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「2021年で登場40周年!」スズキの名車 GSX1100Sカタナの歴史、歴代モデルを振り返る

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「2021年で登場40周年!」スズキの名車 GSX1100Sカタナの歴史、歴代モデルを振り返る

長い歴史の中でさまざまなモデルが登場しては消えていったバイク界。だが、どんなに技術が発展して環境や世代が変わろうとも、バイク自体が持つ魅力は変わらない。アニバーサリーモデルを振り返ってみれば、そのことがよく分かるはずだ。
そこで、2021年にアニバーサリーイヤーを迎えるモデルの中でも特に人気の高いモデルを紹介していく。
今回は根強いファンが多いスズキ・カタナシリーズの中から、GSX1100SおよびGSX750Sのヒストリーを簡単に振り返ってみよう。

時代を超越して復活を遂げた「不滅の刀」

【画像20点】スズキ GSX1100Sカタナの超貴重デザインスケッチ、プロトタイプ、歴代「カタナ」を写真で紹介

まさかこのままでは出ないだろう……と思われた先鋭的なデザインを見事に製品化してしまったのがGSX1100Sカタナだ。

デザインはハンス・ムートが代表を務めるターゲットデザインが担当。フレームマウントの鋭利なフロントカウル、フューエルタンクが細長く、しかし22リットルの容量を確保し、チョークの大型ダイヤルを配したサイドカバー、ツートーンの大型ダブルシートへ続くデザインは、カタナ=刀だけが持つ孤高のものだった。

エンジンはGSX1100系の4バルブ(ボア・ストローク72.0×66.0mm、1074cc)で、同年型欧州仕様のGSX1100Eより+11馬力の最高出力111馬力を誇っていた。69.4mmにボアダウンした1000cc仕様もあり、AMAスーパーバイク用のGSX1000SZ(負圧式キャブ・34mm径)と、TT-F1用のGSX1000S(強制開閉式キャブ・32mm径)があった。

当時日本では750ccまでしか販売できなかったためGSX750Sを1982年に発売。しかし、低いクリップオンハンドルは保安基準から許可されず、アップライトなライディングポジションとなるハンドル(通称耕運機ハンドル)が装着され、スクリーンも標準装備されなかった。

1100ccモデルは87年に一旦生産を終了したが、90年にスズキ創業70周年記念車として逆輸入車の形で再販。94年には国内販売排気量の上限撤廃に伴い国内正規モデルとして販売され、2000年のファイナルエディションをもってその長い歴史に幕を閉じた。が、2019年、新世代のカタナが復活を遂げ今日に至っている。

登場から40周年のGSX1100Sカタナヒストリーを振り返る

■1980 GSX1100S プロトタイプ
造形設計はドイツのターゲットデザイン社によるもの。前年にドイツの二輪誌が主催したデザインコンペ向けに製作したMVアグスタベースの「Rosso Raptor」に日本刀のモチーフを加えたような造形が特徴。
1980年のケルンショーで発表されて大反響を呼び、「ケルンの衝撃」といわれた。

■1981 GSX1100S KATANA
市販型ではシート形状を変更、風圧低減を目的としたスクリーン追加などの修正が加えられた。以後細かい仕様変更はあるものの最後まで大きな変更は加えられておらず、完成度の高さがうかがえる。
83年型でホイールを星型から6本スポークに、バックスキン調のシート表皮をビニールレザーに変更。写真は本誌85年1月号で谷田部テストコースを疾走する84年型で、最高速237.7km/h、ゼロヨン11秒34を記録した!
最高出力111馬力/8500rpm、最大トルク9.8kgm/6500rpm、車重232kg(乾燥)。当時価格59万8000円。

■1982 GSX750S
750国内仕様は“KATANA”の名が外されスポイラーやスクリーン(オプション。後に標準装備化)を省略、アップハンドル装着。多くのユーザーがハンドルを違法改造し“刀狩り”と呼ばれた検挙も頻発した。
最高出力69馬力/8500rpm、最大トルク6.2kgm/7000rpm、車重222.5kg。当時価格59万8000円。1982年2月3日発売。

■1983 GSX750S
依然としてアップハンドルではあるが形状を変更するとともに、ホイールを前後19 /18インチの星形から、16 /17インチの6本スポークに変更。最高出力も69馬力から72馬力へと向上している。
最高出力72馬力/9000rpm、最大トルク6.3kgm/7000rpm、車重222.5kg。当時価格59万8000円。1983年3月28日発売。

■1984 GSX750S KATANA
全面変更を受け、GSX750E用を改良した角断面スチールフレームと最高出力77馬力のエンジン、リヤサスも1本ショックのフルフローターを採用。スズキ初のリトラクタブルヘッドライトも採用された。
最高出力77馬力/9000rpm、最大トルク6.4kgm/7500rpm、車重236kg。当時価格69万9000円。1984年3月16日発売。

■2000 GSX1100S KATANA ファイナルエディション
ファイナルエディションはフレーム補強やチューブレスタイヤ(それまでの指定はチューブタイヤ)の採用、フロントブレーキキャリパーの4ポット化など、限定車とは思えないほどの改良が施された。
最高出力95馬力/8500rpm、最大トルク8.6kgm/4000rpm、車重232kg(乾燥)。当時価格99万円。

■2019 KATANA
17年11月開催のEICMAに「KATANA3.0」と名づけられたGSX-S1000ベースのカスタム車が登場、19年より市販化。写真は21年1月より先着100人限定販売の「KATANA特別色」
最高出力148馬力/1万rpm、最大トルク10.9kgm/9500rpm、車重215kg。税込価格154万円。

レポート●石橋知也/高野栄一 まとめ●モーサイWEB編集部・日暮
※この記事はモーターサイクリスト2021年3月号に掲載されたものを再編集したものです。

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みんなのコメント

21件
  • もうデザインそのままでエンジンやサスペンション等を変えた復刻版を出してくれれば皆、喜ぶと思う。
  • 固定ファンの多い名車。
    ここを抑えとけば買ってくれるツボをなんで外した新型を出すのか?
    流石に意味が分からん。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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