日産370Zの後継、ついに登場
text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
【画像】日産370Z、トヨタGRスープラ、アルピーヌA110【ライバル比較】 全48枚
待望の日産370Z(日本名:フェアレディZ)の後継モデルが、ついに登場する。
まったく新しいスポーツカーは、今後12か月以内に披露される可能性が高い。
400Zと呼ばれるこのモデルは、現行モデルよりも高いパフォーマンスを提供する、ツインターボチャージャー付きV6が搭載されると予想されている。
現行370Zは、2009年以来、最小限のアップグレードが施されおり、その後継モデルの登場が、何年にもわたり噂されてきた。
日産は最近、新しくデザインしたZバッジの商標をカナダで申請しており、それはオリジナルZモデルであるダットサン240Z、そして後の260Zと280Zを思わせる、レトロなフォントを使用している。
400Zのレトロなデザインは、バッジだけではない。
新しいデザインを知るアメリカの一部のディーラー・マネージャーは、240Zにインスパイアされたノーズと、300ZX(フェアレディZ32)にインスパイアされたテールライトが採用され、そのルーツに戻ったようだと言う。
時代遅れと批判されることの多かった370Zのインテリアには、大幅なアップグレードが施される。
アメリカ市場向けの最新モデルと、同等の素材が採用されると予想され、古くなったタッチスクリーンは、接続サービスを特徴とする、最新のインフォテインメントシステムに置き換えられる。
高度な運転支援技術が導入される一方で、デジタル計器ディスプレイも採用される可能性がある。
プラットフォームの詳細
400Zのプラットフォームの詳細はまだ明らかにされてないが、このスポーツカーの比較的少ない販売台数とマージンを考えると、新しいプラットフォームとなる可能性は低いだろう。
姉妹ブランドのインフィニティのQ50とQ60に搭載されている、後輪駆動アーキテクチャが、第一候補と予想されている。
名前が示すように400Zは、405psを出力する、フラッグシップQ60のV型6気筒3.0Lツインターボを搭載する可能性が高いようだ。
エンジンは、四輪駆動の4人乗りのQ60クーペで、0-97km/h加速は5.0秒を達成する。
オールアルミニウムエンジンは、日産GT-Rで使用される大型の3.8Lユニットを含む、VRファミリーの一部となっている。
400Zは、後輪駆動となると予想されるが、1825kgのインフィニティよりも大幅に軽量であることを考えると、その性能はより優れたものとなるだろう。
オートマティックとマニュアルで提供か
日産は、このエンジンを370Zですでに実験しており、マニュアルギアボックスに取り付けて、2018年のSEMAアフターマーケット・トレードショーで展示している。
さらに新しいZモデルの、テスト用の最新のプロトタイプは、改造された370Zのボディーワークが使われていた。
トヨタGRスープラやアルピーヌA110などのライバルは、マニュアルのモデルを提供していないが、この370Zの後継モデルは、昔ながらのスポーツカーの愛好家の支持を得るため、オートマティックに加え、マニュアルのギアボックスが提供されるだろう。
ニスモが、よりハードコアなサスペンション・チューニングと、レーシング・スタイリングで、将来的に400Zより高速なバリエーションを実現する可能性もある。
現行370Zニスモは、標準車に比べてわずか16psのブーストにとどまったが、ターボチャージャーによって、より多くのパワーを発揮することが可能となっていた。
昨年のAUTOCARとのインタビューで、同社の商品計画のトップ、イヴァン・エスピノーサは、新しいZモデルについて「もうすぐ披露できるでしょう」と述べ、準備が整いつつあることをほのめかしていた。
発表日程
400Zの発表日程は、まだ明らかにされていない。
当初、年内のデビューが期待されていたが、パンデミックの影響により、来年まで発表が遅らされる可能性が高い。
日産がヨーロッパ市場にこのモデルを投入するか、また右ハンドルを提供するかについては、まだ明らかにされていない。
米国よりも厳格なCO2目標を設定している欧州での販売は、同社のCO2排出量にマイナスの影響を及ぼす。
いずれにしても、販売台数はそれほど多くないモデルなので、欧州市場への供給を制限することで、CO2の問題を最小限に抑えることも可能となるだろう。
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