現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 商用車がアウトドアで超使える!「はたらくクルマ」が個人ユースでも評価されるワケ

ここから本文です

商用車がアウトドアで超使える!「はたらくクルマ」が個人ユースでも評価されるワケ

掲載 更新 17
商用車がアウトドアで超使える!「はたらくクルマ」が個人ユースでも評価されるワケ

■ハードな使用に耐える堅牢なつくりが遊びでも使えると評価

 キャンプをはじめとしたアウトドアブームの影響もあり、近年「商用車」が注目されています。

スズキ新型「キャリイ」発売! デカい1.5L仕様が新デザインに

 いわゆる「はたらくクルマ」ですが、じつは法的な定義はなく、道路交通車両法や道路交通法において商用車という名称のカテゴリーは存在しません。

 商用車とは、一般的には物や人の輸送に使われるクルマのことを指しており、ナンバープレートの地名の横にある3ケタの数字のうち頭数字が「1(普通貨物自動車)」か「4(小型貨物自動車)」が貨物用、2「(普通乗合自動車)」は人の輸送用になります。

 そんななかで、昨今「1」や「4」ナンバーの「貨物自動車」が人気を得ているといいますが、支持されている理由とはいったい何なのでしょうか。

 そもそも貨物自動車はその名の通り荷物を運搬することに特化したクルマです。それだけに積載性については厳格な条件が定められています。

 たとえば「荷物のためのスペースの床面積が1平方メートル以上あること」、そして荷室は「乗車部分(2列シートなら後部座席スペース)より荷物を載せるスペースが広いこと」などがあります。

 テントにバーベキューグリルに焚き火台にと何かと荷物が多くなりがちなアウトドアアクティビティ全盛のいま、こうしたスペースユーティリティに優れるクルマが支持されるのは当然といえるでしょう。

 また、荷物の積み下ろしをする開口部(サイドのドアでもリアゲートでも可)の大きさも縦横ともに80cm以上との規定があるのですが、これもまたビジネスユースだけでなく、普段使いでもありがたい実用的なサイズになっています。

 リアシートは折りたたみ式あるいは脱着式で、折りたたんだり取り外した際に乗車設備(シートレールなどの部品)が残らないようにしなければなりません。

 かんたんに収納できるということは、取り外ししやすい簡素なつくりになってしまうため、座り心地では不利になりますが、広大でフラットなスペースを確保できるのは車中泊にもってこい。

 サーフボードやスキーなど長尺物の道具が必要となるスポーツの愛好家や、バイクや自転車を運びたい人にとっては必須ともいえる機能でしょう。

 また、積載可能重量(最大積載量)が乗車定員の重量(1人55kgで計算)を上まわらなければならないという制約もあり、重さに負けて沈まないよう強い(硬い)足回りになっているケースが一般的です。

 通常では乗り心地の面ではマイナスになりがちな面といえますが、視点を変えればそのぶんタフさがあり「道具らしくて良い」と評価する向きもあります。

 さらに、条件や制限ではありませんが、商用車は乗用車よりハードに使われることを想定した堅牢なつくりになっているのもポイント。

 デザイン性よりも使い勝手を重視し、電装品やスイッチ類の配置、ちょっとした収納スペースの確保なども乗用車より気を配られているクルマが多くなっています。

 ビジネスで使い勝手に優れるように設計された商用車が、意外にも趣味性の高い用途では最適だったというわけです。

■キャンプにスポーツに引っ張りだこの人気商用車とは?

 自動車メーカー各社は、各種用途に使えるさまざまな商用車をラインナップしています。そこで、ビジネスユースのみならず、個人で使うのにもってこいのモデルを3台紹介します。

●トヨタ「プロボックス」

 法的に商用車という定義はないものの、ほとんどの自動車メーカーがカーラインナップの区分けに商用車という表記を使用しています。

 唯一トヨタだけが「ビジネスカー」と呼んでいるのですが、そんな同社を代表する人気モデルが「プロボックス」です。

 全長4245mm×全幅1690mmのコンパクトなライトバンのプロボックスは、「カローラバン」の後継車として2002年に姉妹車の「サクシード」とともにデビュー。

 2013年までは乗用車登録のステーションワゴンも併売されていましたが、以降はバン専用モデルとなっています。

 2014年にマイナーチェンジされましたが、プラットフォームを刷新するなど改良は多岐にわたり、ほとんどフルモデルチェンジといっても過言ではない内容でした。

 ラゲッジルームの使いやすさはもちろん、テーブルやトレイを用意するなどビジネスユーザーの使い勝手をとことん追求。注目は安全装備の充実で、全グレードに予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」が標準となっています。

 また、パワーユニットは1.3リッターおよび1.5リッターのガソリンエンジンだけでなく、1.5リッターハイブリッドモデルもラインナップ。長距離を走りがちなアウトドア派のユーザーからも高い評価を得ています。

●日産「キャラバン」

 キャブオーバー型(ワンボックス)の商用車といえばトヨタ「ハイエース」が王者として長く君臨していますが、そのライバルが日産「NV350キャラバン」です。

 かつては単に「キャラバン」という車名でしたが、2012年に発売された5代目モデルからNV350キャラバンとなり、さらに2021年10月にガソリン車がマイナーチェンジした際に再びキャラバンへと改められました。

 ハイエースをあらゆる面で凌駕することを目標に開発されたモデルだけに、貨物自動車としての使い勝手は上々。荷室は長さ(奥行)、幅、高さのすべてがハイエースを上回り、ハイエースにはない分割可倒式リアシートが装備されました。

 ボディラインナップは、全長の異なる「ロング」「スーパーロング」があり、幅は「標準」「ワイド」、高さも「標準ルーフ」と「ハイルーフ」を用意。

 エンジンは2リッターと2.5リッターガソリンと、2.5リッターのディーゼルがあり、ハイエースで廃止になったMT(ディーゼル車)も選べるのが特徴です。

 車中泊に適した「マルチベッド」やバイク、自転車を積載しやすい「トランスポーター」といった架装車をラインナップしているのも評判で、多くの非ビジネスユーザーに愛されています。

●ホンダ「N-VAN」

 軽自動車の商用車は、普通車(登録車)とは基準が異なり、たとえば、荷室の床面積が普通車では1平方メートル以上必要なのに対し軽自動車では0.6平方メートル以上で許されたり、縦横ともに80cm以上とされる荷物の積卸口も縦60cm以上、横80cm以上とわずかながらですが緩和されています。

 そんな軽商用車の人気モデルが、2018年にデビューしたホンダ「N-VAN」です。ホンダの軽自動車「Nシリーズ」の第5弾かつ初の商用車で、道具としての機能性を優先したスタイリングが特徴的なクルマとなっています。

 装備や加飾を割り切り道具に徹した「標準仕様」のほか、レジャーユースを想定した「+STYLE FUN」グレードをラインナップ。

 デビュー当初は「+STYLE COOL」というロールーフのグレードが存在しましたが、2021年2月のマイナーチェンジを機に廃止され、現在は全車ハイルーフとなっています。

 積めること、そして使いやすいことに特化しており、リアシートのみならず助手席まで格納(ダイブダウン)することで、最大で2635mmものスペース長を確保。広大なフラットスペースが出現し、軽自動車とは思えないほどの広々とした空間で車中泊することが可能です。

 また、全グレードで安全運転支援システム「Honda SENSING」が標準装備なのも嬉しいところ。2018年度の「予防安全性能評価」では最高ランクの「ASV+++」を獲得しています。

 搭載されるエンジンは660ccの自然吸気(53馬力)とターボ(64馬力)の2種で、自然吸気モデルには軽商用車初の6速MTを設定。WLTCモード燃費(FF車/CVT)は自然吸気エンジンが19.2km/L、ターボエンジンが18.8km/Lと大きな差がないこともあり、長距離走行の多いキャンパーには加速やパワーに優れるターボモデルが好評のようです。

※ ※ ※

 商用車というと税金など維持費の安さが注目されがちです。確かに自動車税や重量税は乗用車より格段に低くなりますが、自賠責保険は逆に高くなるケースもあります。

 また、車検が初回は2年、以降は毎年(軽商用車は2年おき)になることも忘れてはいけません。整備費用はさておき、車検にかかる金額としては主になる税金が安くなるため、2年単位で考えると乗用車より高くなることはほぼありませんが、毎年という手間まで含めて考慮すると損得の判断は難しいところです。

 任意保険も年齢条件を利用できない保険会社もあるため割高になるケースもあることから、個人ユースで商用車を所有する場合は実際の使い方に合っているかということも含めて選ぶとよいでしょう。

こんな記事も読まれています

BMW『5シリーズ・ツーリング』新型にPHEV、EVモード95km…今夏欧州設定へ
BMW『5シリーズ・ツーリング』新型にPHEV、EVモード95km…今夏欧州設定へ
レスポンス
ベルトーネが創立110周年にハイパーカーを引っ提げて華麗に復活! 6月9日に公開される「GB110」とは
ベルトーネが創立110周年にハイパーカーを引っ提げて華麗に復活! 6月9日に公開される「GB110」とは
WEB CARTOP
スズキ、「アルト」のブレーキで不適切行為が判明 性能は問題なしと確認済み
スズキ、「アルト」のブレーキで不適切行為が判明 性能は問題なしと確認済み
日刊自動車新聞
贅の極みはLSかセンチュリーかLMか……グランエースもある! 国産車の後席でもっとも快適なのはドレなのか4台を比較してみた
贅の極みはLSかセンチュリーかLMか……グランエースもある! 国産車の後席でもっとも快適なのはドレなのか4台を比較してみた
WEB CARTOP
【スーパーGT】性能調整がフェアじゃない! 元F1ドライバーから不満あがるほどのパフォーマンス見せる2号車muta。速さの秘訣はクルマづくりの緻密さか
【スーパーGT】性能調整がフェアじゃない! 元F1ドライバーから不満あがるほどのパフォーマンス見せる2号車muta。速さの秘訣はクルマづくりの緻密さか
motorsport.com 日本版
スバルが新型「WRX tS」初公開! オシャブルー内装&ワイドボディ採用!? 2024年後半に米国で発売へ
スバルが新型「WRX tS」初公開! オシャブルー内装&ワイドボディ採用!? 2024年後半に米国で発売へ
くるまのニュース
EcoFlowが自動車のオルタネーターの余剰電力を利用し1.3時間で1000Wh充電できる走行充電器「Alternator Charger」を発売
EcoFlowが自動車のオルタネーターの余剰電力を利用し1.3時間で1000Wh充電できる走行充電器「Alternator Charger」を発売
@DIME
【スクープ】アストンマーティンのV12搭載新型スーパースポーツに「ヴァンキッシュ」の名前が6年ぶり復活へ!
【スクープ】アストンマーティンのV12搭載新型スーパースポーツに「ヴァンキッシュ」の名前が6年ぶり復活へ!
LE VOLANT CARSMEET WEB
【MotoGP】クアルタラロ、イタリア決勝で大苦戦18位。ヤマハのアップデートで好転の兆し見せるも“フィジカル”への負担が問題に
【MotoGP】クアルタラロ、イタリア決勝で大苦戦18位。ヤマハのアップデートで好転の兆し見せるも“フィジカル”への負担が問題に
motorsport.com 日本版
ポルシェ『911カレラ』改良新型…空力と動力性能を向上させるデザイン[詳細画像]
ポルシェ『911カレラ』改良新型…空力と動力性能を向上させるデザイン[詳細画像]
レスポンス
ヤマハ発動機が発表した不適切行為の該当車種一覧
ヤマハ発動機が発表した不適切行為の該当車種一覧
日刊自動車新聞
ポルシェ新型911 ついにハイブリッド登場 カレラGTS T-ハイブリッド【公式動画】
ポルシェ新型911 ついにハイブリッド登場 カレラGTS T-ハイブリッド【公式動画】
Auto Prove
ホンダが発表した不適切行為の該当車種一覧
ホンダが発表した不適切行為の該当車種一覧
日刊自動車新聞
アウディのラスボス登場!? 『RS Q8』改良新型、ド迫力フェイスでニュル激走
アウディのラスボス登場!? 『RS Q8』改良新型、ド迫力フェイスでニュル激走
レスポンス
汚れも気にせず愛犬がリラックスできる広い車内 トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
汚れも気にせず愛犬がリラックスできる広い車内 トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
堂々たる体躯がユーザーを魅了! トヨタ三代目「ソアラ2.5GTツインターボL」とは
堂々たる体躯がユーザーを魅了! トヨタ三代目「ソアラ2.5GTツインターボL」とは
バイクのニュース
日産「新キャラバン」発表! “お手軽”「車中泊」仕様が超スゴイ! アンダー380万円で買える「マルチベッド」とは
日産「新キャラバン」発表! “お手軽”「車中泊」仕様が超スゴイ! アンダー380万円で買える「マルチベッド」とは
くるまのニュース
出入りしやすく進化!Bears Rock のソロテント「ハヤブサテント」がリニューアル
出入りしやすく進化!Bears Rock のソロテント「ハヤブサテント」がリニューアル
バイクブロス

みんなのコメント

17件
  • エアコンはいるけど後は余計な装備は要らない。パワーウィンドウも無くていい。ただ、シートはグレードアップして長距離運転は楽するなど自分でカスタマイズしてます。自分だけのリミテッド仕様にしてると楽しい。
  • ~「はたらくクルマ」が個人ユースでも評価されるワケ
    ↑”ワケ”ってシメるほどの背景、理由ほどではない。

    その根本は、その記事トピックさ、、道理として「なるほど、そりゃそうだよね」と安易(※)に大勢が理由、結論を理解想定できる記事トピックだからだ。
    ※(安易というのは小馬鹿にした適当、雑と言う意味で使われもするが、安心(信頼)して容易い事象のことでもある)

    なんでもかんでも、深いどころか、浅ッい捉えのお題の記事でも「~のワケ」って投げ掛け系は実に陳腐だ。
    そこに透けて見える、とにかくクリック数稼ぎのフックのつもりでも、あざとくもなれないほど、安易安直だ。あ、この場合の安易は、適当でやすっちーっていうdis,と嫌味のほうなので悪しからず ワラワラ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

127.4172.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

30.0206.3万円

中古車を検索
プロボックスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

127.4172.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

30.0206.3万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村