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日産セレナに「e-POWER」を追加 わずか1.2Lでストレスなく走るEV車!?

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日産セレナに「e-POWER」を追加 わずか1.2Lでストレスなく走るEV車!?

2018年2月28日、日産は主力ミニバンのセレナに電動パワートレーン「e-POWER」搭載モデルを発表し、3月1日から発売を開始する。

エンジンで発電し、モーターで駆動する「e-POWER」は2016年にノートに初めて搭載され、ノートを一躍ベストセラー車種に押し上げている。モーター駆動によるパワフルな走り、アクセルペダルで加速、回生ブレーキ減速、モーター走行ならではの静粛性などが市場で評価されたのだ。

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そして、いよいよe-POWER第2弾としてセレナe-POWERが登場した。ノートe-POWERとこのセレナe-POWERが市場でのツートップとなり販売を牽引することになるだろう。

セレナに追加設定された e-POWERのエクステリアは、フロントグリルにブルーのラインが追加され、リヤ・コンビランプには横3本ラインのLEDストップランプ、ピアノブラックのリヤ・サイドスポイラー、空力効果を生み出す専用の15インチアルミホイールを装備。

インテリアは、ブルーカラーを使用したメーターパネル、シフトセレクターはバイワイヤー化され、その右にあるスターターボタンもブルーとなり、標準モデルと差別化している。

e-POWERは、エンジンの横にモーター、インバーターを搭載し、リチウムイオン・バッテリーはフロントシートの床下に搭載している。そのため、ミニバンとしての機能で重要な室内のスペースはほとんど影響がない。しかし、フロントシートと2列目シート間を移動できるスライド式センターコンソールは廃止され、8人乗りは設定されず7人乗りだけになった。

■セレナ用のe-POWER

セレナに搭載されるe-POWERシステムは、ミニバンなのでノートより車両重量が重いことを受けて、専用チューニングされている。搭載される発電用のエンジンは、ノートと同じ1.2L 4気筒のHR12型ミラーサイクル・エンジンだが、出力は84psとノート(79ps)より7%アップ。最大トルク103Nmは変更なしだ。このエンジンはより高負荷に耐えられるようにオイルクーラーも追加されている。なおセレナに適合させるためにエンジンの発電のための稼働時間を少し拡大している。

フロントシート下に搭載されるリチウムイオン・バッテリーの容量は、ノート用は1.5kWhだがセレナは1.8kWhと20%増大。モーターの出力はノートが109ps/254Nmに対して136ps/320Nmと25%向上している。このモーターはリーフと同じだ。なおモーター出力のアップはバッテリーの容量アップによって実現しており、モーターとしてはまだまだ余力があるという。

セレナは、e-POWERの搭載に合わせて3つのドライブモード、「S」、「ECO」、「ノーマル」を設定している。「S」はスポーツモードではなくスマートモードの意味だ。このモードで、SとECOはワンペダル・ドライブ、つまりアクセルオフで減速回生を活かした走りができる。

Sモードは加速が強力でECOモードは加速が穏やかという違いがあるが、アクセルオフでの回生ブレーキ力は同じだ。通常はSモードが推奨とされている。e-POWERを搭載したセレナの加速力は、完全にひとクラス上で、競合車を上回っている。

Dモードでの加速力は、Sモードと同じだが、減速時の回生ブレーキ力は弱めで、通常のエンジン車のエンジンブレーキと同等となっている。そして、このモードではシフトセレクターでBにシフトすると、やや強めの回生ブレーキとなる。つまり、ノーマルモードは通常のエンジン車的な走りを望むユーザー向けの設定なのだ。SモードとECOモードは、ワンペダル・ドライブとなり、強い回生ブレーキが得られるのでBポジションは使用することができないようになっている。

ワンペダル・ドライブで、アクセル・オフした時の最大の減速力は0.15Gでノートと同じ設定だが、70km/h以上の車速では最大減速力を弱め、高速巡航時に、強い回生ブレーキがかからないようにする工夫も採用されている。

セレナ e-POWERは、バッテリー容量が増大したこともあり、新たにマナーモード(EVモード)とチャージモードを新採用している点もユニークだ。マナーモードはバッテリーの電力だけでの走行で、バッテリー満充電の状態で約2.7km走行できるという。そのため、走行中にバッテリーを満充電するまで発電を継続するチャージモードとセットで採用されている。マナーモードは深夜や早朝の住宅街で使用することが想定されているという。

e-POWER搭載車のJC08モード燃費は26.2km/Lで、もちろんこのクラスのミニバンでトップの燃費となっている。

またe-POWERを搭載したことで、セレナの静粛性は1クラス上のLサイズ・ミニバン並みにまで向上しており、これも大きなアピールポイントとなっている。この静粛性を実現するためにフロントガラスは遮音ガラスにし、カーペットや吸遮音材を追加している。

■運転支援システム

プロパイロット、インテリジェント・アラウンドモニター、インテリジェント・パーキングアシスト、インテリジェント・ルームミラー、踏み間違い衝突防止アシストなどがオプション設定されているが、それぞの機能も従来よりアップデートされている。

踏み間違い衝突防止アシストは、至近距離の障害物だけではなく、より離れた位置での人や車両を検知し、最高25km/hまで自動ブレーキが作動するようになっている。

またハイビームアシスト機能、道路標識検知機能、移動物体を検知できるアラウンドビューモニターなど機能の拡張が行なわれている。

インテリジェント・エマージェンシーブレーキ、車線逸脱警報、ハイビームアシスト、踏み間違い衝突防止アシストを装備した仕様は政府の「セーフティサポートカーSワイド」に適合した仕様だ。

■ショート試乗インプレッション

136ps/320Nmという強力なモーター出力を持つセレナ e-POWERは、走り出しただけでそのスムーズで力強い加速感が体感できる。セレナのようなミニバンは、多人数が乗るケースもあるので、この滑らかでトルク感がたっぷり感じられる加速は大きな魅力だ。

また、アクセルペダルのオン、オフで加減速がコントロールでき、同乗者もぎくしゃく感を感じないようにチューニングされており、ミニバンとe-POWERの組み合わせは絶妙といえる。

今回は低速走行に限られた場所での試乗だったので高速走行はできなかったが、加速時の静粛性も特筆ものだった。これなら高速道路で長距離を走っても音によるストレスはずいぶん少なくなるだろうと感じられた。

またノートe-POWERに比べても、エンジンが稼動した時のサウンドがよく抑えられ、モーター走行との落差がないのも印象的だった。

走りの印象としては、ノートe-POWERの方がより活発に感じられる。セレナは車重も重いので当然といえるが、滑らかな走りや静粛性はセレナのようなミニバンにはよくマッチしていると思う。もちろん直接駆動せず、発電に専念しているとはいえ、わずか1.2Lのエンジンで、このミニバンがストレスなしに気持ちよく走るということは目からウロコであり、それこそがe-POWERの力と言ってよいと思う。

セレナ e-POWER 装備表・諸元表

■オーテック・バージョン

オーテックも、セレナe-POWERの登場に合わせ、カスタムカー「セレナ e-POWER オーテック」を設定する。このカスタムモデルは、プレミアムスポーティをテーマに、デザイン、素材や仕上げにこだわり、プレミアム感を強調したモデルとなっている。

またライフケアビークル・シリーズとして2列目シートが回転スライドする「セレナ e-POWER ステップタイプ」、「セレナ e-POWER チェアキャブ・スロープタイプ」も設定している。

ニッサン セレナ 関連情報
ニッサン 関連情報
ニッサン公式サイト

文:Auto Prove Auto Prove 編集部
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