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トヨタ 超小型EV「C+pod」を法人、自治体向けに発売

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トヨタ 超小型EV「C+pod」を法人、自治体向けに発売

トヨタは2020年12月25日、2人乗りの超小型EVモビリティ「C+pod(シーポッド)」を、法人や自治体などを対象に限定販売を開始しました。この超小型モビリティは軽自動車カテゴリー内の「超小型モビリティ」で、ヨーロッパのL7Eカテゴリーに相当し、運転免許なしでも乗ることができますが、日本ではもちろん運転免許が必要です。

超小型EVモビリティ登場の背景

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超小型モビリティは、軽自動車の枠内で、全長2500mm、全幅1300mm以下、全高2000mm以下、最高速度60km/h、定格出力が0.6kW以上とするなどの条件を満たすマイクロカーで、高速道路や自動車専用道路を走ることは禁止されています。

トヨタは、この「C+pod」を契機に今後はEVの新たなビジネスモデルの構築など、普及に向けた体制づくりを推進し、個人向けを含めた本格販売については、2022年を目途に開始する計画としています。

トヨタは2019年6月に「EVの普及を目指して」電気自動車戦略を発表しました。トヨタは以前から電動化戦略として、ハイブリッド技術、プラグインハイブリッド、燃料電池車など幅広く展開する構想を主張し、EVはその中で2030年時点で約10%のシェアを想定。バッテリーのみで走行するEVは短距離タイプの小型モビリティが最適としてきました。現在、この2017年に策定されたトヨタの電動化戦略は見直しを余儀なくされています。

2019年6月時点で、開発全体を統括する寺師茂樹副社長(当時)は、2017年に想定した電動化戦略のシナリオを上回る速度で時代は流れており、5年程度ペースが早まっていることを認めざるを得ないと語っています。5年前倒しするシナリオにより、2025年にはEV、燃料電池車を100万台レベルまで引き上げる必要があるとしています。

そして寺師茂樹氏は、新たな戦略に従い、最もEVの需要が大きい中国には2020年にC-HRベースのEVを2車種投入し、そして日本では2020年にEV超小型モビリティと、ラスト1マイルモビリティの1名立ち乗りEVを市場投入。2021年には低速スクーター型EV、車イス連結タイプの低速小型EVを市販すると語っています。

つまり、今回の超小型EV「C+pod」は、限定的ではあるものの、計画通りの市場導入といえます。なおこの超小型EV「C+pod」は、元町工場での少量生産体制で対応します。

航続距離は120km

超小型EV「C+pod」は2人乗りタイプのEVで、人の移動における、1人当たりの高いエネルギー効率を追求したモデルです。日常生活における近距離移動に加え、定期的な訪問巡回といった法人利用や、都市・山間部などそれぞれの地域に即した移動手段を目指しています。

そしてこのEVのさらなる普及を進めるため、ラインアップを拡充するとともに、協調の姿勢でオープンに仲間を募り、新たなビジネスモデルの構築を目指しています。現在、200以上の法人や自治体とともに検討を進めているとしています。

そしてEVならではの新たなサービスを実証的に提供することになっています。最適な充電設備工事とCO2フリー電力など、EV向け電力プランについて、1つの窓口でサポートする法人向けワンストップサービス「TOYOTA GREEN CHARGE」を中部電力ミライズと共同開発。

また関西電力、東京電力エナジーパートナーとも提携して同サービスを展開する計画です。さらに、観光情報とのセットでTOYOTA SHAREを活用し、利用者の観光・周遊促進を図る「EVカーシェア」なども順次進めていく予定としています。

超小型EV「C+pod」は、全長2490mm、全幅1290mm、全高1550mm、ホイールベース1780mmのボディサイズで。最小回転半径3.9m。9.06kWhの容量を持つリチウムイオンバッテリーをシート足元の床下に積載し、駆動用モーターはリヤに搭載。サスペンションはフロントがストラット式、リヤはトーションビーム式としています。なおモーターの出力は定格2.6kW、最高9.2kW、最大トルク56Nm。注目の航続距離は150km(WLTC・超小型モビリティ用モード)となっています。

また最高速度は超小型モビリティの枠により60km/hとなっています。充電は200V/100Vの普通充電に対応し、200Vで約5時間、100Vで約16時間とされています。

ボディは樹脂製で軽量化を追求。ボディカラーは、キャビンのブラックに、鮮やかなシアンメタリック、アクティブで深みのあるオレンジメタリックなどと組み合わせたツートーンカラーを全5色設定。またキャビン、ボディもブラックアウトしたスリートーンカラーを全3色から選択可能となっています。

安全基準は超小型モビリティ用の安全基準に対応。一方で、このカテゴリーのクルマとしては異例の車両(昼夜)、歩行者(昼夜)、自転車運転者(昼間)を検知可能な衝突回避被害軽減ブレーキを標準装備しています。また低速走行時における、壁などの障害物との衝突回避または被害軽減に寄与するインテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]も設定されています。

トヨタ C+pod 諸元表

価格

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みんなのコメント

6件
  • 売れる様な性能じゃ無いとかいう意見がこれから出て来ると思われるが、トヨタは既に企業や自治体でどれだけの需要があるかを確認した上で取り組んでいる。
    詰まり、トヨタは実質的にEV事業自体で収益を上げる、世界初の企業になったという事である。
    恐るべし。

    テスラが今期、何とか黒字に浮上出来るのは、EV事業自体の収益と言うよりも、CO2排出権のクレジットを売った分や莫大な補助金など、制度に助けられている事が大きい。
  • これ欲しいです。ただ車椅子をしっかり積める荷室を確保した市販バージョンに育てて欲しいです。
    老老介護の家庭にはピッタリだと思います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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