この記事をまとめると
■かつて新車ではお買い得な中間グレードが人気だった
いまドヤ感の薄い「ステルス高級車」がバカ売れ! レクサスよりもハリアーの「オプションてんこ盛り」が求められる理由
■しかしいまでは最上級グレードを選ぶ人が多い
■理由のひとつに残価設定ローンの普及がある
かつてはお買い得な中間グレードが人気だった
昭和そして平成初期には多くの新車に、装備がある程度充実し買い得感の高い価格設定となっていた、“お買い得グレード”ともいわれる中間グレードが設定されていた。その当時は現金一括払いで新車を購入するスタイルが圧倒的に多かったが、安全運転支援デバイスなど、装着する装備も多くなるというハード(自動車)側の事情と、失われた30年を経て、ほとんど給料の上がらないなか、税金や社会保険負担増が続く庶民側の事情などがあり、新車を販売するセールスマンからしても「最近の新車は割高イメージが目立つ」とも言われている。軽自動車のスーパーハイト系カスタムモデルでは支払総額で250万円オーバーも珍しくないと言われる令和のいまでは、新車価格に割高イメージを持つ人も多いだろう。
また、国民全体の所得に占める税金や社会保険料の割合を示す国民負担率について、2022年度の国民負担率が47.5%と発表され、所得の約50%が税金や社会保険料で持っていかれることに世間がざわついたのは記憶に新しい。1970年の国民負担率比でほぼ倍増、本格的バブル経済が始まろうとしていた1985年の国民負担率は33.9%となり、約15%負担率がアップしている。それなのに日本はバブル経済崩壊後の失われた30年の間、ほぼ国民の所得は上がっていない。単に新車の価格設定という問題ではなく、令和の家計の状況を見れば、バブルのころに比べても先の見えない世の中にもなっており、 “新車購入は高い買い物”というイメージが定着している。
スズキ・アルトの廉価グレードとなるA(FF・CVT)の価格94.38万円が、1979年にデビューした初代アルトの価格47万円と比較しても、エアコンや各種安全運転支援デバイスが標準装着されることを考えれば、初代同等かそれ以上にお値打ちになっているので新車はそれほど高くなっていないという話もあるが、国民負担率は1979年比で17.3%増えているので、実質的には“新車が1979年より高く見える”というのも言い過ぎではないだろう。さらに、自然災害、国際紛争、政治不信(まだまだ国民負担率、つまり税金や社会保険料負担は増していく?)などもあり、まとまった現金は手元に置いて生活防衛したいという意識が高まったことなどもあり、令和のいまの新車購入では残価設定ローンを使って新車購入する人が圧倒的に多いと販売現場では口をそろえて話してくれる。
残価設定ローンの普及で新車購入時に最上級グレードを選ぶ人が多くなっている。メーカーとしても、そのようなニーズを受けて、ますます最上級グレードに力を入れているように見える。過去には中間グレードでも最上級グレードで標準装備される装備について必要なものだけオプション選択できるようになっていたが、いまでは最上級グレード専用装備というものが増えているのも最上級グレードに目が行きやすい環境を作っているといえよう。
とくに日産では、たとえばノートでは、オプションとなるものの最上級グレードでしかプロパイロットを選択できないことになっており、そして人気が高く再び新規受注停止(本稿執筆段階)となっているエクストレイルでも事実上最上級グレードしか選択肢はないともいわれている。
それではそもそも買い得グレード自体存在しないモデルも目立つなか、残価設定ローンを利用すると、どこに旨味があるのかを探ってみる。
残価設定ローンを利用すると上級グレードのほうがお買得!?
新車のなかで、昭和のころを彷彿するようなグレード体系となっているトヨタ・アクアを例にしてみた。アクアはGRスポーツを例外とすると、最上級グレードのZ、中間グレードのG、廉価グレードのXそして最廉価グレードのBがラインアップされている。買い得グレードをGにするかXにするかで意見がわかれそうなところだが、Xはヘッドレスト一体型フロントシートになっており、その装備内容から見てもフリート販売(レンタカーやカーシェアリングなど)向けグレード色が強いので、今回はGを買い得グレードとする。
両グレードともにFFとし、Zで標準装備となり、Gではオプション扱いとなるアルミホイールと、Bi-Beam LEDヘッドランプをオプション選択したGをメーカーウェブサイト上の見積りシミュレーションで試算すると、まずGでは支払い総額は266万7803円となり、これをベースに割賦元金を242万9100円として36回払いで残価設定ローン(均一払い)の試算を行うと、初回が5万4703円、月々の支払いが5万3900円、そして支払い最終回(残価分据置額)は78万500円となった。同じようにZの試算を行うと支払い総額は285万8651円となり、割賦元金を259万9800円として36回払いの残価設定ローンを試算すると、初回が5万8951円、月々が5万5600円となり、支払い最終回(残価分据置額)は90万9300円となった。
Gの試算と比較すると、Zは初回で4248円、月々の支払いで1700円支払いが多くなることになる。アクアに限らず、商談時に試算すると中間グレードと上級グレードでの支払い差がわずかとなるケースが多く、「それなら」ということで上級グレードを選択する人が多くなっているのである。「それでも、どうしても予算に収まらないというお客様には中間グレードをおすすめするようにしております」とは現場のセールスマン。
このように残価設定ローンを組むと上級グレードが魅力的にも見えてしまうのは、残価相当額を据え置く、支払い最終回分の算出方法にあるようだ。残価率自体はグレードによって差がつくことはない。算出に際してオプション分は車両価格に含まれないのだ。つまり、上級グレードは少々いらない装備が多いので、中間グレードで必要な装備だけをオプションで選んだとしても、オプション分は残価相当額算出には含まれないので、残価据置分の支払い最終回分の金額に差がついてしまう。今回のアクアでの試算でも、Zの残価額相当据置額が90万9300円なのに対し、Gは78万500円となっている。車両本体価格ではZはG比で17万円アップとなっているが、残価相当据置額では19万848円Zのほうが高くなっている。今回はオプション計上額が約16万円となるが、さらにオプション装着額が多額になれば、上級グレードのほうが買い得感はより高まるともいえよう。
ただし、ここまではあくまで残価設定ローンを利用した場合の話。現金一括払いで、しかも、10年以上など減価償却後も乗り続けるような人ならば欲しいモデルで欲しいグレードやオプションを選べばいい話で、よけいなおせっかいとなるだろう。
ただし納期遅延の目立つ昨今では、発売される新型車のなかには、上級グレードを優先的に生産するケースも目立つ。それは、オプションの多い中間グレードよりはスムースな生産が行え、納期遅延をできるだけ拡大させないようにできるとの配慮もあるようだ。
少なくとも、売り手側では上級グレードについて残価設定ローンを使って買ってもらうのが、いまの新車販売のスタンダードと捉えているのは、傾向として間違いないといえよう。
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