大きく、豪華になった四代目スカイライン
現行のV37型系で十三代目となる日産スカイライン。その歴史は1957年、のちに日産に吸収されることとなるプリンスから、高級セダンとして登場したことによって始まった。1963年の二代目からは車格をひとつ落とし、ファミリー向けのセダンに転身。この2代目において、レース活動に向けた2000GTというモデルも登場、以後長いことスカイラインは4気筒のファミリー向けモデルと、6気筒のGT系モデルの二段構えでその系譜を継いでいくことになる。
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【画像57枚】迫力のスカイラインとその詳細な制作工程を見る!
1972年9月、スカイラインは三度目のモデルチェンジを行い、C110型系へと移行した。この四代目スカイラインが、巧みな広告戦略によって歴代最大の販売成績を誇る人気モデルとなったことは、特に有名だ。次の5代目・C210型系へとチェンジするまでの5年間で、実に合計67万台を売り上げている。むろん、いくら宣伝が良くても、クルマそのものが良くなくては売れる訳がない。二、三代目と徐々に強調されてきたスポーツイメージ、そして初代から継承されてきたゴージャスムード、そのハイレベルな融合こそケンメリ大成功の理由であった。
豪華なムードは先代よりも若干大柄なボディと、よりアメリカンな印象を強めたボディスタイルからもたらされている。ボディサイズは先代C10型系より全長で45mm長く(4気筒モデルでは60mm)、全幅で30mm広くなった。このサイズ拡大を活かし、スタイリングは曲面的かつ丸みの強いものへと変化。リアフェンダーに入るプレスライン、所謂サーフィンラインは、エッジとしての盛り上がりではなくその下の抉れを強調した形となっている。2ドア・ハードトップ、および4ドア・セダンのGT系には円形のテールランプを採用し、スカイラインらしさをよりアピール。
機構的には先代C10系からほぼ変わりなく、L20型6気筒2Lエンジンに前ストラット/後セミトレのサスペンションという基本コンポーネンツ(GT系の場合)を受け継いでいる。GTではシングルキャブ、GT-Xではツインキャブとなるのも先代同様。一方、4気筒モデルはプリンス直系のG型エンジンを搭載。1.5Lは1.6Lへと拡大、1.8Lはそのままだった。こちらのサスペンションはリアがリーフリジッドとなる。L型と違いクロスフローのG型は吹け上がりもよく、鼻先の短さによる軽快な走りから、GTよりむしろこちらを好むツウも少なくなかったようだ。バン/ワゴンは4気筒のみの設定であった。
GTとGT-Xの違いについて述べておくと、GT-Xの方が豪華版であり、外観においてはエンブレムだけでなく、フロントグリル断面部などのゴールドのアクセントで識別できる。また、フロントグリルおよびリアガーニッシュは、GTの方は濃いめのメタリックグレーであるのに対し、GT-Xではほぼブラック。内装ではパワーウィンドウが装備されるほか、ステアリングホイールやシフトノブ、サイドブレーキなどを木目とし、オーバーヘッドコンソール(各種警告灯組み込み)も装着されるのがGT-Xの特徴である。
贅沢なキットをさらに完成度高く制作!
新車当時の人気が高く、また旧車としての人気も高いケンメリだけに、プラモデル化は数多い。かつては1/20、1/16など大スケールのものもいくつかあったが、現在(2022年12月)入手可能なのは1/24スケールのみとなる。2ドア・ハードトップに限定すると、アオシマ製のGT-RとGT-X、フジミ製のGT-Rが長らく親しまれてきたが、今年(2022年)になって、ハセガワからGT-RとGT-Xが発売されている。ここでお目にかけているのは、アオシマ製キットのLBワークス版を制作したものだ。
LBワークスとは、お馴染みリバティーウォークが手掛けるブランド。このケンメリは、水野ワークス製オーバーフェンダーやテールパネル/3分割スポイラー、オイルクーラー、内装にはダッツンコンペやダッツンバケットなどを装着して仕上げられた、リバティーウォーク・加藤代表の愛車であり、アオシマ製キットもそれらのパーツをセットした、非常に贅沢な内容となっている。作例はこのキットをより完成度を高くする方向で制作しているので、その詳細については工程写真に添えたキャプションをぜひお読みいただきたい。この前編ではボディ周りの加工と塗装まで、その続きは後編での紹介となるのでお楽しみに。
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