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レンタカーでも走行できる? 世界一過酷なサーキット「ニュルブルクリンク」を実際に走るには

掲載 更新 7
レンタカーでも走行できる? 世界一過酷なサーキット「ニュルブルクリンク」を実際に走るには

■ニュルブルクリンク走行専用のレンタカー会社がある

村起こしと失業者対策のために、ドイツ西部の田舎に1925年から2年の工事を経て完成した「ニュルブルクリンク」は、いまから93年前、1927年6月18日にオープニングレースが開催された。

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名前の由来はニュルブルク(ニュル城)に隣接したリンク(サーキット)という意味である。

自動車レースを開催するサーキットとしてだけでなく、カーメーカーや部品メーカーが実車試験のテストコースとして世界一過酷と云われるニュルブルクリンクのノルドシュライフェ(北コース)を選んでいることも有名である。

大半の唐草模様のような擬装ラッピングを施した開発途上のクルマが、スクープ写真を撮られているのはここなのだ。

ノルドシュライフェは1周20.832kmと、恒久的なレース用サーキットとしては世界一長い。基本的には4月から10月までの雪が降らないシーズンに走ることができる。カーメーカーなどがテスト走行するのはインダストリアルプール(IP)という時間帯で、ウイークデイの9時から16時すぎまで、各社混走で走る。

一般の人が走れるのはツーリステンファルテンという時間帯。日によって異なるが、ウイークデイはIPが終わって17時-19時、土日祝日は9時から19時は、1周ごとに走行料金を払えば走ることができる。

サーキットではあるが、基本的には一般道と同じで有料道路のような考え方だ。だから自分のクルマで走るなら保険も効く。ただし空港などで借りるレンタカーは、その約款によってニュルを走ることはできない。

そこで観光客が走るために、現地にはニュル専用のレンタカー会社が3社ある。日本の運転免許証、国際免許証、パスポート、そしてクレジットカードがあれば走ることができる。自己責任なのでヘルメットは不要だ。

クルマのレンタル料金は車種によって異なる。ちなみに「Rentracecar.de」のラップチケットと燃料代を含んだ4ラップの価格は以下のとおりだ。

スズキスイフトスポーツ」 419ユーロ
VW「ゴルフVII GTI」 469ユーロ
ルノーメガーヌR.S.トロフィー」 529ユーロ
ポルシェ718ケイマン」 659ユーロ
BMW「M4コンペティション」 999ユーロ
ポルシェ「718ケイマンS」 999ユーロ
ポルシェ「911GT3」 1299ユーロ
ポルシェ「911GT3 RS」 1499ユーロ
ポルシェ「911ターボS」 1499ユーロ
アウディ「R8 V10プラス」 1499ユーロ
マクラーレン「540C」 1699ユーロ

1ユーロが120円として計算すると、スイフトスポーツが約5万円、マクラーレンが約20万円である。20kmを4周だから、サーキットで80kmの距離を走ると考えると安いのかもしれない。

この他、走行前にデポジットをクレジットカードで切っておかなくてはならない。もちろん無事故で返却すれば同額のマイナス処理をしてくれるが、これも結構な金額だ。初めて走行する人は、最初の1周はインストラクターの運転の横に乗って体験するが、その分は50ユーロが加わる。

■1周20.832kmのなかに標高差300m、左コーナー33、右コーナー40あるニュル北コース

レンタカーで走るとしても、ノルドシュライフェのルールを知っておかなくてはならない。

乗員全員のシートベルト装着、ヘッドライトはオン、追い越しは左側からだけ、追いつかれたら右ウインカーで右に寄る、スマホにニュルの緊急用電話番号、コース内は駐停車禁止、黄色旗や信号が点灯していたら追い越し禁止で50km/h制限、ビデオ撮影禁止、ラップタイム計測禁止、ドリフト禁止と細かく決められている。

筆者が最初にニュルを走ったのは1984年だが、1980年代、1990年代は取材で毎年何回も走った。1996年からは毎年日本人の参加者と一緒に走りに来ている。2008年からはニュルで開催するBMW Driving Experienceのインストラクターとして参加している。

何年通っても、ノルドシュライフェは飽きずに走ることができる。それだけ走りを極めることが難しいということだ。森の中を走るから、ドイツ語ではグレーネヘレ(=緑の地獄)と呼ばれている。

一般的にドライビングはコースセッティングとコーストラッキングのふたつが必要だ。

コースセッティングはどのラインをどれくらいのスピードで走るかを決める、いわゆる設計をするわけだ。コーストラッキングは、自分の設計図どおりにクルマを走らせるためにコントロールすることを意味する。

ノルドシュライフェは、このふたつとも難しい。コースセッティングは道を知らなくてはできないが、ノルドシュライフェはブラインドコーナーだらけなので、ブラインドの先がどんなコースなのかをしっかり覚えておかなくてはならない。

最初はコーナーごとの名前を覚えるだけでも苦労する。このブラインドが左右のコーナーだけでなくアップダウンでもあるのだ。公式なデータでは標高差300m、左コーナー33、右コーナー40となっている。

コーストラッキングが難しい要素はふたつある。

ひとつは、あまりにもハイスピードコーナリングが多いことだ。最近のサーキットは安全のためにコーナー手前で大きくスピードを落とさせるデザインになっているが、ノルドシュライフェは150km/hや200km/hでコーナリングするコーナーがたくさんある。このハイスピードで肩に力を入れずに正確にクルマを操ることが難しい。

もうひとつは路面だ。サーキットではあるが一般道の舗装に近く、グリップは高くない。たくさんのクルマが走り込んでいるので、舗装路面が磨かれてしまっている。さらに雨になるとレコードラインは雪道と同じミューになり、極端に滑りやすくなるからだ。それを読み込んでコースセッティングもしなくてはならなくなる。

日本から連れていく生徒には、絶対に事故を起こさないようにひとつのテーマを与えている。

それはスムースドライビングだ。アクセル、ブレーキ、ハンドルの操作をいつもゆっくり丁寧にすることが、安全に走るだけでなく、それを突き詰めると究極の速さにもつながるからだ。逆にいえば、それが速く走るための近道でもある。

※ ※ ※

それでは、ノルドシュライフェの名物コーナーでもあるカルーセル(メリーゴーランド)の走り方を解説しよう。すり鉢状のコンクリート舗装のUターンするようなコーナーだ。

シュタイルシュトレッケという右ヘアピンコーナーを立ち上がって、正面に見えるフェンスの右の柱を目がけて道は左右にうねっているが、ハンドルはまっすぐのまま直進する。

左の大きな木のあたりからブレーキング開始、そのまま進むとカルーセルのコンクリートが見えてくるので、2枚目から中に入る。コンクリートは斜面だが、下側のアスファルトは水平だ。タイヤの接地面と舗装面が合うように、4輪ともコンクリートに乗せる。そして左のタイヤがコンクリートの一番下にくるように下のラインを選ぶ。中でアクセルを踏み過ぎると上に出てしまうので注意。出口はコンクリートの右側の角にクルマの中心を合わせるようにハンドルを右に戻しつつ、アクセルを踏みながら脱出する。

■ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェのコーナー名を知ろう

Nurburgring Nordschleifeコーナーの名前(直訳)

・Antoniusbuche「アントニウス本」
・Tiergarten「動物園」
・Hohenrain「大雨」
・T13「T13」
・2kmB Hatzenbach「ハッツェン小川」
・3kmB Hocheihen「列を作る」
・Quiddelbacherbrucke「クイーデルバッハ橋」
・QuiddelbacherHoehe「クイーデルバッハ高台」
・4km Flugplatz「飛行場」
・5km Schwedenkreuz「スウェーデンの十字架」
・Aremberg「アレム山」
・6km Fucksrohre「狐の穴」
・7kmA Adenauer Forst「アデナウア森」
・Metzgesfeld「メッツゲス広場」
・8kmB Kallenhard「カレンハート」
・9km Wehrseifen「石鹸バリア」
・Breidscheid Brucke「ブライチャイド橋」
・10kmA Ex-Mohle「元水車小屋」
・11kmA Berkwerk「鉱山」
・Kesselchen「大釜」
・12km Klostertal「修道院の谷」
・13kmB Steilstrecke「急登坂路」
・14kmA Karussell「メリーゴーランド」
・15kmA Hohe Acht「8の丘」
・Wippermann「シーソー男」
・Eschbach「灰小川」
・Brunnchen「ブリュンヘン」
・Eiskurve「氷のカーブ」
・17km Pflanzgarten 1,2「植物園」
・18kmA Stefanberof S「シュテファンベロフS」
・Schwalbenschwanz「燕の尾」
・19kmA Kleines Karussell「小さなカルーセル」
・Galgenkop「絞首台」
・Dottingerhohe「デェッティンガー高台」

小さな距離標(T13が0km)
A=after
B=before

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みんなのコメント

7件
  • 日本もこういうのがほしい。ヘルメットかぶってガチで走るより気軽に飛ばせる所。ルールも自分のペースでいいし、高速道路のように追い付かれたら左に寄る。日本のはみんなピリピリし過ぎ。
    だから客もつかない。
  • うちの近くには環2というサーキットがあります\(^o^)/
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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