現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 弾丸フォルムのテンロク・スポーツ!タミヤ製プラモ「ワンダーシビック」をSi化する・後編【モデルカーズ】

ここから本文です

弾丸フォルムのテンロク・スポーツ!タミヤ製プラモ「ワンダーシビック」をSi化する・後編【モデルカーズ】

掲載 9
弾丸フォルムのテンロク・スポーツ!タミヤ製プラモ「ワンダーシビック」をSi化する・後編【モデルカーズ】

ホンダらしい合理性とスポーツ指向の結合

タミヤ製プラモデルのワンダーシビックについて、再現されているグレードが25i(実車デビュー当初のトップグレード)であること、またこれを改造してSiとした作品については、前編の記事(下の「関連記事」参照)ですでに述べた。ここでは、実車のワンダーシビック、つまり三代目シビックについて、もうすこし掘り下げてお伝えしてみよう。

アオシマが『BTTF』デロリアンのリニューアルを発表!【静岡ホビーショー2023速報】

【画像38枚】外装、シャシー、インテリア……作例の細部仕上げ工程を見る!

ホンダの小型車シビックは1973年に初代がデビュー。前身とも言えるホンダ1300/145では3ボックス・スタイルのセダンとクーペが基本となっていたが、シビックでは2ボックス・スタイルを採用し、シンプルなスタイルと相俟って新鮮な印象を与えた。しかし、1979年に登場した二代目は完全なキープコンセプトモデルで、ノッチバックの4ドア・セダンを加えるなどの変化はあったものの、全体にとても地味なイメージであり、不振にあえぐこととなる。それだけに、三代目へのモデルチェンジには大きな期待がかかっていたのである。

シビックと、その兄弟車であるバラード(二代目シビックの途中から加わった)のフルモデルチェンジは1983年9月に行われた。また、これに先行して、バラードをベースとしたスポーティな3ドア・ハッチバッククーペのバラード・スポーツCR-Xが同年7月にデビューしている。バラードのラインナップがこのCR-Xと4ドア・セダンの2種であったのに対し、シビックは3ドア・ハッチバックをメインに、4ドア・セダンと5ドア・ワゴン/バン(前者はシャトル、後者はプロと名乗った)の3種からなる。

そのスタイルはロー&ワイド感を強調した、非常にエッジの利いたもので、特に3ドアは、スパッと切り落とされたようなリアエンドが特徴的であった。この処理はAMCグレムリン(1970年)なども思い起こさせるものではあったが、ホイールベースを長く採り、エンジンなどのスペースはできるだけ小さくして、室内空間を最大まで確保しているところが現代的である。こうしたパッケージングを、ホンダではMM思想(マンマキシマム・メカミニマム)に基づくものとしていた。

一方セダンはそれほど奇をてらった部分はないが、リアデッキを高くしてトランク容量を稼いでいたのが特筆される。またワゴン/バンであるシャトル/プロでは一変して背高スタイルを採用、これもまたスペース効率を考えてのものであるのは勿論で、このようにシリーズ全体で非常に合理的な設計がなされていたのが特徴である。

エンジンは当初はSOHCのみで、1.3Lと1.5Lのそれぞれシングルキャブ仕様、そして1.5Lの電子制御インジェクション仕様の3種を用意。セダンには1.3Lは搭載されなかった。サスペンションは、フロントはストラットだがスプリングをトーションバーとすることで、ノーズを低く抑えることに成功している。リアはトレーリングアームとビームアクスルによる車軸式で、それまでのストラットに比べると技術的には後退したような印象だが、これも車内スペースの確保とステアリング性能の向上に貢献していた。

DOHCエンジンを搭載したSiが発売されたのはデビュー翌年である1984年、11月のこと。このエンジンは1.6LのZC型で、電子制御インジェクションのPGM-FIと組み合わせられ最高出力135psを発揮した。25iの1.5L SOHCと比べて、35psも高出力となる。また、このエンジンのカムカバー避けのため、ボンネットにパワーバルジが設けられたのが、Siの外観上での特徴ともなった。Siについては、全日本ツーリングカー選手権(JTC)での活躍も印象深いが、これに関しては、JTC仕様の作例を採り上げた記事(下の「関連記事」参照)もご覧いただきたい。

Siの追加と時を同じくして、シャトルには4WDモデルが追加されている。これはパートタイム方式の四輪駆動で、エンジンは1.5Lのシングルキャブが組み合わせられていた。また、1985年3月には、セダンにもSiが加わった。ハッチバックとは異なり、こちらはパワーバルジを持たないが、これはセダンのノーズが元々ハッチバックより高く設計されていたためであろう。同年9月にはマイナーチェンジで細部の小変更を実施、1986年9月にはシャトル4WDの四輪駆動機構をフルタイム方式に変更し、1987年9月にフルモデルチェンジされている。

タミヤらしさ光る良作キット
三代目シビック/二代目バラードは、現在でもモデルカーの題材としては人気があり、新たなミニカーなどもリリースされているが、プラモデルではタミヤが1/24スケール・キット化しているのみである。シビックはSi追加より以前に製品化されたため、当初のトップグレードである25iを再現。ホイールも社外アルミとなるのが特徴である。後にレース仕様としてSiもキットとなったが、ボンネットのパワーバルジはボディとは別部品で、当該箇所に取り付け孔を開けて接着するようになっていた。

シビックとCR-Xのいずれも、エンジン再現は省略されたプロポーションモデルで、インテリアもバスタブ式となる。構成としてはそのように簡素化されていたのだが、シビックとCR-Xでシャシーを作り分けていたり、そのシャシーもエンジン部分の周囲が抜けた成型となっていたり(以降一般的となったが当時はまだ珍しい抜き方だった)と、タミヤらしい凝った部分が楽しませてくれる。ボディもイメージをよく捉えたもので、今の目で見ても遜色のない名作キットと言ってよいだろう。

こんな記事も読まれています

ランボルギーニ公式コーヒー? 「ラヴァッツァ」とのパートナーシップ発表
ランボルギーニ公式コーヒー? 「ラヴァッツァ」とのパートナーシップ発表
レスポンス
「とても生産的」な学びを得たアロンソ。今季最多ポイント獲得のアストンマーティン/F1カナダGP
「とても生産的」な学びを得たアロンソ。今季最多ポイント獲得のアストンマーティン/F1カナダGP
AUTOSPORT web
手ぶらでサーキット体験!! レンタル車両にプロのレッスンまで! ブリヂストンのeスポーツとリアルのコラボが魅力満載
手ぶらでサーキット体験!! レンタル車両にプロのレッスンまで! ブリヂストンのeスポーツとリアルのコラボが魅力満載
ベストカーWeb
「マジでどうにかならないの?」 クルマの「水アカ問題」どう対処? “ガンコなこびりつき”を解決するアイテムとは
「マジでどうにかならないの?」 クルマの「水アカ問題」どう対処? “ガンコなこびりつき”を解決するアイテムとは
くるまのニュース
1987年に登場した「カローラFX16」の再来!? トヨタが米国市場で「カローラFXスペシャルエディション」を発表
1987年に登場した「カローラFX16」の再来!? トヨタが米国市場で「カローラFXスペシャルエディション」を発表
バイクのニュース
顔つき激変! トップグレードRSも登場! 何度も言うけど[いすゞ]は[MU-X]を日本に入れてくれ!
顔つき激変! トップグレードRSも登場! 何度も言うけど[いすゞ]は[MU-X]を日本に入れてくれ!
ベストカーWeb
セナ没後30周年。マクラーレンのモナコGPはセナ一色! モナコ大公アルベール2世が新型「アルトゥーラ スパイダー」をドライブして華を添える
セナ没後30周年。マクラーレンのモナコGPはセナ一色! モナコ大公アルベール2世が新型「アルトゥーラ スパイダー」をドライブして華を添える
Auto Messe Web
Good Bye!「アバルトF595/695」が日本市場向けの生産を終了。残るは在庫のみ
Good Bye!「アバルトF595/695」が日本市場向けの生産を終了。残るは在庫のみ
Webモーターマガジン
[Pro Shop インストール・レビュー]トヨタ アルファード(ショップデモカー)by サウンドエボリューション・ログオン
[Pro Shop インストール・レビュー]トヨタ アルファード(ショップデモカー)by サウンドエボリューション・ログオン
レスポンス
ボディサイズの割に4人快適に乗れる!! リッター30km超えの[フィット]でカッコ悪いと言われてる部分って?
ボディサイズの割に4人快適に乗れる!! リッター30km超えの[フィット]でカッコ悪いと言われてる部分って?
ベストカーWeb
僕のマシン、何か変だよ……ヒュルケンベルグ、カナダGPの入賞阻んだマシントラブルの究明求む「最初から感触は良くなかった」
僕のマシン、何か変だよ……ヒュルケンベルグ、カナダGPの入賞阻んだマシントラブルの究明求む「最初から感触は良くなかった」
motorsport.com 日本版
日産 新型「小さな高級車」初公開に大反響! 斬新「“卍型”ホイール」&迫力グリル採用! “高級感がマシマシ”の「ノートオーラ」に熱視線
日産 新型「小さな高級車」初公開に大反響! 斬新「“卍型”ホイール」&迫力グリル採用! “高級感がマシマシ”の「ノートオーラ」に熱視線
くるまのニュース
“直列6気筒ツインターボ”は529馬力を発生! 「BMWアルピナの中核モデル」に誕生した「エボリューションモデル」の気になる実力とは?
“直列6気筒ツインターボ”は529馬力を発生! 「BMWアルピナの中核モデル」に誕生した「エボリューションモデル」の気になる実力とは?
VAGUE
[15秒でわかる]ホンダ『N-VAN e:』…EV拡充計画の第1弾
[15秒でわかる]ホンダ『N-VAN e:』…EV拡充計画の第1弾
レスポンス
使いこなせば一流営業マンも夢じゃない? 紙カタログの廃止で変化する[新車営業術]
使いこなせば一流営業マンも夢じゃない? 紙カタログの廃止で変化する[新車営業術]
ベストカーWeb
ヘッドレストのレストは休憩の意味ではなかった! 正しい調整をしないと事故の際に「むち打ち」の可能性が大幅アップ
ヘッドレストのレストは休憩の意味ではなかった! 正しい調整をしないと事故の際に「むち打ち」の可能性が大幅アップ
WEB CARTOP
少しうるさい?ロータリーエンジン マツダMX-30 R-EV 長期テスト(3) 不調で車両交換
少しうるさい?ロータリーエンジン マツダMX-30 R-EV 長期テスト(3) 不調で車両交換
AUTOCAR JAPAN
碓氷峠最速の男は俺だ! 新井大輝選手が堂々の総合優勝 でも一悶着あったってマジ?
碓氷峠最速の男は俺だ! 新井大輝選手が堂々の総合優勝 でも一悶着あったってマジ?
ベストカーWeb

みんなのコメント

9件
  • 赤いワンダーシビック見た時は新鮮だったな~
    86レビン/トレノと同時期だったのでCR-X含めて人気でしたね
  • 低くかまえたボンネットで、やたら車両感覚の掴みやすかったフロントを思い出します。
    模型かぁ………週末、見に行こうかと思ってしまいました。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193.7235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.9260.3万円

中古車を検索
シビックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193.7235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.9260.3万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村