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アルピーヌA290:現実的なEVの最適解 ベスト・ファンEV(3) 「A」の期待を裏切らない

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アルピーヌA290:現実的なEVの最適解 ベスト・ファンEV(3) 「A」の期待を裏切らない

1位:アルピーヌA290 現実的なEVの最適解

うれしい結果が導かれた。強敵を抑えて、ニューフェイスが新たなベンチマークに設定された。ただし、この順位は圧倒的な差で決まったものではなかった。1日をかけて英国編集部の4名で比較し、厳密に評価を重ねて引き出されたものだ。

【画像】2025年のベスト・ファンEV アルファ・ロメオ・ジュニアにミニ・クーパー、アルピーヌA290ほか 全162枚

2025年のベスト・ファンEVは、アルピーヌA290 GTS。動力性能に関しては、同僚の間で意見が別れた。それでも具体的な順位を決める段階では、4名の意見は一致した。

配点を振り返ると、A290に最高得点を与えたのは2名。残りの2名は、ミニ・クーパー SEを選んでいた。しかし動力性能と操縦性、実用性、クルマとしての個性、総合的な運転の楽しさという、今回設けた5つの評価軸のすべてで、A290は高い得点を得ている。

ライバルが特定の分野で苦戦する中で、A290は平均的に優れていた。2025年における運転の楽しいバッテリーEVとして、車重や馬力、大きさ、価格のベストバランスにあるのかもしれない。目下の、現実的な最適解にあるモデルだと評していいだろう。

この素材を生み出したのは、ホットハッチの楽しさを古くから知る、フランスのルノー。味付けをしたのはアルピーヌ。とても納得できる結果なようにも思う。

印象的な技術力と洗練度が小さなボディに

アルピーヌには、各ライバルを上回る強みもちゃんとある。クーパー SEにはない、リアドアと広い荷室を備える。MGやアルファ・ロメオより、スタイリングの磨き込みは優れている。素材や造形など、インテリアの上質さも際立つ部分だろう。

加えて、A290へ投じられた技術力と洗練度の高さは、印象的なもの。油圧ブッシュ付きの独立懸架式サスペンションは、専用開発されている。市街地ではやや硬めの乗り心地ながら、流れの速い郊外の公道では、落ち着きのある姿勢制御を叶えている。

ヘアピンカーブを回っても、路面の起伏を越えても、常にしなやかな流暢さが保たれる。運転する特別感を、巧みに醸し出している。

クーパー SEとは異なり、走り出しから活発ということはない。どちらかといえば大人な雰囲気で、ドライバーへ自信を与えてくれるような味わいが強い。それでも、その気になれば出色の敏捷性でちゃんと応えてくれる。

コンパクトなボディも、走りの楽しさを生む大きな要因の1つだろう。明確なフィードバックが伝わるステアリングや、前輪駆動らしい積極的な操縦性のバランスも、しっかり魅力を底上げしている。

シンプル&コンパクト アルピーヌの期待へ応える

ただし、1980年代や1990年代に生まれた、フレンチ・ホットハッチの金字塔へ届く面白さまでは得ていない。グリップ力が高すぎ、落ち着きが強すぎる。アクセルペダルを戻してイン側へ食い込ませる、リフトオフ・オーバーステアなどは引き出しにくい。

それでも、パワーオン時のエネルギッシュさは至って爽快。パワートレインの反応は、シャープでダイレクト。回生ブレーキの強さを最強にすれば、一層の興奮を味わえる。一緒に過ごす時間が長くなるほど、魅力が顕になっていく。

ステアリングホイールには、オーバーブースト・ボタンが備わるが、それなしでも不満なく速い。キックダウン・ポイントよりさらに右足を傾けるだけで、豊かなパワーを即座に召喚できる。

回生ブレーキは、ステアリングホイール裏へパドルを追加し、調整できた方が望ましかった。パワーデリバリーの特性も、ヒョンデ・アイオニック 5Nのように変化できれば、奥深さが増したように思う。

とはいえA290 GTSは、シンプルさとコンパクトさでそれを補う。軽量なボディと、洗練され走りに意欲的な特徴付けが、明らかな強みを構成している。アルピーヌへ抱く期待を裏切らない、2025年のベスト・ファンEVへ仕上がっている。

ベスト・ファンEV 2025年の5台が得た得点

アルピーヌA290 GTS:158点
クプラ・ボーン VZ:153点
ミニ・クーパー SE スポーツ:151点
アルファ・ロメオ・ジュニア・エレットリカ・ヴェローチェ:120点
MG4 EV エクステンデッドレンジ:119点

アルピーヌA290 GTS(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万7500ポンド(約731万円)
全長:3990mm
全幅:1820mm
全高:1520mm
最高速度:168km/h
0-100km/h加速:6.4秒
航続距離:360km
電費:5.9km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1479kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:52.0kWh
急速充電能力:100kW
最高出力:218ps
最大トルク:30.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

この続きは、ベスト・ファンEV(4)にて。

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