現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > BMW新型「M3」を80馬力アップ! ACシュニッツァーの普段遣いできるチューニング内容とは

ここから本文です

BMW新型「M3」を80馬力アップ! ACシュニッツァーの普段遣いできるチューニング内容とは

掲載 更新 7
BMW新型「M3」を80馬力アップ! ACシュニッツァーの普段遣いできるチューニング内容とは

■日常域で快適に使えるBMW「M3」のチューニングカー

 レーシングカー開発から得たノウハウを元に、ストリート用のアイテムを開発しているACシュニッツァー。いわずと知れた、BMWのチューナーである。

【画像】最新「M3」をフルシュニ仕様にしたらこうなる!(23枚)

 そんなACシュニッツァーが、G80型「M3」用のアイテムを発表した。BMWが2ドアクーペの「M4」をラインアップしているいま、M3はスポーツセダンという位置づけとなる。しかし、2ドアクーペボディがM3だったときにも「M3リムジン」があったように、スポーツできる4ドアという存在には需要がある。当然ACシュニッツァーも、セダンだからといってチューニングレベルを落とすようなことはしていない。では、その内容を確認していこう。

●エンジンはそのままにパワーアップ

 まず出力面だが、これはエンジン本体やターボチャージャー、エンジンを制御するコンピュータであるDME本体はノーマルのまま、パフォーマンス・アップグレードを装備することによって増強されている。

 数値的にいうと、375kW(510ps)・650Nmというノーマルのスペックから、434kW(590ps)・750Nmへと、80ps・100Nmの出力向上を実現している。

 このパフォーマンス・アップグレードは、いわゆるサブコンといわれるものだ。各種センサーとDMEの間に介在することで、DMEの制御はそのままに、パワーユニットが持つ潜在能力を引き出すという利点がある。

 また、DMEがそのまま制御をしているということは、何かしらの異常が起きたときには、DMEがリタードをおこなってくれるため、トラブルに対する安全度は高い。

 ただし、DME自体のデータを書き換えるわけではないので、タービン交換などをする場合には対応できないし、パワーユニットの特性そのものを変えられるものではないという面はあるものの、ストリートユースという使い方を考えれば、十分以上のパワー・速さを実現してくれる。

 また、現在ACシュニッツァーは、G80型M3用のエキゾーストシステムを開発中だ。オールステンレス製で、片側2本のφ110mmカーボンテールパイプを持つこのエキゾーストは、サウンドの音量ではなく音質を変えつつ排気効率向上を実現している。これに使われているカーボン製テールパイプは、単品として2021年12月に発売される予定だが、エキゾーストシステムそのものは、発売までもう少し時間が掛かるようだ。

■ステージに合わせてステップアップできるエアロパーツとは

 さらにサスペンションは、減衰力をバンプ側は低速域と高速域の2WAY、リバウンド側は1WAYで調整可能な車高調整式である「RSコイルオーバー・サスペンション」を開発している。

 すでにフロントを15mmから20mmローダウンできるスプリングキットは完成しているが、こちらのリアスプリングは、純正をそのまま流用し、交換しない設定となっている。

 これは、4ドアボディ、つまり後席にもパッセンジャーが乗車するということを想定してのものだ。日常的な快適性を保ちつつ、より高いコーナリングスピードを実現するというのがその狙いだ。

 減衰調整式車高調サスであるRSコイルオーバー・サスペンションは、その狙いを1段上にシフトしたもの。サーキット走行など、より積極的なドライビングをする際の、セッティング幅を大きく広げている。

 ホイールは軽量鍛造のAC3に、G80M3用として20×10.0Jサイズを用意した。カラーバリエーションは、シルバー/アンスラサイトと、アンスラサイト/シルバーの2色。装着するタイヤサイズは、フロントが285/30R20、リアは295/40R20となる。同サイズで鋳造モノブロックのAC1も用意されている。

●考えつくされたエアロパーツ

 エアロダイナミクスのラインアップは、フロントスプリッターとフロンドサイドウイング、リアルーフスポイラー、リアスポイラー、カーボン製レーシングリアウイング、レーシングリアウイング用ガーニーフラップ、カーボン製リアディフューザー、デザインパッケージ、サイドスカートプロテクションフィルムとなる。

 これらのパーツを開発するときの基本となっているのは、フロントスプリッターだ。200km/hで走行しているときに、40kgというダウンフォースを発生するこのアイテムは、高速安定性の向上に寄与するパーツだ。これにM3専用に開発されたフロントサイドウイングを装着すると、サーキットでのコーナリングスピードを高めることが可能となる。

 そしてこうして稼いだフロントのダウンフォースとバランスさせるために装着するのが、リアスポイラーだ。こちらは同条件で20kgのダウンフォースを得ることができる。

 さらにより強いダウンフォースを得たい場合には、50kgのダウンフォースを発生するカーボン製レーシングリアウイングや、追加することで合計70kgのダウンフォースを生み出すガーニーフラップの装備がオススメだ。走るステージに合わせた空力セッティングができるようになっているのがACシュニッツァーらしい。

 加えて、ルーフの空気の流れを改善するルーフスポイラーや、フロア下でのダウンフォースを生み出すカーボン製リアディフューザーも、空力面での装備となる。デザインパッケージはフェンダーとボンネットダクトのアクセントがセットとなり、サイドスカートプロテクションフィルムは、高速走行時に傷つきやすい部分を保護してくれるものだ。ACシュニッツァーのエンブレムも同時にラインアップされている。

 インテリアでは、操作をする際のキーアイテムであるステアリングホイールを新たに開発した。リムには黒のパーフォレーテッドナッパレザーとアルカンターラが組み合わせられていて、左右のグリップ部には親指がちょうどはまるくぼみが設けられている。

 ステアリングトップのセンター部には、ロゴが入ったライトグレーのモータースポーツインジケーターがあるため、ステアリングの位置を確実に、意識せずに判断することができる。さらに、操作性に優れたアルミ製のシフトパドルや、ペダルとフットレスト、iDrineコントローラーのカバーもラインアップしている。

 ACシュニッツァーはこのG80型M3を、快適な乗り心地を持つ日常的なクルマであると同時に、コーナリングやレースに適したスポーツカーでもあると考えている。だからこそ、パワーと空力、サスペンション、インテリアを統合した開発をしているのだ。

 そのため、フル装備すれば、ACシュニッツァーの考えるM3の理想形が、一気に実現できる。しかし、ひとつひとつのアイテムは単品での購入も可能だ。それぞれのパーツの装着効果を体感しながらステップアップをするという楽しみかたもできるのが、うれしいところだ。

こんな記事も読まれています

みなとみらいのヤマハ発信拠点で“外に繰り出したくなる”イラスト展開催 12月11日~15日
みなとみらいのヤマハ発信拠点で“外に繰り出したくなる”イラスト展開催 12月11日~15日
レスポンス
ルクレール、”チームオーダー無視”のサインツJr.を批判「優しくすると、いつも損をするんだ!」
ルクレール、”チームオーダー無視”のサインツJr.を批判「優しくすると、いつも損をするんだ!」
motorsport.com 日本版
F1 Topic:ホテルでも空港でも遊べる“ギャンブルの街”ラスベガス。気になる賭け率とガスリーの躍進
F1 Topic:ホテルでも空港でも遊べる“ギャンブルの街”ラスベガス。気になる賭け率とガスリーの躍進
AUTOSPORT web
異形の「センチュリーロイヤル」!? 唯一無二の“Sワゴン型”なぜ存在?
異形の「センチュリーロイヤル」!? 唯一無二の“Sワゴン型”なぜ存在?
乗りものニュース
クルマはいまやボディだけじゃなくてシートもコーティングが基本! 車内で飲食するなら「布シートコーティング」は必須だった
クルマはいまやボディだけじゃなくてシートもコーティングが基本! 車内で飲食するなら「布シートコーティング」は必須だった
WEB CARTOP
エンブレムが立ち上がった! メルセデスベンツ『EQS』が「電気自動車のSクラス」らしく進化 1535万円から
エンブレムが立ち上がった! メルセデスベンツ『EQS』が「電気自動車のSクラス」らしく進化 1535万円から
レスポンス
4連覇達成のフェルスタッペン、レッドブル離脱は考えていたのか? 内紛とライバル猛追に苦しんだ2024年を回顧
4連覇達成のフェルスタッペン、レッドブル離脱は考えていたのか? 内紛とライバル猛追に苦しんだ2024年を回顧
motorsport.com 日本版
もう“永遠の2番手”じゃない。ヌービル、悲願のWRC初タイトルは「諦めず頑張り続けたご褒美。残る全てはオマケだ!」
もう“永遠の2番手”じゃない。ヌービル、悲願のWRC初タイトルは「諦めず頑張り続けたご褒美。残る全てはオマケだ!」
motorsport.com 日本版
「くっそかっこいいやん!」トライアンフの新型ミドルアドベンチャー登場にSNSは好感触
「くっそかっこいいやん!」トライアンフの新型ミドルアドベンチャー登場にSNSは好感触
レスポンス
「横で積む」それとも「縦に置く」? 知らないドライバーも多数! 外した「夏タイヤ」の「正しい積み方」正解はどっち!?
「横で積む」それとも「縦に置く」? 知らないドライバーも多数! 外した「夏タイヤ」の「正しい積み方」正解はどっち!?
くるまのニュース
メルセデス・ベンツ「Gクラス」の電動仕様「G580」のスゴさとは? 戦車みたいに“その場”で旋回! BEV化にて舗装路も悪路も「走りが格上」に
メルセデス・ベンツ「Gクラス」の電動仕様「G580」のスゴさとは? 戦車みたいに“その場”で旋回! BEV化にて舗装路も悪路も「走りが格上」に
VAGUE
初めてのスポーツバイクにオススメ 『境川サイクリングロード』を走ってみた
初めてのスポーツバイクにオススメ 『境川サイクリングロード』を走ってみた
バイクのニュース
サインツ予選2番手「マクラーレンに勝ってタイトルをつかむため、最大限のポイントを獲得する」フェラーリ/F1第22戦
サインツ予選2番手「マクラーレンに勝ってタイトルをつかむため、最大限のポイントを獲得する」フェラーリ/F1第22戦
AUTOSPORT web
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
Auto Messe Web
【カワサキ×IXON】初コラボでジャケットを設定!2024秋冬から販売中!緑がチラチラ、かっこいい!  
【カワサキ×IXON】初コラボでジャケットを設定!2024秋冬から販売中!緑がチラチラ、かっこいい!  
モーサイ
残す? それともクビ? レッドブル、ラスベガスでも大苦戦セルジオ・ペレス処遇を最終戦後の会議で決定へ
残す? それともクビ? レッドブル、ラスベガスでも大苦戦セルジオ・ペレス処遇を最終戦後の会議で決定へ
motorsport.com 日本版
4K映像 × EIS手ブレ補正機能搭載のバイク用ドライブレコーダー「AKY-710Pro」の予約販売が12月末スタート!
4K映像 × EIS手ブレ補正機能搭載のバイク用ドライブレコーダー「AKY-710Pro」の予約販売が12月末スタート!
バイクブロス
悲願の「全固体電池」が実現間近! ホンダが2020年代後半の量産開始を目標にしたパイロットラインを初公開
悲願の「全固体電池」が実現間近! ホンダが2020年代後半の量産開始を目標にしたパイロットラインを初公開
THE EV TIMES

みんなのコメント

7件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1018.01263.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

235.03850.0万円

中古車を検索
M3 クーペの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1018.01263.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

235.03850.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村