今後3年間のトヨタ&レクサスのニューモデル戦略を紐解く本企画。
3本企画の最後となる本記事・第3弾は、2023年に登場が目されるニューモデル、スポーツモデル、EV(電気自動車)の未来についてフォーカス。
日本導入2021年秋を発表した電動4ドアクーペ! アウディe-tron GTをひと足先に試乗チェック!
ベストカーの取材班が調べ尽くした、すべての情報を大放出する!
●全3回で扱う各トピック
・【1/5月1日公開】トヨタ 盤石の2021年新車攻勢とSUV戦略全情報 どうなる新型ランクル&クラウンSUV →こちら
・【2/5月2日公開】トヨタ 勝負の2022年新車攻勢とHV戦略全情報 どうなる新型ノア&86&新SUV →こちら
・【3/本記事】トヨタ 本命次期プリウス登場 2023年新車攻勢とEV戦略全情報 スポーツモデルの未来は??
※本稿は2021年3月のものです。新型車の登場時期予想はベストカー調べ
文/ベストカー編集部 写真/TOYOTA 予想CG/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2021年4月26日号
【画像ギャラリー】最大の注目はクラウン? プリウス? 2023年期待のトヨタニューモデルをギャラリーでチェック!
■2023年の注目モデル
2023年の目玉はプリウスのフルモデルチェンジだろう。そのほかの情報をすべて把握できているとも言えず、今後さらなる大物モデルの登場もありうるが、現状ではプリウスが最も気になるニューモデルだ。
プリウスは現行型でTNGAを採用して一新したため、次期モデルはそのキャリーオーバーが基本だが、注目はデザインで、現行型よりもさらにスタイリッシュでスポーティなスタイルとなる。
そのほか直6、3Lターボ、520psのスープラGRMNも電動化時代開幕直前の純エンジンスポーツとして大いに期待したい2台。最後のピュアスポーツとして大暴れしてもらいたいものだ。
●トヨタ 新型プリウス(2023年登場)…2023年1月デビューを目指して開発中の新型プリウス。最新情報では基本的にキープコンセプトで、パワーユニットは現行型のリチウムイオン電池の1.8Lハイブリッドを搭載するとのこと。ただしベースエンジンは飛躍的に効率を向上させ、さらなる燃費性能の進化を果たす。注目はスポーティなデザインで、TNGAによる低重心フォルムをさらに進化させ、低くてワイドなボディシルエットを実現。
ファミリカーではなくスポーティクーペのような佇まいを目指しているという。また、未来的なデザインのインテリアもセールスポイントとなり、次期モデルでは一層の若返りを果たすという。当然、走りも大きく進化するはずだ。
トヨタ 新型プリウス(2023年登場・画像はベストカー編集部による予想CG)
【新型プリウスのライバルとなるのは?】Cセグハッチバックの強敵といえばVWゴルフ。間もなく日本での発売を開始する新型はマイルドハイブリッドを採用。その乗り味はいかに?
●トヨタ 新型 スープラGRMN(2023年登場)…スープラの最終進化バージョンとなるGRMNも2023年登場。LFAを超えるトヨタ史上最強のFRスポーツとなる。
トヨタ 新型 スープラGRMN(2023年登場・画像はベストカー編集部による予想CG)
■スポーツモデルはどうなる?
SDGsの時代になってもクルマの華であるスポーツモデルは欠かせない。超低燃費型ハイブリッドを大量に持つトヨタは企業平均燃費で有利で、他社よりもスポーツモデルを作れる余地が大きい。
現状、発売が予定されているスポーツモデルは以下のとおりだ。レクサスIS F&LS F(今年末~2022年)、新型86(2022年1月)、カローラスポーツGTMN(2022年7月)、GRハイパースポーツ第2弾(2023年)、スープラGRMN(2023年)。意外なことにハイブリッドはGRハイパースポーツしかない。
BRZとともに期待が募るトヨタ・新型86は2022年登場予定(画像はベストカー編集部による予想CG)
なかでもベストカーが注目したいのはカローラスポーツGRMNで、GRヤリスの直3、1.6Lターボエンジンを搭載する4WDスポーツだ。
GRヤリスは3ドアで室内が狭い、走りに特化したラリーベース車だが、こちらは5ドアで実用性も充分。それでいてあの爽快な走りが楽しめるのだから価値は高い。
2022年の登場と目されるカローラスポーツGRMN(画像はベストカー編集部による予想CG)
また、レクサスISとLSに「F」が計画されており、早ければ今年中にデビューするとの情報もある。ISは米国仕様の「Fスポーツパフォーマンス」に搭載されているV8、5L NA、LSは新開発のV6、4Lツインターボが有力。IS Fは481ps、LS Fはなんと660psになるという。
2022年は新型86、2023年はスープラGRMNという大物もスタンバイ。純ガソリンエンジン車の最後を飾るにふさわしいクルマが出番を待っている。
■これからのEV戦略はどうなる?
この先の新車戦略を語る時、どのメーカーであってもEVの話題は避けられない。トヨタももちろん着実にEV戦略を進めている。
近いところでは、今年中に米国で2車種のEV(+1車種のPHV)を発売すると発表しているほか、4月下旬の上海モーターショーでe-TNGAを使ったスバルとの共同開発によるCセグメントのEVを公開することもアナウンスしている。
米国のEVは中国で販売しているC-HRのEV版(中国名IZOA)が有力で、もうひとつはカローラクラスの新型EVという情報。上海モーターショーで公開されるEVは2022年には日本でもデビューすることになりそうだ。
中国で発表されたIZOA(EV)
EV専用プラットフォームのe-TNGAは汎用性が高く、C~Dセグメントに対応。ホイールベースの伸縮が可能で、ボディを替えることでさまざまなカテゴリーのクルマを作ることができる。
第1弾はSUVタイプだが、次期型は現行1.8Lハイブリッドのキャリーオーバーとなるプリウスも、e-TNGAを使ったEVが遅れて追加される可能性もあるだろう。
上海モータショーで発表された新EVシリーズのコンセプトカー「TOYOTA bZ4X」
こちらは3月に発表された、レクサスの新たなEVコンセプトカー「LF-Zエレクトリファイド」
トヨタは2030年までに世界で100万台以上のEVとFCVを販売する目標を掲げている。2020年代前半には技術的ブレークスルーとなる全個体電池を実用化するとも明言しており、ここから一気に進んでいくことになりそうだ。
ただし、パワーユニットは仕向地別に最適なものを選んでいくというスタンスは変わらず、これからもトヨタは全方位戦略を推し進めることになる。
それは、すべてのパワーユニットを揃えるトヨタにしかできない戦略でもある。
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