4000万円)を下回る設定となるだろう。
納車は2027年前半に開始される予定だ。
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