今、アドベンチャーバイク界隈を賑わせているのがアンダー1000ccクラスのミドルクラスモデルです。プレミアムクラスよりもオフロード走破性を高めた車体構成を持ち、価格も抑えめ。多様なニーズに対応できるオプションの用意などは、遠出をしたいというユーザーの夢を拡張する点でプレミアムクラス同様。スズキが2023年春に発売した「Vストローム800DE」もそんな1台で、新設計となる排気量775ccの直列2気筒エンジンと「GSX-8S」と基本骨格を共有するフレームを与えることで、開発コストや売価の圧縮を図っています。
多くの電子制御を搭載し、メーターパネルは5インチのTFTカラーモニターを搭載するゴージャスさ。バイクのサイズも格上のホンダ「アフリカツイン」と近い立派なもの。車重は230kgあるものの、乗ってしまうと軽快な走りが魅力です。
the「燃費」取材班的には、それだけではなびきません。ガソリン価格が上昇を続ける今、遠出が得意なバイクだからこそ燃費なのです。ちなみに「Vストローム800DE」の燃費性能は、国道交通省届け出値:定地燃費値(60km/h、2人乗り)が32.4km/lで、WMTCモード値(クラス3-2)が22.6km/lとなっています。燃料タンク容量は20L、ガソリンはプレミアムガス指定です。
このバイクが欲しい、でも燃費が解らなくて二の足を踏んでいる、という諸氏は、the「燃費」発信の情報を待っているハズ(きっと)。なのでミッチリといつもコースで調査してきました。
the「燃費」では、市街地、高速道路、快走路(ワインディング路)と場面を分けてテスト車の燃費を計測しています。周辺の交通の流れに合わせて走行する「ある日のツーリング」をイメージしており、計測ルートを統一化することで、過去記事との比較も楽しんで頂けます。
文中に紹介している区間距離は、取材時にテスト車のトリップメーターが表示したもの。燃費値は、テスト車の平均燃費計が示した値を表記しています。ともに区間毎にリセットしています。いわゆる走行距離を給油量で割った満タン法ではありません。
市街地計測は、都内外苑付近をスタートし、青山1丁目交差点から国道246号で赤坂見附を経て皇居方面へ。桜田門を抜け日比谷へ向かい、その先で丸の内のオフィス街をひと回りして、再び日比谷から築地、晴海を経由してそのまま直進。首都高速湾岸線の東雲付近までを走る12.5kmです。
丸の内のオフィス街を除けば、通過するルートは片側3車線の道が多く交差点のサイズも大きいのが特徴です。それゆえ直進、右折分離信号があるため、一度赤信号に掛かると停止時間が長くなり、路線バスが複数走っていると、バス停前での停止と発進のバスによる連携プレーにより、流れの速度が変化することもあります。
「Vストローム800DE」での市街地走行は、軽快さと前後のサスペンション性能の良さが見せる快適さもあって想像以上に楽しめます。高いシート位置からの視界もなかなか。エンジンは低い回転からモリモリしたトルク特性のため、走りやすいです。そのエンジンの特性は、兄弟モデルであるV型2気筒エンジン搭載のVストローム650や1050に似たもので、ガツガツせず回転もまろやか。
市街地での燃費結果は、信号待ちが多くて延びなかったのか17.4km/lとなっています。過去にテストをした「Vストローム650XT」が18.9km/l、「Vストローム1050XT」が16.3km/lだったので、結果としては排気量順ということになりました。
高速道路燃費計測は、次の2ルートで行っています。区間1は、アクア連絡道「木更津金田IC」から館山道の南端「富浦IC」直近にあるコンビニエンスストアまでの往路53.4km。区間2は、快走路燃費を計測し終えた館山道「富津中央IC」から北上し、アクア連絡道「木更津金田IC」までを走る復路25.3km。合計78.7kmです。
往路で通過するアクア連絡道は制限速度が80km/h、館山道は100km/hで、南下すると「富津中央IC」の先で片側一車線となり、制限速度も80km/hから70km/hへと変化します。
アクア連絡道は比較的平坦ですが、館山道はアップダウンが連続し、海に近い地勢の影響か風が吹くことも珍しくありません。上り坂と向かい風が重なると速度維持のためにアクセルを大きく開く必要がある場合も。つまり時に燃費にキビシイのです。
これは復路でも同様で、100km/h制限の館山道から80km/h制限のアクア連絡道へと走ることになります。
この日は風が穏やかで交通量も少なめでした。燃費結果は往路が26.4km/l、復路は25.9km/lをマーク。平均で26.1km/lとなりました。
快適な乗り心地、快適な風防性能を持つこのバイク。一定回転で走らせやすいトルク特性のエンジンゆえ、1人でも2人乗りでもその快適な走行性能は享受できそうです。
容量20Lの燃料タンクを持つこともあり、一般道よりガソリン単価が高い時期が存在する高速道路のサービスエリアを考えると、目的地と航続距離を計算して給油タイミングを図るのも賢いツーリングプランだと思いました。
ちなみに、兄弟モデル「Vストローム650XT」は平均27.4km/l、「Vストローム1050XT」が25.9km/lとなっています。ここでも結果は排気量順に並びました。
the「燃費」の快走路ルートは、一般道をつなぐ次の3区間で計測しています。区間1は、館山道「富浦IC」近くのコンビニからスタートし、国道127号、県道296号を経て「安房グリーンライン」で南下し、房総半島南端エリアの海岸線まで走る21.8km。
区間2は、南端エリアから海岸線を辿りながら千倉漁港などを経由して国道410号にアクセス。北上し国道128号を経由して再び国道410号へ。県道34号との交差点を西に向かい「大山千枚田」までを走る38.9km。
区間3は、「大山千枚田」から田畑の中を抜け県道88号を目指し、県道34号との交差点を西へ。その後、県道182号「もみじロード」を経て国道465号で西に向かい、国道127号を経由して館山道「富津中央IC」までの26.2km。合計86.9kmで計測しています。
どのルートも平坦部分とアップダウンのあるワインディング区間が50%程度で混ざり、信号の数も少なく快適なツーリングを楽しめます。
快走路での「Vストローム800DE」は、一体感あるハンドリングと扱いやすいエンジン、鼓動感ある排気音など退屈することがありません。さすがツーリングにもベストマッチなジャンルのバイクです。
そして燃費結果は、区間1が30.7km/l、区間2が30.2km/l、区間3が30.9km/lというもの。平均では30.6km/lとなりました。
気になる兄弟モデルとの結果としては、「Vストローム650XT」が平均31km/l、「Vストローム1050XT」が25.7km/lと、ここでは650クラスに近い燃費だったと言えます。
国内の制限速度よりも上の高速走行や、一般道の郊外移動で100km/h程度まで増速するWMTCモード値よりは、the「燃費」ルートは速度域が低く、「Vストローム800DE」のカタログ値、22.6km/lをしのぐことは容易に想像が出来ました。定地燃費値越えには届きませんでしたが、平地の移動ならばそのカタログ値、32.4km/lにも迫れたのかもしれません。
the「燃費」取材班的には、快走路での燃費が好調だったことが今の時代に嬉しい、そんなテスト結果だったのです。
■スズキ「V-STROM 800DE」燃費結果総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)市街地:17.4km/l高速道路:26.1km/l快走路:30.6km/l平均:24.7km/l
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
トヨタの「高級スポーティミニバン」がスゴい! 「走りが楽しい」反響多数!? 王道「アルファード」と異なる「個性」に注目! ヴェルは何が違う?
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
追突事故を避ける「2秒ルール」ご存知ですか? あおり運転にならず割り込まれもしない、ほどよい安全な車間距離の保ち方をお教えします
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
いやあ、今時のバイクなら仕様を見れば大体の想像はつきますし、競合車種も似た構成なら似たような数値になるでしょうから、そんな人は居たとしてもごく少数かと。
気に入った人は買いますよ。