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【目標タイムは給油時間!】日本初のEV向けバッテリー全自動交換ステーション

掲載 24
【目標タイムは給油時間!】日本初のEV向けバッテリー全自動交換ステーション

日本初の実証実験を、京都で実施

ENEOSと、アメリカのスタートアップ企業Ampleが、日本初となる『EV向けバッテリー全自動交換ステーションの実証実験』を行うというニュースが出たのは3月のこと。

【画像】ロボットの交換作業にくぎ付け! 画像はこちら 全34枚

MKタクシーで知られるエムケイホールディングスが筆頭協力先となり、京都府、京都市を始め多くの企業も参加するこの実証実験は、ENEOSがこれまでに培ってきたエネルギーの安定供給ノウハウと、Ampleのモジュール式蓄電池交換システム、そしてこれまでタクシー車両の電気自動車化に積極的に取り組んできたエムケイが、新しいエネルギー供給インフラの可能性を検討するというものだ。

エムケイと言えば、2022年7月にヒョンデのBEVであるアイオニック5を、一気に40台も導入したことで話題になった。現在、同社の全タクシー840台中、182台がEVだという。自社で19の急速充電器を保有しており、ニチコンの50kWのものから、パワーエックスやイーモビリティパワー、韓国チェビの180kWのものまで、さまざまなタイプを使用している。

今後、さらに電気自動車の台数を増やしていくにあたり、充電インフラの運用面においてノウハウ獲得の必要性を鑑み、この実証実験に参加。ひいては将来的な事業化に向けて、課題の洗い出しを行っていくという。

目標はガソリン車の給油時間

実証実験が行われている場所は、京都市南区。エムケイの本社から徒歩3分ほどの通り沿いだ。そびえたつ白い四角の建物は、ちょっと大型の洗車機のように見える。

出迎えてくれたのは、Ampleのアメリカ人技術者。カリフォルニアから出向してきているのだという。そう説明してくれた、この事業のコンサルタントを務めるグロービング社の西本有里佳さんも、東京から京都に出向中だ。

早速、四角い枠の中に、日産リーフを停車させる。どのように充電するのかとコードを目で探していたら、「充電ではなく、『電池交換』をするのです」と西本さん。従来のように充電ポートにコードを差し込んで充電するのではなく、すでに満充電になっている蓄電池を車両床下部に取り付け・交換するのだという。つまり、このリーフはAmpleの蓄電池を搭載しているのだ。ちなみに、蓄電池をAmpleのものに取り換える作業は、リーフの場合1~2時間で可能だ。

おもむろにクルマが上昇する。機械の床面が開口し、車体下にロボットが滑り込んでくるのが見えた。アームが伸びてリーフの車体から電池を外し、ポットに戻っていく。ポット内で充電された電池に持ち替えたロボットが、再び車体下に移動してきて取り付けを行い、交換が完了。このリーフには4つの電池を搭載しているので、この作業を4回繰り返す。所要時間は15分ほど。見慣れぬ光景、しかもいかにもロボットっぽい動きに高揚感があり、時間の長さは全く感じなかったのだが、西本さんは「本当は5分間で完了させたい」と話す。ガソリン車の給油時間がそのくらいなのだそうだ。

電池なら100%充電済のものを装着可能

エムケイでは、ドライバー交代の前に充電して次のドライバーにクルマを渡すことになっている。20~30%にまで減っていたものが、30分の充電でだいたい80%まで入れられるという。それで特に不便はなさそうだし、19もの急速充電器があれば十分な気がするが、ドライバーさんによると「お昼休みと夕方はどうしても混みあう」とのこと。タクシーは稼働時間が大切なので、充電器の順番待ちのような時間はなるべく削りたいというのが本音だろう。充電ではなくこの蓄電池の交換であれば、半分の時間で済むということになる。

しかも、充電の場合はバッテリーの劣化を防ぐためにも80%までしか行わないが、蓄電池は100%満充電のものを装着できる。航続距離の面でも、それに伴う安心感を考えても、この20%の差は大きい。

この実証実験は、クロネコヤマトも協力企業となっている。運送業の場合は稼働しない夜間に充電ができるのでは、と思ったが、利用者からは「蓄電池の交換の方が、安心感がある」という声が上がっているそうだ。夜間に充電する場合、何かしらの人為的ミス等で充電に失敗する事態が起こりうる。「朝、いざ動かそうと思ったら充電できていない! となるよりも、仕事終わりに15分間かけて蓄電池交換をし、目視確認できる方がありがたい」ということだ。

こうした現場の意見を得られるのが、実証実験を行う意義なのだろう。『利便性』は一元的に語ることができないものなのだと気づかされた。

Ampleのこの蓄電池交換システムは、乗用車から小型トラックまで対応可能。設置面積が小さく、地下工事は必要ない。最速3日間で展開できるというから、全国に広がり始めたらあっという間だろう。車両の蓄電池化と合わせて、EV利用のさまざまな可能性を探る糸口になりそうだ。

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みんなのコメント

24件
  • mae********
    日本初ではないです!!
    過去(2009年)にベタープレイス社が東京と横浜で同じような「バッテリー交換ステーション」と「バッテリー交換型電気自動車(EV)」による電気自動車のバッテリー交換の実証実験を行っています。
    残念なことに同社は2013年に自己破産してしまいますが。
    正確な記事をお願いします!
  • 桃太郎侍
    次は航続距離に文句を言うだろうな、carview民は。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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