東京オートサロン2022には、個性的なクルマが数多く展示された。そのうちの1台、ロシア製SUVのVラーダを小川フミオが解説する。
Vラーダとは?
小さいけれど、存在はけっこう大きい。幕張メッセ(千葉県)をフルに使った、東京オートサロン2022の片隅で見つけたのが、「Vラーダ」だ。若いひとを中心に、意外な人気を集めているロシア製のコンパクト4WDだ。
いま買わないと、まもなく生産中止になってしまうというのも、人気を後押ししているとか。親会社のルノーでは、後継車種をすでに発表しているし、全長3.7mのキュートなボディのこのクルマの稀少価値は高まっているともいえる。
ラーダ・ニーバは、1977年に当時のソ連と結びつきの強かったイタリアのフィアットからの技術供与を受けて開発された。ただし、副変速機やセンターデフロック機構をそなえた4WDシステムは自社開発。
シンプルだけどスタイリッシュなデザインをして、“コンパクト・レンジローバー”などと持ち上げる向きもあったりして、西欧でもそれなりに人気を獲得した。人気を押し上げる理由のひとつが、パリ~ダカール・ラリー(いまはダカール・ラリー)での活躍だった。
車両が大破したり、死者まで出たりするなど苛酷な砂漠のラリーに、フランス人でなるチームがエントリー。1979年に初参加。最高位は28位。翌1980年は19位に上がり、1981年には13台が参加し、なんと3位を獲得したのだった。
日本で売られるラーダ・ニーバは「Vラーダ」と名づけられている。日本向け車両の生産を担当するウラジオストック(Vladivostok)工場の頭文字をつけたものだそう。
「いまルノーは、ロシアで売るラーダのラインナップ一新の計画を進めているところで、Vラーダも3年のうちに生産終了になるといわれています」
輸入元のスモトリジャパン(ロシア沿海地方で乗用車、商用車、建機、重機など含む大手自動車ディーラーのスモトリの現地法人)の、ビタリー・ベルケーエンコ代表取締役は、オートサロンの会場でそう教えてくれた。
価格は270万円から
同社がVラーダの販売を開始したのは3カ月前。いまは名古屋のディーラー1軒だけの取り扱いであるものの、「生産終了までに日本で1000台は販売したい」と、ベルケーエンコ氏。
ホイールベースは2200mmと、軽自動車より20cm以上短い。とはいえ、後部座席もそれなりに使えそう。1690cc直列4気筒エンジンは59kW(83ps)の最高出力と133Nmの最大トルクを発揮するので、とくに街中では扱いやすそうだ。標準は5段マニュアル変速機で、オートマチック変速機の導入も予定されている。
「このあと、“クラシック・スタイル”といって、キャンプに行ったりするのが趣味というユーザー向けに、よりオフロード・テイストの加飾をもったモデルも販売します。初期の車体色も再現したり、と、雰囲気のいいモデルだと思います」(ベルケーエンコ氏)
価格は、「クラシック・リュクス」が270万円(税抜きの推奨価格)で、「アーバンブラック」が315万円(同)。ABS、EBD(電子制御ブレーキシステム)、デフロスター付き電動ミラー、パワーウィンドウ、パワーステアリング、シートヒーター、エアコン、エンジンアンダーカバーなどが標準装備。
オプションで16インチアルミホイールやカムフラージュ塗装などが用意されている。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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